『カカオ79%』38:花色バレンタイン(小5)~ランドセルの色は~【あらすじ&感想】

スポンサーリンク
カカオ79% カカオ79%
スポンサーリンク

web漫画/カカオ79%【あらすじ&感想38話】~残り21%の甘さ~

 

38:花色バレンタイン(小5)~ランドセルの色は~

【あらすじ】

翼は蛍から、勇が風邪を引いているが、自分は出かけるので来て欲しいという電話をもらい、隣の勇宅へと向った。

肝試しから数日後、始まったばかりの夏休み。翼は足以外の怪我はすぐに治ったが、足はまだ包帯を巻いていた。

翼が勢いよく勇の部屋の戸を開ける。ノックしろよ、と怒るわけでもなく、勇はベッドの上でヒエピタをおでこにはって横たわっていた。

翼は思わず勇の寝顔に見惚れる。

翼は勇のきれい過ぎる部屋を見回しながら先日おんぶされながら、勇に言われたことを思い出していた。
「俺は・・・・・・男だよ」
翼を背負った勇の背中は橘君より広かった。人差し指で勇の背をなぞる。思わぬ刺激に起きる勇。

蛍が言うには、雨の日に出かけて、傘忘れてきてびしょぬれで帰ってきたらしい。

勇は39度も熱があったが、食事は完食。汗をかいて着替えるのに、翼は部屋を追い出された。

勇は咳をしながら、ブレスレットの箱を手にする。自分を男と意識して欲しくて、半ば強引に部屋から追い出した。

自分の子供っぽさにうんざりしながら、翼のことを考える。自分が翼を女の子だと気がついたときの事を。

***

小5のバレンタインデー前日。兄の空がピンク色でリボンのついた女の子らしいワンピースを翼に見せる。
「明日これ着て」
「嫌だ」
空兄にしつこく着るようせがまれた話を翼は勇にした。勇はリボンのついたピンクのワンピースを着る翼を全く想像出来なかった。想像したのはリボン大魔王の姿だった。

学校でフランスのハーフの男の子が、バレンタインデーについて語っていた。ヨーロッパではチョコレートでななく、男性が女性に花をプレゼントするのだと言う。学校ではチョコは持ち込み禁止なので花を渡すのはどうかと提案した。

その話に、おなじみの乱暴な男子がまた翼をからかう。だからと言って、全ての女子がもらえるとは限らない、と。そして翼を男扱いする。翼はそんな乱暴者の首根っこを掴んで黙らせた。

当時の翼は、そこらへんの男子よりも背が高く力は強かった。毎日欠かさずテニスの練習で鍛えてきたし、その力は無駄に使うわけではなく、必要な時にだけ使っていた。

勇にとってそんな翼は同い年のくせに「かっこいい奴」だった。

バレンタイン当日。翼はリボンがついたピンクのワンピースを学校に着てきた。可愛く似合っていたので、勇はカルチャーショックを受けた。せっかくだからという空兄の提案で、翼と勇はランドセルを交換し、翼は赤色のランドセルを背負った。

翼が教室に入るとクラスメイトが翼のワンピースにざわついた。

そして案の定乱暴男子が絡んできた。翼に花欲しさに女装してきたのか?と。

翼も、その男子に、チョコはもらったのか、と、持込禁止のおかげで悲しまずにすんで良かったよね、と応酬する。

乱暴男子の口撃はどんどんエスカレートして、気持ち悪いから脱げ、という言葉に翼は上着を脱ぎだす。

これには乱暴男子も真っ赤になり、
「お前なんか!絶対性別間違って生まれてんだろう!」

勇はいつものように翼の完勝だと思っていた。ところが、翼はギロっと乱暴男子を睨み付けると、黙ってランドセルと上着を手に、教室を出てしまった。

勇がおっかけ、校舎の外で翼を探す。息が上がっている。翼は上着をほっぽりだして、向こうをむいて地面に座り込んでいた。

どうした?いきなり、と話しかける勇に、翼は、来るなよ!と言って振り返った。

翼は泣いていた。固まる勇。

勇は翼が初めて泣いているのを見た

昨夜、翼は、夜中に両親と空兄が話しているのを廊下で聞いてしまった。3人は翼について話していた。空兄は、アメリカに行く前に、可愛い妹の姿を一回見たくてワンピースを買ってきたと言った。

「似合ってないのは分かっているんだよ!でも来月になったら兄ちゃん会えなくなるから・・・!」
そう言いながら泣いている翼は、いつものガキ大将ではなく、本当は強がりで家族思いの優しい女の子だった。勇は蛍と同じようにボロボロ泣いている翼を傍で眺めていた。憧れが愛しさに変わり始めた。

放課後、意地をはって半袖の体操服から着替えない翼に勇も付き合って、何故か着替えない。翼が着替えないからだそうだ。

そのうちに勇は赤いランドセルを掴み、そのランドセルの中にいっぱいの花を摘んで校庭から走って戻ってきた。
びっくりする翼に、
「花、バレンタイン・・・だから」
勇は走ってきたので息を切らしている。

「早く着替え・・・ランドセル、お前が使え・・・」
翼にはなかなかちゃんと伝わらない。「ワンピース似合ってた」
「何て?聞こえねぇ」
「お前はちゃんと 女の子なんだから」
勇はそういって、ランドセルの花を翼に押し付けた。
そんな小5のバレンタインデーだった。

***

そろそろ着替え終わったであろう頃を見計らって、翼が部屋に戻る。勇はベッドの横で座りながらぐったりしていた。手にはブレスレッドの箱を持っている。

直してくれたのかと、ブレスレットの箱を手に取り、ふたを

引っぱって引っぱって、翼と勇の顔が近づく。

勇が翼にキスをした。

翼の脳裏には愛ちゃんが過ぎる。冷や汗をかき、固まる翼。

足元にはブレスレットの箱が転がっていた。落ちた表紙にふたが開き、箱の中からは直ったブレスレッドと「チョコ二個分のお返し」と書いてある勇からのメッセージが見えていた。

【感想】

風邪を引いている勇くんが、なんともセクシーで翼と一緒になって見惚れてしまいました。

勇が翼を女の子だと気がついた瞬間というのが、好きになる前提で、よく言う恋に落ちる、とか好きになる、とは別の種類の気づき、なのだと思います。だからこそ勇は、翼が勇を男だと気がつくよう躍起になっているように思いました。

25話花火大会の回想では、宝物を見つけたような、と形容していました。今回の回想部分の最後から、25話の冒頭に時間軸が繋がっているようですね。

そして最後!!キスしました。。。
翼は不本意そうでした。。。

思わず、ブレスレットの箱を手にするところから髪を引っぱられキスするところまでを繰り返し読んでしまいました。

そして、手から零れ落ちたブレスレット。「チョコ2コ分のお返し」と書かれたメッセージ。

あの中3の翼がこっそり忍ばせた苦めのチョコ、食べたよ、というメッセージだと思うのですが、勇が、翼が寝ている間にブレスレットを腕に直接つけて渡したから今まで翼は、きっと箱を開けることなく、色々知らないまま、今に至るのだと思います。

【ネタバレ/伏線回収班】

★ここに注目★
・翼は風邪を引かない体質
・兄は翼が小5の頃にアメリカへ
・2月に2人で半袖の体操服
・キスの時に翼の脳裏に過ぎるのは愛ちゃんの姿

コメント