『カカオ79%』37:肝試し(4)【あらすじ&感想】

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web漫画/カカオ79%【あらすじ&感想37話】~残り21%の甘さ~

 

37:肝試し(4)

【あらすじ】

「天童さぁ、やっぱり少し変わったよ。俺は今の方が好きだな」
天童さんは笑顔の橘君を思い出している。

***

天童さんは司会であるモブ男に、翼が崖から落ちて怪我をした旨を伝えた。モブ男は即座に、メールを皆に見せながら、肝試しの中止を叫んだ。この山の詳しい橘君が呼ばれる。

自分に連絡が聞いていないことから、信じようとしない勇に天童さんは、自分にきたメールを勇に読ませた。険しい顔をして
「やり方がいちいちめんどくさいんだよ」
と言っている。勇は、自分に内緒で助けを求める文面を読むと、懐中電灯を掴み、一人で出発しようとする。

そんな勇を橘君は制止した。
「俺が助けに行くよ」
と。夜だしバラバラで動くよりは、山に詳しい自分が行った方が早しい安全だと、勇を説得しようとするが、勇は無視して橘君の隣を通り過ぎる。

それを見ていた天童さんは、勇の怪我をしている方の手をガシッとつかみ、
「怪我人は!大人しく待ってろ!」
と言う。

痛がる勇。横で橘君が、驚きの表情を浮かべている。怪我なんてなんともないと言い張る勇に、天童さんは、翼が勇に直接連絡なかった事を突く

勇と天童さんがガチ口論になりそうなところで橘君が口を挟んだ。

「一ノ瀬君、その手じゃ綾野さんを運ぶことも出来ないだろ、正直言うと今の君は邪魔になるだけなんだ」
そう言って、他の人にテキパキと指示を出した。
「落ち着いて一ノ瀬君、言い争ってる場合じゃないだろう?必ず助け出すから

天童さんは、自分の行動について考えていた。皆の私情は棚上げにして、一番平等で正しいと思う答えを選んだ。

翼の、勇には内緒で、という願いを、今すぐ飛び出して行きたい勇の気持ちを、橘にバレたくない、行かせたくない自分の気持ちを、自分の嘘を知ってがっかりするであろう橘の気持ちを全て無視した。

翼は木の上から降りれなくなった天童さんに、
「困った時にはね、周りに助けを求めてもいいのよ」
と言った。でも、本人は勇に甘えなかった。うつむく勇の方を、天童さんはチラっとみた。

翼は遠い意識の中で、誰かに背負われていることを感じていた。

勇?内緒で助けを求めたこと、怒ってるかな・・・と。

***

冬服で中学生くらいの勇が、翼の名前を呼ぶ。
「翼!!」

***

翼がゆっくり目を開ける。

周りにはクラスメイトたちが居て、翼が気がついた事で笑顔になる。委員長は号泣していた。天童さんは静かに見つめている。

あれ、私、と起き上がった翼を勇が抱きしめる。

周囲はどよめいた。
「だから一緒に行くって・・・!言ったのに」
「・・・ごめん」
そんな翼に、横から橘君が、助けた時の状況説明をする。橘君のお兄さんが医大生で、翼の足の応急処置をしてくれていた。

翼は、自分をスタート地点まで運んでくれたのが橘君だと聞き、御礼を言う。
「・・・そっか。橘君か・・・よかった」
それを聞いた勇は、左手を握り締めた。

天童さんはイラっとしながら、橘君は無言で、二人を見つめていた。

***

皆に迷惑をかけたことへのお詫びを言い、委員長に約束のビー玉を渡して、翼と勇は帰路につく。

笑顔で取り繕う翼に、無言で怒っている勇。自分の分のビー玉は見つけられなかったと翼が言うと、勇は黙って自分のビー玉を差し出す。

空気に耐えられず、翼は、勇ではなくて天童さんに連絡したことを謝る。
「あんたも怪我してたから天童さんに連絡した・・・」

勇はしゃがんで翼に背に乗るように言う。手を怪我しているし歩けるから、と拒否する翼に

勇は、乗ってよ・・・頼むから。

翼は勇に背負われた。男の人におんぶされるの初めてという翼に、勇は、さっき橘君にされただろう、と。
「何もかも先越されてんなぁ」
と呟く。

しばらくして、もう降ろしてという翼に、勇は
「こういう時にはもうちょっと男に頼っていいんだよ」
翼が小学生の時には自分におんぶされてたくせに、と引き合いに出すと、勇は大きな声を出した。
「今は!小学生じゃねぇし。お前の弟でもねぇし!俺は・・・!!・・・男だよ」
翼は身体の力がどんどん抜けていく。
「お前ぐらいはもう軽く背負えるから、だから大人しく背負われてろよ」
翼は、もうそれ以上、降ろしてとは言えなかった。

もう私には

昔のように軽く勇を背負うことは

できない

私達はもう対等じゃないんだ

やっとそれが理解できた夏休みの始まり

To Be Continued

 

 

【感想】

天童さん、色んな人の感情を無視して、とりあえず助けに向う方向で動いてくれて良かったです。結果として翼の怪我は大したことなかったようですが、メールの時点では何が起きたのかよく分かってはいなかったですし。でもそこで平等に自分の気持ちまでも無視できてしまう所も、天童さんの潔さだと思います。そんな天童さんを、私は結構好きです。

翼しか見えていない勇。助けに行こうとするとき、橘君の冷静な静止を完全に無視しています。きっと翼は勇のこういう行動を取りかねないと分かっていたんだろうと思います。

そんな翼が想定していなかったことが、天童さんの強引な制止。天童さんも、もしかしたら、「勇に内緒で」を無視したこともあり、責任をもって自分がとめたのではないでしょうか?

冬服の勇を見て、勇の取り乱しようは、中学の頃の翼の怪我の影響もあるのかな、と思いました。好きな女の子に頼られたいし、勇が翼を荷物のように思うことはきっとないと思います。乗ってよ・・・頼むから、が切なすぎて。対等だった幼馴染二人の関係性の転換期ですね。

 

【ネタバレ/伏線回収班】

★ここに注目★
・勇は翼の怪我を聞き冷静さ皆無で取り乱す
・中学生の勇は、冬服で走っている。焦って翼の名前を呼ぶ。

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