『カカオ79%』107:恋したい乙女たち(1)【あらすじ&感想】

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web漫画/カカオ79%【あらすじ&感想107話】~残り21%の甘さ~

107:恋したい乙女たち(1)

【あらすじ】

パン、ドタン。
突然、隣の部屋からの大きな音に橘君は驚く。

隣の部屋では、殴られた翼は座り込み、殴った天童さんは、拳を握り締めたまま立っていた。

腹が立つ。

天童さんが見る勇は、いつでも全力で翼のことを好きだった。橘君と再会する翼を、天童さんの隣で隠れて見ていた勇。肝試しで怪我をした翼を抱きしめた勇。ハンバーガーショップで聞いた翼を落とすための策を話す勇。

あんな奴の真横で、なぜそんなことが言える。

「今度こそちゃんと友達に戻ろう、って言われて、いっそのことそうするのが1番良い方法なんじゃないかと思えてきて」
と言った翼。愛に満ちた生活の中で暮らしていて余裕ぶって甘えてんのか?

「テメェがそんなんだから信じてもらえないんじゃないのか?!そんなにすぐどうでもよくなる気持ちで軽々しく好きとか言うんじゃない。相手の為と見せかけて結局その場を免れようと心にもないことを適当に言いふらすのいい加減にやめたらどうだ?!」
天童さんの言葉に、翼は反論する。
「っ…どうでもいいと思ったことなんか1度もないよ…!!それに私が言って心にもないこといくらしたっていうの?!」
「まさか自覚ないのか?最初からそうだった。私がどんな人か、何を考えているのかも知らないくせに、へらへらと笑って気取りのための愛想言葉ばかりかまして」

翼はへらへらと言う言葉に絶句する。
「今だってそうだろ。お互いのため?あいつがほんとに友達に戻ることを願ってると思う?あんたがこれ以上厳しいこと言われたくないだけだろ?!あいつが信じらんなかったのはあんたの気持ちじゃなくてその誠意を欠いた態度だ!!あのバカはどれだけバカなことをあんたのために…!」
天童さんは言いながらはっとする。翼はまっすぐに天童さんのことを見ている。橘君は、隣の部屋で、翼と天童さんのギリギリの会話にドキドキしている。

くそったれが、だからなんで私がこのバカどものらためにここまで喋んなきゃいけないんだよ、と思いながら、天童さんが悔しそうに舌打ちをした。

つうかあいつもあいつだ、あのヘタレ野郎。ありがたくいただいちゃえば済むことを何をまたためらうことがある

天童さんのバラエティに富んだ表情を見ながら、天童さんが自分のことをそんな風に思っていたのかと、翼がうつむいた。天童さんは、自分が2人にここまで関わっていた理由を思い出す。橘くんは、急に静かになった襖の裏で聞き耳を立てていた。

天童さんは、翼のことを見ながら少しトーンを落として話し始めた。
「ここからあんた達がまだぐずぐず悩んで友達に戻るなり、なんなりするのは勝手だけど、あんたらが気づいてないことがあるから言ってやろう。やつはなかなかモテるみたいだから、そんなにうずうずしていると、他のやつに取られてしまうと…といってもあなたに夢中なあいつからしてピンとこないんだろうな。ああ、そういえば言いそびれたけど私の好きな人、あんたと同じく一ノ瀬だから」
翼は正座をして、立って話す天童さんの話を聞いていた。

「…へ?」
「でも私はあんたと違って本気だ」
そう言うと天童さんは橘君がいる隣の部屋の襖をチラッと見た。襖の裏の橘君は、目を見開いて放心していた。

***

一方雨に降られた勇は、校舎の軒で雨宿りをしていた。さっき友達が帰ろうと言った時に、おとなしくついていけばよかったと後悔していた。でも彼らと帰ると必ずどこかに寄る。そして浮いた話ばかりしたがる。

今その話は勇にはきつかったので1人で帰ることにしたのだ。

あれから俺は進めなくなってしまった。思わず手を出しちゃいそうな時が何度かあったけど。
「愛ちゃんとちゅーしてんの見た…」
と言った翼。あれは酒の力でやっと言えたもんだろうが、どうして翼は俺に直接問わない

言い出しづらい話題っつーのはわかるけど俺のことす、す、す、好きっつーなら気になるだろうよ。まだ説明できないっつったのは俺だけども、ちょっと距離を置いただけで…何も聞かずに急に付き合おうとか、あいつの反応一つ一つが無理をしているように見えて

死ぬほど欲しかった言葉すら信じきれず…

もしかして俺は勝手に1人でびびって

この上ないチャンスを逃してしまったのでは

勇の思考が正解にたどり着いたその時、ピカッと光って、
ガガガガガガガガガッ
とものすごく大きな雷が鳴った。

勇はびっくりして校舎へと走った。

びびってねーよ、びっくりしただけだ、びびってないから自分にいいきかせながら、壁についた手を握りしめた。

大丈夫、京一様の歌、歌おうか

登校日の日に雷がなった時、翼はそう言って勇のことを抱きしめた。

大丈夫だから、と中学の時の翼も、そう言って翼のことを抱きしめた。

今、勇が翼に抱きしめられている気がして、ふと我に返る。

雨の音が聞こえるだけだ。
「…やばいなぁこりゃ重症だな」
勇は独り言をつぶやいた。

早く何とかしてでも夏目に合わないと俺はずっと進めない

そう思って勇がスマホを手にした。

すると黄色い傘をさした村上さんが歩いてくるのに気がついた

To Be Continued

【感想】

天童さん、完全に勇に感情移入してますね。翼に説教している途中で気がついてストップしてしまいましたが。その後うじうじしている勇にもイラついていてて。翼が、天童さんの顔がバラエティと言ったのには声を出して笑ってしまいました。絶対天童さん、優しい子です。

天童さんのやきもちをやかす作戦がついに実行されましたが、どう転ぶのでしょうか。翼への効果とあと本来の目的である橘くんへの効果。とりあえず翼は思ってもみないといった風で放心していましたし、橘くんは、目を見開いて驚いていましたね。

冷静になって色々と考える勇。1人でビビってしまって、この上ないチャンスを逃してしまったのではって、翼の告白を断った理由ってびびったからだったの?!ここ最近の勇が何を考えているかわからなくなっていたので、勇の気持ちが少しわかってほっとしました。

意外と何でもない理由でした。。。

雷にびっくりしたときに、翼のこと思い出す勇。友達に戻るなんて無理そうですよ(笑)でも雷鳴ってる時に励ますのは村上さんではなく翼であって欲しいと願っています。

【ネタバレ/伏線回収班】

・天童さん「私の好きな人、一ノ瀬だから」
橘君は隣の部屋で聞いている。
・雨宿りする勇は、傘をさした村上さんと遭遇

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