『カカオ79%』259:迷路(1)【あらすじ&感想】

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web漫画/カカオ79%【あらすじ(ネタバレ)&感想259話】~残り21%の甘さ~

259:迷路(1)

意外な場所、高級ホテルのパーティー会場で橘君とモブ男こと夏目凪は遭遇していた。お互いに少し驚いた顔をする。

「これは橘さま…来ていらしたとは」
凪の後ろから50歳くらいの男性、先程、別の女性と凪の話をしていた男性が、橘君のおじいちゃんに挨拶をする。
「父もきっと大喜びします。お元気そうで何よりです」
橘君のおじいちゃんも、震えながら応える。
「荒木くんも元気そうじゃな」

「ちょうどいい機械だ、紹介します」
男性が凪の肩をポンとたたいた。
「私の息子です」

「ワシの孫じゃ」
橘君のおじいちゃんも橘君のことを紹介する。

***

「誰だか知らない親戚の誕生日パーティー。まさかこんなところで橘君に会うとは」
会場の隅で、凪と橘君は二人並んで立ち話をする。
「ははは、同感だよ。俺は親の代わりに叔父さんについてきただけだけどね、え…と、な……凪くん」

凪は橘君の方を困ったような、少し笑ったような表情で見る。
「今悩んだよね、夏目と荒木、どっちで呼ぶべきか」
図星されて橘君は返答が出来ない。

「あら凪さん、来ていらしたの」
凪と橘君の二人が話していると、若い女性2人が近づいて来た。
「もうこっちの集まりには参加しないのかと」

そして二人は、凪と橘君から少し離れて、ひそひそと噂話をはじめた。
「あの人の苗字を引き継いだって?じゃあ清水?」
「違うわよ、あの駆け落ちした男の…何だっけ」
「夏目?」
「本当、伯父様もよく許したものね」

橘君は横にいる凪の姿をちらっと見た。凪は平気な顔をして、壁を背に立っている。

***

橘君はホテルのトイレの洗面台に寄りかかり、スマホを取り出した。凪のことを考える。

綾野さんの腕の怪我の経緯を聞かされた時に出てた名前、夏目愛
そして一ノ瀬が気にしていた凪君の苗字…

夏目愛という子は姿をくらまして
今もどこにいるか分からないって言ってたな

橘君はスマホのボタンを押して電話をかける。トルルルルルルルル、トルルルルルルルとコール音がする。

***

ベットの上に置いてあった翼のスマホが震えた。
「も、もしもし?」
電話に出ると、相手は料理中の蛍だった。
「翼ちゃん本当に今日も来ないつもり?」
蛍の後ろには光もいて、にこやかに笑っていた。

「今日のメニュー生姜焼きよ?好きでしょ?」
「生姜…?!」
蛍の言葉に翼は思わず立ち上がる。
「あー行きたい…超食べたい…天童さんもいないし、一人飯は寂しいし…」
翼は座り込んだ。

「もう勇にぃと仲直りしてこっち来て食べなさいよ。何か今回長くない?てか喧嘩多くない?」
蛍が話していると、電話の向こうで、ガタンダダダダダダダダという音がした。
「あれ?勇にぃ?出かけるの?夕飯いらないの?」
電話の向こうで蛍が勇に話しかけている。

「あー要らないかも…」
電話越しの勇の声に翼はドキッとする。
「帰り遅くなるかも知れないし」

「雨もひどいのにどこ行くのよ」
上着を着る勇に蛍が言った。
「……昔の友達に会ってくる」

少し慌てた様子で支度をしながら勇は答えた。ガタン、と音を立てて勇は出かけて行った。蛍は呆気に取られつつも、まだ翼と繋がっている電話に向かって話す。

「…だそうです。翼ちゃん夕ご飯食べに来たら?」
翼は頭がいっぱいで蛍の声は聞こえていなかった。

…昔の友達?
誰だ?
今から愛に行くなんて…

前の学校の誰かが近くに遊びにでも来てるのか?

翼は愛ちゃんのダイアリーを手にする。電話を切った。

まさか
あのオレンジ野郎と最初に会う約束をしていた日だった
今日………

翼は必死で思考を巡らせた

***

雨の中、傘を差して勇はある場所に向かっていた。先程、橘君から電話があった。

「一ノ瀬さ、清水って名前聞き覚えある?」
部屋で本を読みながら、ベッドに寝そべっていた勇は思わず起き上がった。
「清水?何でその名前を橘が知っている?」

「俺今、祖父の友人が開いたパーティーについてきてるけど、そこで夏目…凪くんに遭遇してね、彼の母方の旧姓が『清水』だったらしいよ。そしてそれが『夏目』になったて」

勇は、愛ちゃんが昔、父の再婚相手である義理の母親を『清水先生』と呼んでいたことを思い出す。
モブ男が、『俺の新しい苗字覚えててくれてらんだ』と言ってたことも思い出す。

橘君は話を続ける。
「綾野さんと一ノ瀬がその『夏目愛』という子を探しているなら、もしかしたら俺が力になってあげられるかも知れない」
勇は改札を通って、電車で橘君がいるパーティー会場のホテルへと向かっていた。

その頃橘君は凪の父親と真剣な表情で話をしていた。

***

翼はスマホで夏目凪とメッセージのやり取りをしていた。
『今ちょっといい?』
翼が送る。

凪はジュースの自動販売機をカン、と力いっぱい蹴った。もう一回蹴ろうとした瞬間、スマホが震えて、凪は足をピタッと止めた。

怒った顔をしながら
「もしもしー?」
と電話に出る。

 

ToBeContinued

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