web漫画/カカオ79%【あらすじ&感想101話】~残り21%の甘さ~
101:恋は難しい
【あらすじ】
「ホモ・サピエンスとして好きだとぉー?!」
ペンキを頭からかぶった翼は、女子更衣室で、作業するための体操服からブラウスに着替えた。タオルで髪を拭きながら、翼が天童さんとアリザワ先輩に、勇とハンバーガーショップを出た後のことを報告した。
「ハハハ…うん、言っちゃったの」
と照れながら笑う翼の胸ぐらを天童さんを掴んだ。
「笑ってんじゃねーよ。ちょっと照れ上がって、褒めてねんだよ。あれのどこが告白だ?!」
天童さんから目をそらしながら、翼は言い訳をする。
「こ、告白のつもりじゃなかったというか、 自分の気持ちに本当に気づいたのがそのあとだというか…」
2人の様子を見ていたアリザワ先輩が口を挟む。
「まあまあー、これでも今までに比べたら大きな進歩じゃねーか」
すると、天童さんは翼の胸ぐらをつかんだまま、白目でアリザワ先輩の方を向いた。
「黙ってなさい。原始人恋物語にし始めたのはどこのどいつだ?」
「ここのこの僕ですね…」
3人は、校舎内の廊下を歩いていた。並んで歩くわけでもなく、バラバラだったが、3人で会話をしていた。
「つーか、てんどっちー、俺と大魔王の会話聞いてたんかよ。盗み聞きは良くないぜ?」
アリザワ先輩は、自分のことを呼び捨てにする天童さんへの対抗措置として、天童さんのことを、てんどっちと呼んでいる。もちろん天童さんは嫌がっている。
「聞きたくて聞いたわけじゃねえんだよ。それよりあの時も思った違和感なんだけど、今までに比べたらーってまるで今までを全部知ってるような言い方だな」
それを聞いた翼も、そういえば会話がスムーズすぎる違和感は思い当たるようだ。
アリザワ先輩は慌てて、笑ってごまかした。
「ハハハ、ハハハ!いや、み、見れば誰でもわかるだろうが!!こいつ全部顔とか行動に出るし…!!俺は先輩としてのアドバイスを少しやっただけで…!そんなことより!!今どんな状況なんだい?!なぜ付き合ってないの?!」
アリザワ先輩に水を向けられて、翼は
「それが…」
と話し始めた。
***
体育館では、ステージ上でロミオとジュリエットの練習が行われていた。
「あージュリエット!君に婚約者がいたなんて…!僕にこれ以上の試練を与えないで欲しい!」
ロミオ役の委員長が情感たっぷりにセリフを言った。
「イトシノロミオ、ワタシハドウスレバイイノデショウ」
ジュリエット役の勇は、棒読みになってしまう。
「ストップ!!」
「ジュリエット、全然愛しい目で見てないじゃんかよ」
クラスメイトからダメ出しをされる。
「無理だろボケ」
と勇は言うが、
「そこをなんとか〜」
とクラスメイトは下手に出る。
そこへ、門制作係の作業を終えた翼が体育館に入ってきた。
「あ!綾野さんお疲れ、ちょうど綾野さんの出番だったの!」
クラスメイトに迎えられ、翼も、状況を確認をしながら、
「遅れてごめん!」
とみんなに合流した。
不意に翼は、ステージ上の勇と目があった。
「おせーよばーか。早く上がってこいや。この次お前の出番だから」
勇がそう言いながらも、台本に顔を逸してしまう。これが、何日ぶりかの会話だった。
あの日から、勇とはあまりの忙しさであんまり顔合わせていない
でも出会った時は
今みたいに普通の態度をとってくれるんだ
まるで何もなかったかのように
そしてなんとなく
正面より後ろ姿を見る数が増えた気がするんだよね
つまりあんまり目は合わせていない
…気がするのは私の思い過ごしかな
「綾野さん、髪濡れてるじゃないですか!!どうしたんですか?!」
翼がステージに上がると、委員長が話しかけてきた。
「ペンキかぶっちゃってね」
「ちゃんと乾かさないと夏だとしても風邪引きますよ」
「だってめんどいしー、なんか気持ち悪いしー」
「それはペンキの匂い嗅いだから!少し休みます?」
委員長は自然に優しい。
翼は、転校してきたばかりの頃、サッカーで汗をかいた時に、勇が自分の顔にタオルをまきまきしながら拭いてくれたことを思い出しながら、気遣ってくれる委員長にお礼を言った。
いつも通りの振る舞いの中でどこか距離を感じてしまう
それはもしかして
***
先ほど、ペンキ塗りの作業の後、廊下で、翼は今の状況をアリザワ先輩と天童さんに説明した。
「諦めたんじゃねーの、あんたのことを」
ハンバーガーショップを飛び出してからのことを、翼から聞いた天童さんは言った。
「ありえるな。俺があんなこと言われたら、たぶん死にたくなると思うぞ」
アリザワ先輩も同意する。翼は、絶望的な表情をした。
「え?まってー、私、そんなひどいこと言ってます…?」
「言ってるねぇ、無神経の極みなこと言ってるね」
アリザワ先輩は追い打ちをかけた。
「焦る事は無い、今からちゃんと伝えればいいだけの話だ。アイラブユー(勇)て」
天童さんが怖い顔で助言をする。両手の指でわざわざハートを作り出した。
体育館のステージで、パリス役の翼が、ジュリエット役の勇にセリフを言う。
「あ、ああ、ああ…あい、あい…愛していま…す、ジュリエット」
勇は無表情。クラスメイト達もシーンとしてしまう。
アイラブユーのポーズをとった後の天童さんは、
ほら、簡単だろう?
と言って、自分の親指を立てた。
簡単なわけあるかあああああ!!
To Be Continued
【感想】
天童さんと翼、アリザワ先輩もですが、超恋バナしてるじゃないですか(笑)天童さんが、翼と勇の関係を応援しているのは、橘くんの初恋の相手である翼を警戒しているからでしたが、ここまでくるともうそれだけじゃないように思います。
もちろん勇に対しての感情移入も強くあるので、翼の応援をしていると言うよりは、勇の応援もあるのだとは思います。
天童さんの乾いた感じのアイラブユー。最高ですね。そのテンションで言われても、といった感じです(笑)役のセリフの愛しています、すら、翼はちゃんと言えていませんでしたが。。。
天童さんの命名した、原始人恋物語と言うネーミング好きです。
ここ最近の勇の無表情さが気になります。何を考えているのでしょう。。。
【ネタバレ/伏線回収班】
天童さんアイラブユー(勇)
恋バナをする3人→ 廊下の角に男の足→誰???
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