『カカオ79％』30：いつも通り？【あらすじ＆感想】

web漫画/カカオ79％【あらすじ＆感想30話】～残り21％の甘さ～
30：いつも通り？

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30：いつも通り？

【あらすじ】

外は大雨。雷が鳴っている。
「一ノ瀬君もう雷怖くないの？」
と聞く翼に勇は
「もうガキじゃないし」
と答える。

ソファーに座る翼に近づく勇。翼は勇を避ける。反対側の勇が来れば、そのまた反対に避ける。翼は、実はまだお風呂に入っていなくて、避けざるをえなかったのだ。
「おい、犬。まずはお前風呂入って来い」

翼は、風呂には入りたいが、勇と二人きりのこの状況でまた服を脱ぐ、と言うことに抵抗がある。

勇は手鏡を翼に向けて、翼の現在の寝起きの汚さを自覚させる。そしてもう一度、風呂に入るように促す。
「折角だし、今日はお前を目一杯こき使ってやろうと思ってるんだけど、そんな恰好じゃ一緒にいる俺がかわいそうだろう」
そして、犬の翼に押し付けるべきタスクを言っていく。明日提出の宿題、ゲームのレベル上げ、借りた映画の返却、部屋の掃除etc

それを聞いて翼は安心して、あ、そんなことかと呟く。

そんな翼に勇は、ゲスい顔をしながら、他に何を考えていたのか問う。
「お前さっきから何かおどおどしてんだけど、まさか俺のこと警戒してんの？
何か変なことされるとでも思ってんのか？」
「やっと俺のこと男だと理解した？」
無言で勇を見つめる翼と、まっすぐに見つめ返す勇。

少しして、もう一度、ゲス顔に戻る。
「なぁんて、何ぃ？お前何期待してたの？」
そして、翼のやらしさをからかい、小学生ボディをののしり、風呂に入るように言い、翼の汚さを強調する。翼の表情はだんだん固まっていき、手元にあった新聞で、ついには勇をたたき出した。暴れる翼と、言葉で止める勇…いつものじゃれあい。

＊＊＊

勇はソファーの上で新聞と共にぐったり殴られ疲れ。翼は風呂へ。恋愛対象！？クッソ喰らえ！！心配して損した、と。翼は怒りながらも、勇が昨日の事で怒っていなかったこと、いつも通りだったことで、安心していた。

翼がお風呂に入っている間、勇はソファーの上で大きなため息をつく。俺頑張った　ものすごく頑張った。

でも…もう少し頑張ろうよ俺
攻めに来たわけじゃねぇからな？
男だと理解したとか聞いてどうすんだよ！！
雨の中、日曜の朝っぱらから来てる理由を忘れるなよ俺！！
…でも……B…かな

＊＊＊

お風呂から出た後、翼は真面目に勇の犬をこなしていった。おもむろに勇が翼にソファーに座るように言う。口では文句を言いながらも翼は素直に座る。
「お前左ポケットに入ってるもんよこせ」
何も入っていないと言う翼に、ブレスレット、俺が直してやるからよこせ、と。

翼は自分で直すと主張するが、接着剤で直そうとしているので、
「お前これおもちゃじゃねえからな！？俺が直してやるから」
「い、嫌だよ！！壊したには私だから自分で直すよ！！っ…じゃないと私…あんたに合わす顔がないよ…」
勇は少し間をおいて、あの状況で手を振り払われたことは怒っていないこと、傷ついたりもしていないことを伝える。そして、チカン野郎のあとの気が動転してたタイミングで無理矢理ひっぱった自分が無神経だったと謝罪した。

「それでもやっぱり私が悪いよ…！本当は…私が先に…謝るべきだったのに、あんたは何も悪くないのに…」
「いや俺が悪いんだ　俺が壊したもんだよ　そのブレスレットは、欲張ってたやすく手を出そうとしたせいでな。俺は今日、そいつを直しに来たんだよ。ごめん」

どう…考えても悪いのは私
そのせいで勇のこと避けることばかり考えてたのも私
なのに何で勇が謝ってるんだろう
何を謝るんだろう

翼はおもいっきり、テーブルに顔面を打ち付ける。驚く勇。翼のおでこは色が変わっていた。心配して勇は翼のおでこを触るが、ぱっと手を引っ込める。その手を翼は両手で包み込む。

これは私の大切な親友の　家族の手
これからは離すことなく　ずっと握っていたいです

勇と翼は手を握りあったまま笑顔で向かい合う。

こうしてブレスレットは勇が直す為に預かることとなった。そのあとの一日の後半も、翼は犬としてこき使われた。

To　Be　Continued

夕方。ソファーで寝る翼に勇は毛布をかぶせてあげる。

一瞬で警戒をとかれたことに複雑な気持ちになりながら、勇は翼の寝顔を見つめる。右手は繋いでいた。
「焦らずゆっくり…ね」
翼の寝顔にちゅーをする。

そしてもう一度呟く。
「友達…ね」