『カカオ79％』174:ヤンキーとアリス【あらすじ＆感想】

web漫画/カカオ79％【あらすじ(ネタバレ)＆感想174話】～残り21％の甘さ～

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翼は、街角で勇と引っ付いているときに、偶然クラスメイトの渡辺と土井と遭遇してしまう。
「あ、こ…こんにちは、渡辺くんと土井くん、ぐ、偶然だね？私同じクラスの綾野…だよ、ほら勇と一緒に転向してきた幼馴染の…そう、あれの幼馴染だからね。家が隣だからこうやって休日も一緒にすごしたり…幼馴染だからね」
翼は、殴ってダメージを受けたままの勇を指さしながら、必死でごまかす。

まだ…！！
勇と付き合ってることを学校の人達にバレたくない！
絶対バレたくない！！

勇の好きな女子達に
睨まれたくないし
騒がれたくないし
「やっぱりそうだったんじゃん」的な微笑ましくて
いやらしい目で見られたくない

何より恥ずかしい！！

翼がそう思ってると、目の前にいる渡辺と土井が、まさにそんな目をして翼の方を見ていた。

わあ、野生のリア充だ
ムカつくな

と言ってそうな顔を、二人はしていた。

そう
こういう目で見られるのが
嫌なんだ…！！

これはバレてるな？！
何故？！

「何故二人が知っているかって、それは俺が喋ったからだ」
勇が読者の方を向いて説明した。
「てめぇかよ！！」
思わず翼は突っ込む。
「ちなみに橘も知ってるから」
勇がしれっと報告する。
「なんでだよ？！内緒にしようってこの間話したばかりなのに？！」

話す二人を、渡辺と土井は微笑ましくていやらしい目で見ていた。

痴話喧嘩
夫婦喧嘩

「とりあえず土井＆渡辺のあのムカつく顔何とかしろよ！」
翼は勇に抗議する。二人は、翼からの呼び方が突然、呼び捨てになったことに驚く。

勇はヤル気なく二人に向かって話した。
「よくテレるやつなんですまんな」
それに対して、二人はやや冷やかし気味だ。
「道端でイチャイチャかよ～」
「テレることないのにテレるからもっとテレくさくなるって教えてあげなよ」

翼は少し離れたところにいるとは言え、会話は聞こえていて、拳を握って言う。
「ぶっ殺す！！３人共！」

＊＊＊

堤防のくさっぱらの上に、勇と翼、渡辺と土井が座る。それぞれ、アイスや缶コーヒーやお茶などを手に持っていた。
「そっかー付き合ってること皆には内緒にしてるんだ、いいよ、俺らも知らないふりしてあげる」
土井が棒アイス片手に言った。
「本当？！ありがとう、いいやつらだな土鍋！」
と翼。
「あ、そこ略しちゃうの？ご飯炊いちゃう？」

土井は、翼が予想していなかったことを言いだす。
「でもそれって結局これからも一ノ瀬はあらゆる女子たちにあらゆる方面から猛アタックされるかもしれないってことだけどそれは大丈夫？」
翼は思わず固まる。
「この前の天童さんみたいな」
二人は、勇が天童さんに、そういえば告白されてチューもされてたな、一ノ瀬、と思い出す。

勇がすかさずフォローを入れる。
「悪い、その名前今地雷だから」
案の定翼はネガティブが発動していた。
「もう…私は…ダメなんだろうな…終わりなんだろうな…取返しのつかないところまで来てしまった、私たちはまるで天と地、闇と光、水と油、コーラとケチャップ」
地雷を踏んだ土井は、
「あれ？」
と不思議そうな顔をしていた。

「なるほど…だから天童さんの様子見て来て欲しいってことだったんだ、最初連絡来た時には、一ノ瀬は天童さんを選ぶんだと思ってビックリしたんだよな」
土井が言った。
「そう、テメェらがそうやってからかうから俺こいつと付き合い始めたことを話さざるを得なかったんだよな」
勇が説明した。

「そのことなんだけど、天童さん働いてはいたから体調は回復してるとは思うけど、顔がずっと虫食ってるような感じだった」
土井は天童さんの迫力ある表情を思い出しながら言った。
「大丈夫、それ元々そんな顔」
凹み続ける翼の横で勇がこたえる。
「あの顔で接客業は大丈夫じゃないと思う」
と言っている土井の横で、食べていた棒アイスにあたりが出たのか、渡辺はうれしそうにアイスの棒を見つめていた。

＊＊＊

「お・つ・か・れ、てんどっちー」
わざと裏から出てきた天童さんを待ち伏せしていたアリザワ先輩は笑顔で片手を上げた。天童さんはそんあアリザワ先輩を無視して、横をシューンと通り抜けてしまう。
「あれ？無視？！俺一時間待ったがな？！」

スタスタと先を歩く天童さんを、アリザワ先輩は呼びながら追いかけた。
「てんどっちー大魔王誘って夕食行こうやー、俺奢るからー」
すると天童さんは、突然ぐるっとアリザワ先輩の方を向いた。
「あいつを釣り出すダシに私を使うのはやめた方がいい、逆効果だから。つか本当に暇なやつだな、好きなやつがいるっつー女にちょっかいだしても相手にしてもらえるかどうかわかんないっつーのに」

アリザワ先輩は、天童さんの言葉は意に介さず、笑顔のまま
「おっそれ俺の心配してくれてんの？それとも大魔王の心配？」

天童さんは、スタスタとアリザワ先輩に近づくと、パァンと拳で、アリザワ先輩の腹を殴った。
「お、お前道端で堂々と…人殴るなっつー…」
アリザワ先輩はうずくまりながら、震えながら言う。
「一度は殴ってみたいと思ってたからスッキリした」
と天童さん。

「いやお前はじめてじゃねぇし…わ、わかった、そんなに大魔王を呼ぶのが嫌なら代わりに順ちゃん呼ぶ？お前順ちゃんと仲いいだろ」
アリザワ先輩の言葉に、天童さんはとっさに少し顔をそむけた。しかしアリザワ先輩は、天童さんの目から涙が溢れ出してくるのを見逃さなかった。

＊＊＊

土手で渡辺や土井と別れる。
「じゃ、俺たちはこっちだから」
「おう、また明日な、土鍋」
と勇が言う。
「あれ？それ使うの？」
と、さっそくついたあだ名に対して、土井が言う。

翼は離れたところで、自分のスマホが振動してるのに気が付いていた。

「一ノ瀬」
帰り際、土井が勇を呼び止めた。
「綾野さんのこと内緒にしてて本当に大丈夫？」
「？ああ、翼のやつもさっきそうしてくれって言ってたろ」
勇がこたえる。
「一ノ瀬はそれで大丈夫かってことだよ」

勇は静かに土井のことを見た。少し頭をかく。
「まだダイジョーブ」
そう言って勇は片手を上げて二人から離れていった。

まだってことは今後大丈夫じゃなくなるってことか

「何？今のどういう意味？」
渡辺が不思議そうな顔をして土井に聞いた。土井は、勇の後ろ姿をみつめたまま答えた。
「付き合うことになったとしても、苦労しそうだなってこと」

勇は、渡辺と土井から離れて、翼の側に来た。翼は、スマホの画面を見ていた。画面には、『有栖川』からメールが届いた旨の通知が表示されていた。
「アリスちゃん…！」
翼が呟く。
「誰だ？アリスって」
突然、横から勇が話しかけたので、翼はビクッとする。スマホを握りしめたまま、うまく答えられない翼に、勇は上着を翼に貸して、半袖のTシャツだったことから、さむっと身震いしながら翼に近づいてきた。

アリス？
だれだっけ

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