『片想いシュリンク』EP*08恋【あらすじ&感想】

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『片想いシュリンク』まさかの恋愛ファンタジー冒険譚

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『片想いシュリンク』EP*08恋【あらすじ】

「…とら、どうしよう、私…アオイくんがすきだわ

うつむきながらそう告白したすみれちゃんの頬は

見たことないくらい真っ赤で

僕はまるで林檎みたいだなって思ったんだ…

***

中学生のセーラー服をきたすみれちゃんが、ランドセルを背負った虎之助に話しかける。
「ねぇとら!ちゃんと上手にむすべているかしら?」
玄関に座っているすみれちゃんを虎之助がうしろから覗き込んで答える。
「うん、可愛いよすみれちゃん。今日はツインテールなんだね」
「ええそうよ!この本1冊分のヘアアレンジを全部試して、一番アオイくん好みの髪型にするの!」
意気込むすみれちゃんに、虎之助は、すごーい、と言って手を叩いた。

すみれちゃんが好きになったアオイくんはその頃大学生で

中学2年生のすみれちゃんと小学6年生の僕は

僕たちよりずっと大人のアオイくんに

どうしたら近づけるのかわかりませんでした

だけど一生懸命で頑張り屋さんな

大好きなすみれちゃんの初めての恋…

大好きだから

僕がいっぱい助けてあげよう

そう決めたんです

難しいヘアアレンジに挑戦するすみれちゃん。ぶらしたカーラーを両手に持って呟いた。
「むずかしいわ…」
横から、虎之助がリボンや髪留めを持ってきた。
「手伝うよー」

ボブヘアをくるっと巻いて、小さなリボンをいくつかつけたすみれちゃんを見て、アオイくんが言う。
「お!今日もすみれはオシャレさんだなー」
すみれちゃんは、嬉しそうに顔を赤らめた。そんなすみれちゃんを、虎之助は、真っ直ぐに見つめた。

「お!いーじゃん、それやっぱすみれ似合うよ!」
ある時、アオイくんは、紫のカチューシャをして髪を下ろしているすみれちゃんに言った。
「あ…ありがとうアオイくん」
「うん、髪下ろしていると大人っぽいな
「ほっ本当!?」

アオイくんは長い髪が好きらしい

カチューシャはアオイくんから

学校で一番の成績を取ったすみれちゃんへのご褒美だったのだけど

年上のアオイくんに近づきたかくて頑張ったすみれちゃんにとっては

大人っぽい

という言葉も含めてきっと

大切なプレゼントだったのです…

***

カランカラン、と喫茶ノエルのドアの音をさせて、すみれちゃんがお店に入った。
「…あの、こんばんは。アオイくん昨日は電話ありがとう」
「お、すみれ、いらっしゃい。昨日の電話、なんだかバタバタしてたけどなんかあった?
すみれちゃんは昨日、アオイくんとの電話中に、突然元のサイズに戻ったのだ。
「いえ、何でもないわ。心配しないで」
すみれちゃんが慌てって言う。
「そっか?」
アオイくんはそんなに気にはしていなさそう。

「これ、大事に付けてくれてありがとな、忘れ物するの珍しいから体調悪化したのかと思って心配してたんだ。顔出してくれてよかったよ」
「アオイくん…」
アオイくんがすみれちゃんのすぐ前に近づいてきたことで、すみれちゃんの顔が赤くなる。
「はい、これその忘れ物と、俺の特性プリン♪それ食えば元気でんだろ」
そういうとアオイくんは、紙袋をすみれちゃんに渡して、クールな笑顔を見せた。

忘れ物とは、紫色のカチューシャだ。アオイくんがすみれにあげたものだ。
「―――――――ん」
すみれちゃんはアオイくんの言葉に、何度もうなづいた。
「プリンすきだもんなー、ところですみれ、俺今週の日曜日に珍しくやすみもらえたんだけどさー」
アオイくんが話しを続ける。
「女の子って、初デートどこに連れてってもらいたいもんかなぁ?」

***

虎之助の部屋。虎之助は椅子に座って、すみれちゃんの話を聞いていて、すみれちゃんは、、涙目でもくもくとアオイくんのプリンを食べていた。

「…それで…しっかりちゃんとアドバイスしてきちゃったの?」
虎之助の言葉に、すみれちゃんはひらすらもぐもぐもぐもぐしながらも
「ふむ」
と返事をする。
「駅前で待ち合わせしてちょっと美味しいお店でランチした後話題の恋愛映画を一緒に観て感想を話しながら近くの公園をお散歩、クレープ半分こに分け合ったりしつつ良い雰囲気になって手をつないで一緒に帰る…って?」
虎之助が言う。すみれちゃんがもくもくとプリンを食べているので
「それ美味しい?」
と聞いてみた。
「もいちい…」
すみれちゃんは涙目だ。

「…う、だって…アオイくんが…私にくれたカチューシャのこと今も覚えてくれていて…心配して電話してくれてプリン作ってくれて、すごくすごく嬉しかったのに、嬉しそうに「日曜日にデートなんだ」って…でもどこに行こうか迷っているって頼ってくれて、頼られたのはちょっとだけ嬉しくて…そしたらね、ぐちゃぐちゃって…頭がぐちゃぐちゃになっちゃって……」
と、涙ながらに話していたすみれちゃんが突然大きな声を出す。

「そうだ、ぐちゃぐちゃよ!」
と言いながら机をたたいた。虎之助はびくっとなる。
「デートをぎちゃぐちゃにしてやればいいんだわ(?)」
すみれちゃんは立ち上がって、虎之助に顔を近づけた。
「え、えぇ??」
虎之助は驚いている。
「日曜日のアオイくんの初デート、邪魔しに行ってやるわ!!!」
すみれちゃんは宣言した。
「ええええええ!?」

よし、がんばるわ!と意気込むすみれちゃんを見ながら、心配だからついて行こうと決意する虎之助だった。

To Be Continued

 

『片想いシュリンク』EP*08恋【感想】

 

虎之助は、すみれちゃんが恋をした瞬間からずっとずっと、すみれちゃんの隣ですみれちゃんの恋を見てきたのですね。そのとき、虎之助はもう、すみれちゃんに恋をしていた?

男女の幼馴染って、恋が絡むと残酷です。幼馴染相手に恋をしていようが、他の誰かに恋をしていても、幼馴染同士の関係性が微妙に変化してしまう気がします。虎之助もそれは感じたでしょうか。でも、その変化をまっすぐに受け止めて、すみれちゃんの恋を、心の中でも、そして物理的にも応援してきた虎之助。健気ですね。

虎之助、これで見た目が大人の男になったら、ものすごくモテるようになると思います。

『片想いシュリンク』EP*08恋【タイトル考察】

 

他の作品と比べるわけではないですが、同じCOMICOの幼馴染同士の恋愛を描いた「カカオ79%」の100話目のタイトルが「恋」でした。この作品では、ヒロインがずっと封印してきた自分の気持ち、幼馴染の男の子への恋に気が付き向き合いはじめるというターニングポイントの回でした。

奇しくも同じタイトルの今回、すみれちゃんが初めて恋をしたことを虎之助が聞く、という過去の話ですが、少し二人の関係性が変わったのかな、と思わずにはいられません。

『片想いシュリンク』関連過去EP

 

4話・・・忘れていたカチューシャ(アオイくんにもらった)をつけているすみれちゃんの回(このあと忘れていった)

6話・・・電話中のばたばた

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