web漫画/カカオ79%【あらすじ&感想46話】~残り21%の甘さ~
46:ホトトギス
【あらすじ】
「俺だって傷はつくよ。立て直す時間はくれてもよくないか?お互い」
勇が翼の顔を触りながらまっすぐ見つめて言った。翼は混乱した表情をしている。
肝心な言葉は何一つ言ってない。ただ気づかせるためにいつも探って煽る。ずるいかもしれないけど、俺が先に線を超えるわけにいかないから
お前が破れ
***
昨日のこと。
天童さんのバイト先のハンバーガーショップで、勇と天童さんは向かい合って座っていた。勇は不本意ながらも、天童さんに頼んでいた。
「友達になってくれよ。俺と翼の」
天童さんは無表情のまま、爆笑、と言った。勇が言うには、天童さんは自分のことが嫌いで、翼のこともあんまり好きではないが、それでも適任者だ、と。
「これから俺達と美しき友情を作っていくんだよ。友達になってよ。友達になれよ。お前に選択権はない。じゃないとこの前のこと橘くんにバラすぞ。わかったな?親友」
もう最後は頼んでいない、おどしている。
***
天童さんは握っていたトマトを握りつぶした。買出し班。
昨日のことを思い出していた。
勇は、自分と翼の共通の友達が欲しいと言う。面倒くさいと言う天童さんに構わず勇は続ける。
自分と翼の間に何かあったら慰めてやってほしいと。天童さんはあくまで、鬱陶しいと一蹴する。
勇は翼のことを見つめながら、友達候補の天童さんを思い出していた。
「私・・・私のせいで今こうなってんの?」
おもむろに翼が言った。
「あれは・・・決してあんたをからかうつもりじゃなくて・・・」
怒っていないという勇の、翼の頬を触る手を、翼はすーと離していく。
「んで、あんたを誘惑したわけでもなにか下心があったわけでもない。私が軽率だったよ ごめん」
そして全部水に流してなかったことにしてください、と翼は言った。勇の言い分としては、なかったことにしようとしたのに問い詰めてきたのは翼。翼は、勇が狸寝入りしていたとは思っていなかったと応酬。勇も、お前もさっき寝たふりだった、と。
勇はキスしたことも含めて話をしていて
翼は勇がキスしたことは覚えていない前提で話をしている。
立て直す時間。翼は何日でも何年でもあげる、と。存分に使ってと言ってしまう。
勇は真顔で、何年も俺の顔見なくても平気か問う。当たり前でしょ、平気平気と翼。
翼を置いて勇は部屋を出て行った。
「・・・え」
部屋に残される翼。
昨日の天童さんとの会話。
「でも何で急に攻める気になったの?やっと焦り始めた?」
天童さんの問いには直接は答えず、勇は想う。
肝試しの時に思ってしまった。俺じゃなくてもいいんじゃないかなって、心のどこかで結局翼は俺を選ぶだろうなと思ってたんだ。
一人部屋に残された翼は我に返って勇に更に言葉を重ねてしまう。
「いいね!素早くて!私の顔見たくないって言ってたもんな!行っちゃえよ!!さようなら!!」
するとドアの向こう側から勇が聞く。
「なんで俺が傷ついたのか、そこは考えてみたか?」
「お前が忘れろって言うなら忘れるよ。 本当にそれでいいか?」
言いながら勇は、先程の予想外に赤面した翼の顔を思い出す。本当はこんなこと言うつもりじゃなかったのだ。
翼は勇にキスしようとしたこと。氷枕をかえるときにドキドキしたこと。キス、したこと。
そして、「一ノ瀬君のことが好き」と言った愛ちゃんのこと。
頭の中に映像で流れて、
「忘れて」
と言った。
「お前ひどいな」
そして勇はしばらく連絡すんなよ、と。
***
昨日勇は天童さんに、
「翼が友達でいて欲しいと言うならそうするよ、でも」
***
翼は、勇が出て行った部屋のドアを前に立ち尽くしている。
ガタンとドアが開く。
顔を上げる翼。
勇が戻ってきて、翼にキスをした。
「忘れろよ お前も」
そして今度は本当に部屋を出て行った。
残された翼は痛感していた
永遠は無理だな もう
To Be Continued
【感想】
見事にすれ違っていますね。勇は天童さんに友達になるよう頼んだということは感情のままに翼から離れようとしたわけではなくそういう作戦なのでしょうか???
その割には余裕なく見えます。勇がなかったことにしようとした最初のキスを翼が問い詰めようとする素振りを見せたから踏み込んでみるとまさかの「なかったこと」にされそうで、傷ついたのでしょうか。
勇も翼も直球で聞かないところが、すれ違いを生んでいます。ずっとキスのことを考えているくせに、二人とも、キスという言葉を一切使っていません。
そして最後。勇のキスしてからの、忘れろよ、は、決して忘れられません。
【ネタバレ/伏線回収班】
★ここに注目★
・勇は天童さんに自分と翼の友達になってくれるよう頼んだ
・翼は愛ちゃんのことがあり、ずっと友達でいたいと願っていた
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