web漫画/カカオ79%【あらすじ&感想99話】~残り21%の甘さ~
99:正解
【あらすじ】
「こいつの隣んちに住んでる奴です。ちょっとだけ借りてもいいですか」
勇はそう言うと、翼の手を引いて、ハンバーガーショップから外へと連れ出した。
「勇…!ちょっと…!どこまで行くつもり…!」
手を引く勇に椅子翼が言う。
勇が立ち止まって、振り返り、翼の方を向いた。
「俺がさぁ、流れ的にこういうのやっちゃあれな状況なんだけど、特にあの猫顔のうざオレンジやろう(モブ男)の前ではな!中でも見ないようにむっちゃ我慢したんだけど!!」
勇は唇をかみしめた。そして、翼の両肩に自分の両手を乗せた。
「なんで泣いた?あいつに何かされた?」
翼は勇のことをまっすぐに見た。目は涙で潤んでくる。
「この!ホモサピエンスが!何すんのよ!?」
「は!?」
突然翼の悪口かどうかがわからない言葉に勇が衝撃を受ける。
「橘くんたちがいるにあんな大げさに引っ張り出して!!はずか死ねるわ!!」
「んだよ!!じゃあ泣かなきゃよかっただろうがこのアウストラロピテクスが!!」
勇も一応、翼に言われたホモサピエンスに乗ってみる。
「何退化させてんのよ。ゴリラと言えばいいじゃん。バカが!!」
よくわからない言い合いになる。
「バカはお前だろうが!!俺の見えるところで他のやつに泣かされてんじゃねーよ!!ほっとけられるかっつうの!!」
「誰のせいで泣いたと思ってんの!?」
翼の一言で、勇が固まる。そして両肩から手を離し、
「ごめん」
と言った。
「なんで謝るんだよ!?何よ、隣ん家に住んでるやつって…!もっとましな自己紹介はできないの!?幼馴染とか友達とか言えばいいじゃん!!それとも何⁈そう思ったこと1度もないってこと?!」
勇の表情が曇る。
「…お前はこの場に来てまで友達って単語を聞かされるのが俺にはどれほど惨めな状況なのかわかるか?」
そう言って勇が、手で自分の顔被った。塀に寄りかかる。
「いや分かんねぇよな、わかるわけねーよな。これじゃぁ確かめるも何も…」
フラれてんのと当然じゃねーか
しかも無意識な分、余計泣きそうな勇は、右腕で目をおおった。
すると、翼が、自分の胸に抱きついてきた。翼の腕は勇の背中に回り、勇の胸に顔を埋めている。勇は目を見開いて、抱きつく翼の背中に、右手を回す。
「え?ちょ、あ?」
勇が戸惑っていると、翼が胸の中でぼそっとつぶやいた。
「…好き」
一瞬、時間が止まったかのようだった。
「…え?今なんて?」
勇の頰が赤くなる。
「つ翼…!」
「好き!ホモサピエンスとして好き」
もう一度、今度は違う意味で時間が止まる。
「…は?おいてめぇ…今、冗談かましていい雰囲気じゃねってことぐらい察しればどうだ。今俺マジ切れしそうなんだけど」
「ほんとだよ!好きなんだ!好きで好きで大好きだから! これが恋であって欲しいと思うぐらい好きなんだから! これからは友達じゃなくてもいいから、友達だったこと、幼馴染ってこと否定しないでよ…」
「やっとわかったの。私だってどんな勇でも一緒にいたい。あんたと同じ気持ちなんだ」
「だから、離れていかないで」
そう言った翼を、勇が両腕でぎゅっと抱きしめた。
翼を胸に抱きながら、勇が感じていた。
すがりついてるだけなんだ
子供みたいに
誤答であって欲しかった俺の問いはどうやら正解だったみたいだ
***
学校。校内中が文化祭の準備をしている。
翼は更衣室でパリスの衣装に着替えた。衣装合わせだ。
サイズが合っているかと聞くクラスメイトに、翼がぴったりだよ、と言いながらカーテンから出てきた。
「きゃー似合ってる似合ってる!」
「まごうことなくパリスだよ!ジュリエットの婚約者だよ!!」
女子たちが騒ぎ出した。
「やっぱり私たちの目は正解だったわ。これ以上ぴったりな人絶対にいないから!」
翼は、衣装合わせの後は、すぐに制作委員会の方へ行かなくてはならない。
そこへ、別室で勇がジュリエットの衣装を確認しているらしいという情報が入ってきた。見たい人たちは急いで女子更衣室を出て行った。
***
翼はTシャツに着替えて、制作委員会へと向かう。残されたクラスメイト達が、翼のうわさ話をする。
「綾野さん疲れてるように見えたよね」
「無理もないでしょ!大道具に劇の練習に制作委員会まで…どれもちゃんと参加できてるのが奇跡だわ」
「そのせいなのかな、最近、一ノ瀬くんと一緒にいるの見かけないのって」
「うーむ、それよりは前の噂、本当だったんじゃないのかな。
本当は2人付き合ってたのに登校日あたりに別れたって言う…」
「あーだから最近群がってたのか。一ノ瀬くんの周りに」
翼が制作委員会行く途中、二階の校舎の窓から、中庭で女子生徒に囲まれる勇を見かけた。でも、声をかけることもなく無表情で廊下を走っていた。
To Be Continued
【感想】
勇は、翼が泣くと、何もできなくなってしまうし、何故か謝ってしまうんですね。勇が翼の涙に弱いのは、確か小学生の頃からですが、今回も、遺憾なく涙の威力を発揮していましたね。
せっかく、せっかく勇が勇気を出して翼外に連れ出したのに、2人の会話が切なすぎて、本音で話しているのがわからくわかるから余計にとても切ないです。
これが恋であって欲しいと思うほど好き、離れたくない、そんな翼の今のところ最上級の好きは、勇にとっては悲しい言葉であり辛い好きなのでしょう。
それでも翼のこと大事そうに抱きしめる勇。
最後、2人の間の距離ができてしまったようで、これから辛くなったのでしょうか。。。もうすでに辛い気持ちです。
【ネタバレ/伏線回収班】
勇→これはすがりついてるだけなんだ、子供みたいに
翼→これが恋だってほしいと思う位好き
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