web漫画/カカオ79%【あらすじ&感想149話】~残り21%の甘さ~
149:彼氏
カカオ79%【あらすじ】
体育館で行われたミスコンで優勝した勇の競売。リナ先輩と村上さんは、隣同士で舞台上の勇を見ていた。
「ねぇねぇ今きいた~?」
リナ先輩が色めき立つ。
「彼女いないって確かにいちゃったのよね~?!もう何やっちゃってもいいんだよね?!」
村上さんは無表情で聞いている。
「本当変なやつー、俺の前では大魔王のこといかにも「俺のです」的なアピールしまくってたくせに」
後ろから、アリザワ先輩が話しかけた。そして、振り返るリナ先輩に対して、げっそりとした顔で迫る。
「よおぉリナてめぇ1日中さぼりやがってー探したぞぉ?こらぁー」
「あ、あら偶然ね、こんなところで出会うなんて」
誤魔化そうとするリナ先輩に、アリザワ先輩は怒る。
「出会ったんじゃねぇよ、俺が探し出したんだよ」
「、あ、まあご苦労さま、ほほほほほー」
あくまで誤魔化すリナ先輩。
「ったく案の定あいつのまわりをうろちょろしてたんかい、いい加減にしろ」
「まあまあそう怒んないで、明日私2人分働くからさ~」
「ったりめぇだ」
その会話を黙って隣で聞く村上さんは、少しうつむいていた。
「今から彼のこと私のありったけのフラワーで落として明日ずーっと私の隣で一緒に働くの」
リナ先輩はルンルンで話す。
「鬼かよ」
さすがのアリザワ先輩も呆れる。
勇は舞台上で、王者のために用意されたようなソファに座っていた。ジュリエットの恰好のままだ。ソファーの肘置きに肘をついて、横をむいていた。
…何だか翼のいる方が見れない
あークソダセ!
こんな大勢の前であんな話したくなかったな畜生
何で俺が彼女がいるとかいないとか
テメェらの前でペラペラ喋んねぇといけねぇんだよ
好きなやつのこととか…
ちゃんと俺のタイミングで
言わせてほしかったんだよな
しかもこんな格好で
今日は本当最悪だ…
事故は起こるし
翼のやつ今何考えてんのか全然掴めないし
勇は、事故で天童さんとキスをしてしまった時の、パリスの衣装を着た翼を思い出す。
どんな顔してた?
怒ってたら
傷ついてたら
泣いてたら
そして今、制服に着替えた、舞台下のアリーナにいる翼。
今は
どんな顔してる?
少しは
緊張してくれてたら
いいのに…
勇はちらっと、翼の方を見た。翼は隣にいる橘くんと話をしていた。THE普通ぽい様子の翼に勇は少しの苛立ちを覚える。
司会が進行をし始めていた。
「それでは皆さーん、手持ちのフラワーを準備してください!いっぱい交換できたかな~?残りの文化祭をミスフラワーと一緒に過ごすことになるのは誰でしょう!お持ちのフラワーで彼との1日をお楽しみください!2フラワーから始めまーす!」
「はいそこの黒髪のお姉さん4フラワー」
「右のジャージのお姉さん7フラワー」
「10フラワー」
「はい、奥のお姉さん15フラワー!」
どんどん値上がりしていく。勇のクラスメイト、1年B組の一同は大喜びしていた。
「ヒャッホー」
「いえーい」
「ジュリエットー!!」
勇はその光景を見て思う。
嘘だろテメェ、俺今から他の女子に売られるんだぜ?
明日1日そいつとずっと一緒でいないといけねぇんだぜ?!
昼には他のやつと事故チューってるし
好きなやついると大勢の前で言ってんのに
なっっっんにもきにならないとか…
勇が考えていると、それまで笑顔で橘くんと談笑していた翼が、一度目を瞑って、そして開いた目は本気だった。すーっと手を上げた。
「はーいそこの背の高いお姉さん~」
翼が指される。
「50フラワー」
周りにいた人たちが一斉に翼の方を見た。勇も翼を見ていた。
…翼?
「50フラワーいただきましたー!ここからが本番って感じでしょうか。様子見は終わり!本気の戦いになりそうな予感!」
司会が煽る。体育館からはどよめきがおきていた。
「さー次の方いませんか~?50フラワー、まだ50フラワーです!」
彼女はいません…って?
翼は静かに拳を握りしめた。橘くんは、翼の隣で冷や汗をかいていた。翼の様子を見ながら、これは…怒って…るよね、これ以上フォローできね…すまぬ一ノ瀬、と橘くんは思っていた。勇は翼の様子に気が付いて、舞台上で「?!」となっている。
「つ、付き合おう!」
まだ、文化祭の準備期間中だったころ、翼が勇を呼び出して、何故かファイティングポーズで交際を申し込んだ。
「何で?」
と勇は言った。
あの時
私の言葉を
気持ちを
その場しのぎぐらいに思って信じなかった勇に
さっぱりきっぱり振られてから色々あったけれど
ふざけんなよテメェ
私達今まで何度チューして来たと思う?!
これで付き合ってないとか
そりゃその後もっかい言葉としてちゃんと伝えた覚えはないけど…
わかるだろ
言わなくても!!
会場はざわざわしていた。勇のファンクラブの人達が、周りからフラワーを集めようと、
「フラワーもっとない?」
「これしかないの?」
と躍起になっていた。
「次の方―手上げてくださーい」
翼は考える。
ちゃんと伝えることがどれほど大事なことなのか
骨にしみるほど分かってきたんじゃないの?
…まさか私がこんなにも彼女という肩書にこだわるなんて…
以前、夏休みの登校日の日に翼は勇に言った。
「女の子じゃい私は、もういらないのか?!」
…あんなこといってたくせに
勇に信じてもらえないのも当然だ
「はーいそこのカチューシャのお姉さん~」
司会が当てたのは、村上さんだった。
「…55フラワー」
翼は振り返って村上さんの顔を見る。村上さんは、翼からは目をそらしていた。
その後、会場のあちこちから声が上がり、競売はすすむ。
「60フラワー!」
「75フラワー!」
「80フラワー!」
「はーい85フラワーまできました~!3桁を目の前にして熱い戦いが広がれています!」
翼は呟く。
「う、うそでしょ。皆何でそんなにいっぱいもってんの?!」
性懲りも無く、1年B組の一同は喜ぶ。
「B組のジュリエット―!!BRABO!」
以前、天童さんが言っていた。
「うずうずしてると、他のやつにとられてしまうぞ」
翼は涙目になる。
「もうやめてぇぇぇ」
あの時ちゃんと伝えておけばよかったと
いつも追い込まれてから後悔するんだよね
To Be Continued
カカオ79%【感想】
アリザワ先輩がリナ先輩「自分には俺のですアピールするのに」とぼやいていたり、そして前話の橘くんの、言っちゃえばいいのに、と思っていたり。周りが、特に勇よりも翼の近くにいる人たちが、勇の中途半端な対応にうずうずしてきました。
一時期、翼も同じようにうずうずしていましたし、どちらかというと翼のほうがしていました。最も、翼の場合は、自分の勇への恋心に気がついていなかったわけですから、勇以上でした。
でも、自分の気持ちに気がついてから、ちゃんと気持ちを伝えることを頑張りはじめた翼、うまくいかなくて後退しようとすると、天童さんに怒られて、周りに対しても少しずつなんとかしたいと思って頑張る翼。そんな翼に対して、勇は、いつまでもなかなか変わることができていないです。
そんな勇に対して、読んでいて、やきもきしてしまいます。そのくせ、「少しは緊張してくれてたらいいのに」と思っていたり・・・。勇は確かに翼のことが大好きだけど、頑張っている翼に対して、ウジウジしていることが多くて、少しの温度差を感じてしまいます。
なのになんでモテるんだ!!・・・それ(恋愛)以外のスペックが高いからですね・・・。
リナ先輩、どのくらいフラワー持ってるの?翼の反応からすると、もうフラワーってない?劇始まる前にいっぱい写真撮ったときのフラワーとかでなんとかならないかな・・・と願わずにはいられません!!
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