聲の形 あらすじ&感想 その10

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聲の形 番外編 7ヶ月前

「お待たせしました、奥の席へどうぞ」

理容師のお母さんが、次のお客さんを呼んだ。反応がない

「奥の席どうぞ?」

お客さんの方を見ると、将也と同じ位の小学生の女の子で、頭にはこの葉のクズがついていた。

その子はヘアカタログに目を落としたまま、何の反応もない。

「……??奥の席へ…」

お母さんは少女に近づいているが、全く反応しないので、少女の目の前まで行って、視界に入ってから声をかける。

「あの…」

少女は顔を上げた。

「……!」

そして少女は自分のことを指刺した。

小学校の体操服を着ていた少女は、胸に西宮と名前が書いてあった。

「こっちです」

お母さんが立って案内する。

鏡の前に座らせて、お母さんは硝子の頭の上についている葉っぱを払った。

「髪型どうしますか?」

そう言いながら少し驚いていた。

髪が濡れていた。

そして葉っぱが頭についていた。

将也のことを思い出しながら、川に飛び込むの流行ってるのかしら?と考えていると、少女が手元にあったヘアカタログの中の写真の1枚を指差した。

ショートボブの写真だった。

「これですね」

お母さんは少女のことを無口な子だなと思いながら、まず髪を洗った。
そこへ、1人の女性がカランカランとお店に入ってきた。

「うちの娘、どんな髪型にするって?」

将也のお母さんが応対する。

「お母さんですね、こんな感じのですよ。似合うと思います」
すると硝子のお母さんは、思わぬことを言った。

ダメね、私はこれがいいわ。このくらい切るの。男の子みたいにして。」

「…」
将也のお母さんは、硝子に声をかけた。

「あの…どう思う?あなたはこれにして大丈夫?」

硝子は、無反応で鏡の方を見ていた。
「無駄よ」

硝子のお母さんが口を挟む。

「聞こえないもの」

「……!!」

お母さんは言葉を失った。
今日は補聴器つけてないから特にね。川に投げられて見つかってないの。硝子は探したみたいなんだけどね」

硝子のお母さんは構わず、説明を続ける。

「投げられた……?」

「この子学校でいじめられてるのよ。まぁもうすぐ障害に理解のある学校に転校させますけど。私はね、この子にはもっと強くなってほしいのよ。男の子みたいに。じゃぁ、ばさっとやっちゃって。」
将也のお母さんは少し考えながら、カタログを硝子に見せた。

ベリーショートの写真の横に、

「お母さんはこの髪型がいいらしいですよ。どうしますか?」

とメモを貼って、硝子に見せた。
硝子はカタログをじっと見つめた。

そしてちょっと困った顔をする。

***

「こんな感じでどうでしょう」

髪を切り終わった色は、微笑んでいた

将也のお母さんは、硝子のお母さんの前に硝子を連れて行った。

不機嫌な顔になるお母さん。
「あなたも耳が悪いの」

硝子の髪型は、ベリーショートではなくて、もともと硝子が希望したボブにカットされていた。

「あなたも耳が悪いの?」

「すみません…でもこれがいいと…」

将也のお母さんがやんわり説明する。

「お金を払うのは私よ」

「ですが本人の気持ちは…」

「あなたの意見は聞いていない!硝子の意見もです!大事なのは娘がいじめられないこと!!」
それを聞いて、将也のお母さんは言葉をなくす。

「客の要望を聞き入れないなんて商売人失格よ!二度と来ないわ、こんな店!!」

そう言って硝子のお母さんは乱暴にお金を置いてお店を出ていった。
「申し訳ありません…!」

将也のお母さんは、お店の外まで、2人を追った。

硝子は、お母さんに手を引かれて無理矢理、引っ張られていく。
少し歩いたところで、、硝子がクルっと後ろを振り返った。

そして笑顔でピコッと挨拶をした。

とてもいい笑顔だった。
お母さんはその笑顔を見届けると、何も言わずに、お辞儀をした。

聲の形 番外編 7ヶ月前 感想

番外編のタイトルの7か月前は、どの時点から換算して7か月前なのでしょうか。

硝子が将也のクラスに転校してくる7か月前かな。。。

将也のお母さんは、いいお母さんですね。

硝子の気持ちを大事にしてくれてよかったです。

硝子のお母さんも、いろいろと思うところがあるのだとは思いますが、高圧的に考えを押し付ける感じがいただけません。

それでも、硝子は慣れているのか、にこにこしていて、将也のお母さんにも、お礼も笑顔(?)で対応していてホッとしました。

耳が聞こえないことは、見た目にわからないから、初対面とか、まったく知らない人の場合、わからないからこそ、そうするつもりはなかったとしても、結果として無視をしてしまっていたりと、色んな誤解が生まれやすいのだと思いました。

聲の形 登場人物紹介

石田将也

主人公。

現在は高校生。幼少期のエピソードでは小学校6年生。

当時は悪ガキで、同級生の広瀬や島田らと、度胸試しをして遊んでいた。

また、3人は将也の家で、ゲームをしたりや漫画を読んで過ごすことが多かった。

将也の家は理容店で、理容師の母と、高校生の姉との3人家族。

西宮硝子

将也のクラスに来た転入生。耳が聞こえない。

島田

将也の友達の一人。

広瀬

将也の友達の一人。

川井

将也のクラスの委員長。女子。メガネでおさげ。

植野

将也の友達の女の子。

気が強い。

委員長の川井らと仲良しだが、将也ともよくしゃべるし、一緒に遊ぶこともある

 

将也の母

理容師

将也の姉

将也が小学6年生当時、高校生。

付き合った人がたくさんいる。

「人生は退屈との戦い」

聲の形 1巻

「俺は彼女が嫌いだった」

明るく!楽しく!大冒険!

がモットーの少年、石田将也

耳の聞こえない転校生の少女、西宮硝子

2人の出会いが、教室を、学校を、

そして将也の人生を変えていく

聲の形とは

作者:大今良時。

『週刊少年マガジン』に2013年に連載開始、掲載された。

単行本は全7巻。

また、2016年には、京都アニメーション制作で、劇場アニメ映画が公開された。

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