『カカオ79％』19:一緒です【あらすじ＆感想】

カカオ79%

2019.08.13 2017.11.21

web漫画/カカオ79％【あらすじ＆感想19話】～残り21％の甘さ～
19:一緒です

web漫画/カカオ79％【あらすじ＆感想19話】～残り21％の甘さ～

19:一緒です

【あらすじ】

翼は、頭を撫でてくれていた勇の手を自分の手で包む。クッキーを作りながら、蛍に聞かれた事を思い出していた。

勉強会の場所を勇宅にした理由。それは、新しい友達と勇も一緒に仲良くなって欲しかったから。

翼は勇の手を握りながら、勉強会の勝負はなかったことにしてほしいと話す。勇は握られた手を気にしている。勝負や賭けのためにみんなと仲良くなろうだなんて失礼だったと、自分のことばかりで、勇や周りのみんなの気持ちを考えていなかった、と。

翼は続ける。勇との仲を誤解されたくなかったら、自分から離れれば良かった、と。

翼は握っていた勇の手を離す。勇は驚いた顔をしている。

「今からでも私たち、ちょっと距離をおきましょう」

翼は勇の気持ちを置き去りにして、距離の置き方を話す。席ではあまり話さず、登下校は別々、苗字で呼び合う･･･と。勇が翼が話し終わる前に、「綾野！！」と呼ぶ。これには、お互い気持ち悪さが勝ったのか、鳥肌が。

勇は話についていけていない。翼は説明を続ける。自分がまともに友達をつくれなかったから勇にばっかりくっついて、付き合っているって誤解された、と。これ以上、勇の邪魔になりたくない、と。

勇は翼の両肩を抑えて、
「このバッカたれがあ」
と叫ぶ。廊下にこだまする勇の叫び声。勇は怒っていた。自分の気持ちを全く考えていない。邪魔だとは思っていないし、勇と離れる為に友達を作ろうとしていたことも全く嬉しくない。そのような内容を早口でまくし立てる。

だからもう･･･と続けたその瞬間。ヒック。翼はしゃっくりを出す。ヒック。ヒック。止まらない。

勇は続きの言葉を出せず、脱力して翼の方に顔をうずめる。しゃっくりをしながら、わざとじゃないと弁解する翼に、勇は静かな声で
「ねえ、俺、邪魔？一緒に引越してきて、また隣同士になって　嬉しかったのは俺だけか？」
翼は勇の体を起こしながら、そういう意味で言ったわけじゃない、と否定するが、勇は明らかに傷ついていてシュンとしている。

「これからも今までと同じく一緒がいいよ」

翼はそんなつもりで言ったわけじゃなかった。傷つけたかったんじゃない。

翼は心の中で村上さんに謝る。クッキーをもらってくれた子達にも謝ろうと決意する。

翼はふいに、勇の首に両腕を回し、絞めた。苦しがる勇に翼は言う。
「ごめん、あんたのこと邪魔だと思ったこと一回もないよ」
「私も一緒がいいよ」

勇もまた、翼の腕の中で考えていた。
俺のせいで翼が傷つくのは嫌だ。
でも翼と離れるのはもっと嫌だ。

＊＊＊

廊下。勇たちとは違う色のネクタイをした、ふらふらと歩いている男子生徒がﾋﾟﾝｸのリボンを拾っている。リボンには、翼のクラスと名前とメールアドレス書かれている。無言で手にしたリボンを見ている男子生徒。

＊＊＊

翼と勇は一緒に下校。翼は帰ったら、今度は自分ひとりでチョコを作ると言う。勉強会はなしだけど、次は、仲良くなりたい、という気持ちをこめて作るそうだ。

そんな翼に勇は、テスト勉強は大丈夫か問う。固まる翼。勇の手を取り、ノートを見せて、勉強を教えてとせがむ。翼は手を離さない。

逃げようとする勇。二人のじゃれあい。もうすっかり今までの二人。
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