『カカオ79%』100:恋【あらすじ&感想】

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web漫画/カカオ79%【あらすじ&感想101話】~残り21%の甘さ~

100:恋

【あらすじ】

朝、翼が自宅を慌てて出発しようとしている。
「だァー!寝坊した…!やばいやばい遅れる…!」
独り言を言いながら、翼が玄関で靴を履いていると、キッチンから出てきた蛍が後ろから声をかける。
「翼ちゃん、朝ごはん食べないの?」
「あれ?!蛍来てたの?!悪い!今それどころじゃない。置いといてもらえれば夕食で食べるから…!」

そう言って翼は、玄関を飛び出していった。翼宅に残された蛍は、
「翼ちゃんが来ないから来てるのに!」
とドアに向かって叫んだ。

翼は学校に向かいながら、先日のことを考える。勇に抱きついて、好き、と言った時のことだ。勇も抱きしめ返してきた。

付き合うことになるのかとな、と思っていた

でもその後、勇は何も言わなかった

勇は、その後、
「戻ろう。待たせているし、カバンも起きっぱなしだし」
と言った

なぜか当然のように手を引っ張ってくれるのかなと思っていたら

そうじゃなかったから

あれ?おかしい

手繋がないの

繋ぎたいなぁ

 

人はみんな、こんなにしょうもないきっかけで自覚するのかな

告白だった

本気だったんだ

初めてだった

一拍遅れて身に染み渡る

これは初めての

***

あれから数日。現在、文化祭準備の真っ最中。死ぬほど忙しい。

翼は、大道具係に門制作委員会、そして何故か制作委員会の雑用にパリス役のセリフ覚えなど、本当に忙しかった。

翼は、門制作の作業場で、今日の予定を確認する。門のペンキを塗った後、体育館でセリフ合わせだけすれば帰れる。そして帰ったら蛍のご飯だ。

蛍…わざわざ作りに来させて悪かったな。今回ばかりは、わざと行ってないわけじゃなくて、本当に忙しくて、勇宅に行けていなかった。そう、避けてるとかじゃない。翼は。

スマホが鳴った。

クラスの団体チャットで、今日の予定が変更になったという連絡が入った。クラスメートたちから、同意の返信等が送られてくる。

勇も
「了解-」
と返信していた。

「は?何、この大きさ。これ全部塗れって?」
翼がスマホを見ていると、後ろから天童さんが来ていて、言った。
「おはよう。奴隷は黙ってやるしかない…」
翼は振り返って天童さんに言った。
「だるい。ペンキの匂い移るじゃん。このあとバイトだっつうの。さっさと終わらせて帰るから」

天童さんは、文句を言いながらも、制作に参加してくれた。もちろん二つ返事でオーケーしたわけじゃないけど橘君のおかげで無事参加させることができた。

***

先日、翼が勇に抱きついて、好き、と言った後、2人がハンバーガーショップに戻ると、バイト終わりの天童さんとアリザワ先輩が向かい合って話し合っていた。

「えーっと、つまり天童ちゃんは、文化祭の事は全く関わらないつもり…ないだと?」
「見ての通りバイトが忙しくて」
天童さんは腕組みをしながら答えた。2人の近くでは、橘くんと、戻ってきたばかりの翼と勇が、立って話を聞いていた。
「悪いけどすでに君のクラスの子から、サインもらったし、早速明日から参加してもらう」
「私の意思は全く含まれてなかったので外してもらいたいんですが」
「そうはさせない、それが学校のルール、うちの学生なら従わってもらわないでないと」

アリザワ先輩は引き下がらないし、天道さんも折れない。
「は!そんなちっぽけな空間で、自分たちだけのために作ったルールなんか…私はそんなことに縛られてる暇なんか」
天童さんはそれでも折れる様子はなかったが、
「守らないとね、うちの学生なら」
今まで後ろで黙って聞いていた橘くんが、口を挟んだ。天童さんの生意気な表情が固まった。

「実はオレも、天童にバイト減らして、もっと学校のほうに集中してほしいと言いに来たんだ。せっかくの楽しい文化祭なのに…」
「た、橘…でも」
天童さんの声のトーンは明らかに変化している。
「もしこれ以上サボったら、二度と天童とは口きかないから」
橘君は笑顔で言った。

天童さんは、明らかに精神的に衝撃を受けている顔をしていた。
「順ちゃんやる〜!助かるわ」
アリザワ先輩が横から茶々を入れた。

***

結局、天童さんは、カフェのバイトを朝タイムに移して、昼間に文化祭の手伝いをすることになった。天童さんのあんな顔初めて見たな。

まさか橘君の一言でオーケーしてもらえるとは天童さんて彼に弱いのかな?幼なじみ同士って全部そういうもの…

翼は、サボったら、天童さんと口をきかないと宣言されたときの天童さんの表情を想い返す。

翼は、隣でペンキ塗りの作業する天童さんの方を見る。
「何、ジロジロ見てんのよ。サボると沈めるって言ったよね」
翼への扱いが荒くなっていることを感じながら、翼は慌てて天童さんに聞く。
「て、天童さんてさぁ、好きな人とか…いる?」

一瞬、沈黙が流れ、天童さんは、ガチの目で手元にあったペンキのバケツを手に取った。
「沈めるにはちょっと浅いけど…」
と言いながら、天童さんはペンキのバケツを覗き込んだ。
「浅いだけじゃない!小さい!はいんない!無理!!いいじゃん別に黙って作業しててもつまんないし…!」
そして翼は、
「私は…いるよ…!!」
と続けた。

翼と天童さんは、向かい合っていた。

アリザワ先輩は、腕時計を見ながら、門制作の作業場へ向かう。

やべ遅れた、あいつらもう塗り始めてんのかな。でも最初はあのヤンキーのやつ、どうなるか心配だったけど、思ったより真面目にきてくれてよかったわー。クラスでも浮いてるぽかったし、こういう機会にでも青春楽しんでおかないとな。

そんなことを考えながら、アリザワ先輩は、屋上の角でペンキ塗りをしている翼と、天童さんを見つけた。

お!やってるやってる。

文化祭を手前にした女子高生たち!

まるで青春!

「おーい!お待たせ〜!飲食店出しもんのクラスから、試食のケーキもらったから一緒に食ってからやろうぜ!」
アリザワ先輩はそう言いながら、走り出そうとして、小石につまずいた。

天童さんと翼が話をしていた。
「いるよ、私も好きな人」
天童さんが言った。翼は、ちょっと顔を赤くしながら、
「それって…もしかして…、た、ち」

その時、後から、天童さんめがけて紙袋が飛んできた。ゴンと音がして、天童さんの後頭部にクリティカルヒットした。

小石につまずいたアリザワ先輩が、転んだ瞬間に、持っていたお菓子の袋を勢い良く手放してしまったのだ。

天童さんは、手にペンキが入ったバケツを持っており、頭にお菓子が当たった瞬間に、ペンキをぶちまけてしまう。天童さんの正面にいた翼は、頭からペンキをかぶってしまった。

「ケーキが!!」
思いがけない惨状にもかかわらず、アリザワ先輩が言った。

天童さんと翼は、2人揃って
「そっちかよ!!」
と突っ込んだ。

こんな感じで、文化祭の真っ最中。そして私は、浮いた話の1つぐらい出来るようになりました。

To Be Continued

【感想】

翼は、やっとこの気持ちが恋だと自覚しましたね。これが恋であって欲しいと思うぐらい好きと勇に言った後に、自覚するなんて。。。橘君効果で、文句言いながらも文化祭の準備に参加することになった天童さん。仲良しってわけにはいかないけど、それでもなんだかんだで話したり、ちょっと楽しそうだったりでよかったです。

天童さんは、単刀直入でサバサバしているので、翼との相性はいいんじゃないかなと思っています。

【ネタバレ/伏線回収班】

天童さんは翼に自分の好きな人言っていない。
アリザワ先輩→橘君「順ちゃんやる〜」

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