『カカオ79%』94:問い【あらすじ&感想】

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web漫画/カカオ79%【あらすじ&感想94話】~残り21%の甘さ~

94:問い

【あらすじ】

赤いランドセル背負ってた時から

たった1人で今までそれは一度も変わったことがないから

勇に言われた言葉を、翼は廊下を歩きながら思い出していた。

赤いランドセル…そういえば初めて出会った時そうだっけ

2人が初めて出会った時、勇は赤いランドセルを背負っていて、翼は黒いランドセルを背負っていた。

翼がどんどん歩いていると、後ろからアリザワ先輩がずっとついてくる。翼がくるっと振り向いて、
「いつまでついて来るつもりですか?」
と聞いた。
「えー?!お、お、俺が?!おいおい俺はこっちに用事があるから向かってるだけなんだぜ?そういう勘違いは勘弁してくださいよ大魔王さま〜」
「ほれ、俺には気にせず君の道を進めばいい!さぁ!行け!」

翼は再び廊下を歩き出す。しばらくすると、アリザワ先輩が話しかけてきた。
「ところでなんで泣いたの?」
「気にならないようにしてくれます?」

「空から飛び降りてきた女の子は、今にも泣きそうな顔をしていた。(アイスをぶっかけられた時)その次に出会った時は、いっぱい泣いたあとの赤い目をしてた。(セーターをかした時)やがて女の子は、結局俺の前でその珠のような涙をぽろっと流した。これを拭いてあげずにいられるわけ…」
モノローグ風に先輩が言った。

翼はきっぱり断る。
いりません。あと今日を除いては私泣いてませんから」
「じゃあ今日はなんで泣いたんだよ?!目の前で泣かれたわけだし、このぐらいは聞けるだろう!!」
なぜかアリザワ先輩が涙目になっている。

「…先輩は今、好きな人とか…いるんですか?」
おもむろに翼が聞いた。アリザワ先輩は一瞬固まった。そして
「え?何?俺のこと誘ってたの?」
と聞いた。
「違います!!」
翼がムキになって即否定した。

「もういいです!!急に泣いちゃった自分が悪いですけど、もうほっといていただけますか?!」
「まあまあ落ち着いて、大魔王、今度はちゃんと聞くから!俺ら1つの布の下で一緒になった仲じゃない?」
「またふざけたこと…!」
そういう翼に、先輩は少し得意気な顔をしていた。
「ふざけてねえよ?本当のことだろ?俺のセーター貸したじゃん」
翼が思い出した。

そういえば借りてました。勇が。

その頃勇は図書室で、椅子に座って寝ていた。

***

膝の上には、ロミオとジュリエットの原作がのっていた。薄目を開ける。昨日のことを考えていた。

正解じゃないとわかっていながらも言葉は吐き出され

手は動いた。

でも答えを求め出たわけじゃねえんだよ

勇がキスをしようと翼の顔に触れると、翼はビックっとしてそして震えだした。

照れてんじゃなくて怯えているんだ

頭の中で勝手に納得されてて

やきもちじゃなくて

ぎこちなさが来る寂しさと

また失うかもしれないという不安

気づいてないフリじゃなくて

気づきたくなかったってやつで

勇は、震える翼を目の前に、ここ数ヶ月の様々なやりとりを思い起こしていた。

すると翼が、勇の腕をガシッとつかんできて、赤い顔をしながら、目をつむって顔を近づけてきた。

勇は、翼からキスを迫られていることに、

なんで…

と混乱する。

それでも勇は、翼の腕を握り返し、翼にキスをした。

 

 

つまりこれは

情?

頭の中には、この言葉が、しきりに浮かんでいた。

【感想】

先輩のモノローグと思いきや自作自演のセリフだった事に思わず吹き出してしまいました。

前話のあんなに素敵なキスが、こんなにも切ないキスだったなんて、思いもしませんでした。でもあのキスは、翼から迫っていたなんて、勇は恋心ではなく、情での行動ではないかと疑っていましたが、たとえそうでも、勇の気持ちに応えたい翼の精一杯と捉えてくれないのでしょうか。

でも読んでいる私は、数話も前から翼の恋心、恋愛感情、乙女心を理解してるわけで、翼の言葉にしていない気持ちが、腕を握り返してキスを迫るだけでは伝わらないものかと切なくてなりません。

【ネタバレ/伏線回収班】

・先輩が後からついてくる
・勇は図書室でロミジュリの原作を読んでいた。

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