『カカオ79％』148：彼女【あらすじ＆感想】

web漫画/カカオ79％【あらすじ＆感想148話】～残り21％の甘さ～
148：彼女

web漫画/カカオ79％【あらすじ＆感想148話】～残り21％の甘さ～

148：彼女

カカオ79％【あらすじ】

アリザワ先輩は、ミスコンが行われている体育館の舞台袖にいた。
「おーやってるやってる、リナのやつ、絶対ここにいるんだろうな。あのサボリ女許さなね」
あたりを見回しながら、アリザワ先輩は独り言をつぶやいた。

「ではここでまず確認と言うか～、大事な質問いきまーす」
舞台上では、ジュリエットの衣装を着た勇に対して、司会の人が言う。
「ミスフラワーのジュリエット…一ノ瀬くん、彼女はお持ちですか？」

ステージの下にいた翼は、自分の手を口元に持ってきて考えていたが、彼女、という言葉にぱっと顔を上げた。

彼女「名」：恋人・愛人である女性のこと。男性の場合は彼氏と言う。

司会にマイクを向けられた勇は、不機嫌な表情をする。
「は？彼女とか何でそんなこと、答えないと…いけない…んだよ」
と言いながら、勇は舞台の下のたくさんの生徒に混じって、翼がいることを発見する。

…翼、来てる

翼は勇のことを見ていた。先程の演劇で、翼は今まで言えなかった勇リエットへの台詞、
「あなたを愛しているからです」
を言えた。そのことを思い出し、勇の心臓がドクンとなる。

「あ、いや、俺彼女い…」
いる、と答えようとして、勇は先程、劇で天童さんと、キスしたことを思い出す。そして、橘くんの旅館で、勇にしがみついて寝る翼に、
「愛ちゃんとちゅーしてるの見た」
と言われたことも思い出し、ハッとする。

「いー？」
司会が再度聞きなおす。

翼の隣にいる橘くんは、翼のことをちらっと見る。

…一ノ瀬、天童のこと気にしてんのかな

気にしてんのならなおさら言っちゃえばいいのに

「…い」
勇が言いかけたその時、しびれを切らした1-Ｂ組の一同たちが騒ぎ出した。ジュリエットを宣伝する看板を持っている。
「いませーん！彼女なんかいないいない！」
「超一人！寂しさマックス！」
「彼女募集中って言ったこともあるし！」
「確かに！」
「この前自分の口で言ってました！！」

クラスメイトたちを、勇は舞台上から制止する。
「は？！バ…お前ら…！」
すると、観客たちがざわざわしだした。
「へーいないんだ。ロミオ役の人と付き合ってるとか言ってなかったけ」
「それＥ組の天童さんらしいよ」
「えっまじ？！」
それらの声に勇は、完全に、

は？

となる。

「そういえば天童さん前にＢ組で誰かに告ったとか聞いたことあるけど、もしかして本当に？」
「え？私は2年の先輩がこの前告ったって聞いたけど」
「前に誰かと相合傘で帰るの見たとか」
「二股？」
「それ一緒に転入してきた子じゃないの？」
「それがまた別の子らしくて…」
「一体どれだけ彼女いるんだ？」
「それが」

勇は舞台上から大きな声で、ものすごい形相で叫ぶ。
「いねーよ、彼女なんか！！一人も！」

その姿を、翼も橘くんも、ステージ下で無表情で見ていた。観客たちは静かになる。アリザワ先輩が、ゲッと一言つぶやいた。

「でも、好きな奴はいる」
勇が続けた。観客からは、おーっと声が上がる。
「おーっととと、とりあえず今、彼女はお持ちじゃないということで～？確かなようで～？ミス・ミスターフラワーとの新しい文化祭を賭けた戦いを始めまーす～、では簡単なルール説明します～参加希望の人は手を上げて～」
司会は進行を続けた。

「ねーどうする？彼女いないって」
「えーでも私フラワーあんまり残ってないのよね」
「私は結構残ってるから挑戦してみようかな」
観客たちはまた、ざわざわしだした。

橘くんは、翼になんて声をかけようかと翼の方を見て、翼のそわそわした様子に気がついた。
「…綾野さん、どうか…したの？」
「いや、べつにどうもしてない」
「そ、そう」

さっきの一ノ瀬くんの好きな人って綾野さんのはずなのに…あんまり嬉しそうに見えないな

橘くんが翼についてそう感じいていると、翼がおもむろに相談を持ちかけてきた。
「橘くんあのさー」
「ん？」
「フラワー余ってんなら、両替してくれない？」
苦笑いに近い笑顔で、翼が言った。

To　Be　Ｃontinued

カカオ79％【感想】

翼、橘くんにフラワー両替してもらって、勇を買おうとしてるのでしょうか？？？競売（？）がどんなルールかわかりませんが、ふつうのオークションを想像すると、沢山お金を出せたほうが勝ち、ということになります。この場合は、フラワーです。リナ先輩とか、直前にたくさん両替してましたし、翼、太刀打ちできるのでしょうか？

でも、たとえ競り落とせなくても、翼が参加してくれたら、勇はうれしいだろうな、と想像するとにやにやしてしまいます。

勇が彼女はいるか、好きな人はいる、のくだりで、翼への気持ちを、どーんと言ってくれたらかっこよかったのに、結局、みんなの前ではいうことができず、もやもや。これで翼が、競売に参加したら、超男前ですよね！！