雪の華【歌詞解釈】中島美嘉 歌詞の意味

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雪の華 歌詞解釈
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歌詞解釈/雪の華【名曲の物語を紐解く】~歌詞の意味を考える~

中島美嘉さんが歌っている『雪の華』。日本レコード大賞を受賞し、また数々のアーティストからカバーされている名曲です。純愛を立ったこの曲の歌詞は、とても詩的で感性豊かで物語性のある歌詞です。実はこの曲、同じく日本レコード大賞の作詞賞も受賞してるのです。

そして、2019年2月1日には、この曲の歌詞をモチーフにした映画も公開予定です。どんな恋愛映画となるのでしょうか。

それでは、『雪の華』の歌詞を紐解いていきましょう。

雪の華【歌詞】

のびた人陰(かげ)を舗道にならべ
夕闇のなかを君と歩いてる
手をつないでいつまでもずっと
そばにいれたなら
泣けちゃうくらい

風が冷たくなって
冬の匂いがした
そろそろこの街に
君と近付ける季節がくる

今年、最初の雪の華を
ふたり寄り添って
眺めているこの瞬間(とき)に
幸せがあふれだす

甘えとか弱さじゃない
ただ、君を愛してる
心からそう思った

君がいるとどんなことでも
乗りきれるような気持ちになってる
こんな日々がいつまでもきっと
続いてくことを祈っているよ

風が窓を揺らした
夜は揺り起こして
どんな悲しいことも
僕が笑顔へと変えてあげる

舞い落ちてきた雪の華が
窓の外ずっと
降りやむことを知らずに
僕らの街を染める
誰かのために何かを
したいと思えるのが
愛ということを知った

もし、君を失ったとしたなら
星になって君を照らすだろう
笑顔も涙に濡れてる夜も
いつもいつでもそばにいるよ

今年、最初の雪の華を
ふたり寄り添って
眺めているこの瞬間(とき)に
幸せがあふれだす

甘えとか弱さじゃない
ただ、君とずっと
このまま一緒にいたい
素直にそう思える

この街に降り積もってく
真っ白な雪の華
ふたりの胸にそっと想い出を描くよ
これからも君とずっと…

出典元:
雪の華
作詞 Satomi

雪の華【歌詞解釈】

のびた人陰(かげ)を舗道にならべ
夕闇のなかを君と歩いてる

出典元:雪の華

タイトルの『雪の華』からも察することができますが冬の歌ですね。『人陰』と書いて『かげ』と読ませています。あまり使わない字の並びですが、『人陰に紛れる』というような用法で使う場合の『人の気配』という意味や、『太陽などの光を通して地面に映る人の陰』という意味で捉えることもできます。文脈から今回は後者です。

冬は太陽が低く、影が伸びる季節です。夕方になれば、よりいっそう影が伸びます。季節は、『夕闇』とあることから、夕方が過ぎたころ、夜に近い時間帯だと推察されます。

歌で『君』と言ったら、『愛する女性』のことだと相場は決まっています。主人公の男性は、彼女と一緒に街を並んで歩いているのでしょう。

手をつないでいつまでもずっと
そばにいれたなら
泣けちゃうくらい

出典元:雪の華

二人は手を繋いでいます。主人公の男性は、歩きながら、『いつまでもずっとそばにいられたなら』と願っています。『いれたなら』というのは、『いることができたなら』という『可能』の意味を持ちます。つまり『いられたなら』ら抜き言葉です。口語です

この歌詞は、口語を織り交ぜながら、主人公の男性の素直な気持ちが伝わるよな工夫がなされています。その次の1行も、それがより強く出ています。『泣けちゃうくらい』としています。

おそらく、このあとは、泣けちゃうくらい『幸せ』などの言葉が省略されているのだと思いますが、省略されているというよりは、感極まって言えていないと言った方がしっくりきます。

風が冷たくなって
冬の匂いがした
そろそろこの街に
君と近付ける季節がくる

出典元:雪の華

主人公は少しシャイなのかもしれません。寒さという口実がなければ、横を歩く愛する女性と自然にくっつけないようです。いずれにしても、冬の物悲しい情景と、彼女に対する純粋な愛情を重ねているようです。

今年、最初の雪の華を
ふたり寄り添って
眺めているこの瞬間(とき)に
幸せがあふれだす

出典元:雪の華

タイトルにもなっている『雪の華』は、『雪の結晶』のことでしょう。雪の結晶は、万華鏡に使われる意味の『華』のような形をしています。雪が降っているのです。みぞれでも、ボタン雪でもなく、もっと冷たい雪です。その雪を、二人で眺めており、男性はその瞬間、幸せを感じています。

甘えとか弱さじゃない
ただ、君を愛してる
心からそう思った

出典元:雪の華

純愛を歌っています。甘えや弱さではなくて、見返りの気持ちもなく、その気持ちは『君を愛する気持ち』ということです。

君がいるとどんなことでも
乗りきれるような気持ちになってる
こんな日々がいつまでもきっと
続いてくことを祈っているよ

出典元:雪の華

主人公の男性は、自分にとってどれほど彼女のことが大切なのかを表現しています。『気持ちになってる』この部分も、口語であり、い抜き言葉です。

そして主人公の男性は、『永遠』を願っています。深読みしてしまうと、長くは続かない、という何かの伏線なんじゃないかと勘繰ってしまいますし、そんな不安がよぎると、いっそう切ない歌詞に聞こえてきます。

風が窓を揺らした
夜は揺り起こして
どんな悲しいことも
僕が笑顔へと変えてあげる

出典元:雪の華

2番です。1番では、主人公の男性にとって彼女がどんな存在かを説明していましたが、2番では自分が彼女にどんなことをしてあげられるか、ということに言及しています。

最初の2行は非常に詩的な表現です。『風』と『夜』を擬人化していると捉えることもできます。つまりは、この2行は、後に続く『どんな悲しいこと』に対してのメタファーです。

舞い落ちてきた雪の華が
窓の外ずっと
降りやむことを知らずに
僕らの街を染める

出典元:雪の華

1番では、夕闇の街を歩いていましたが、2番では家に帰りついたようです。家の中から、雪が降っている窓の外を眺めています。

主人公の男性は、真っ白な雪景色と、自分の中の彼女に対する純真な愛を重ねているのです。

誰かのために何かを
したいと思えるのが
愛ということを知った

出典元:雪の華

主人公の男性は、彼女どの恋愛を通して、言わば『無償の愛』を知ったようです。

もし、君を失ったとしたなら
星になって君を照らすだろう
笑顔も涙に濡れてる夜も
いつもいつでもそばにいるよ

出典元:雪の華

この辺りの歌詞が、幸せはずっとは続かない、将来的にどちらかが居なくなってしまうのではということを彷彿とさせ、例え話ではありますが、切なくなってしまいます。

今年、最初の雪の華を
ふたり寄り添って
眺めているこの瞬間(とき)に
幸せがあふれだす

甘えとか弱さじゃない
ただ、君とずっと
このまま一緒にいたい
素直にそう思える

出典元:雪の華

サビの繰り返しです。一番は、並んで歩きながら雪を見ていましたが、2番のサビは、夜、家の中から降る雪を見ていると捉えた方が自然でしょう。

いずれにしても、主人公の男性は、彼女と並んで雪を見ることで、今のこの幸せを噛み締めています。

この街に降り積もってく
真っ白な雪の華
ふたりの胸にそっと想い出を描くよ
これからも君とずっと…

出典元:雪の華

思い出を冷凍保存できそうな、そんな情景が浮かんできます。今までは、幸せの瞬間、つまり『現在』を表現していましたが、最後に、その『現在』が想い出という『過去』になり、そして、これからもという『未来』を見据え、ずっとという言葉で永遠を願っています。

雪の華【タイトル考察】

『雪の華』は雪の結晶のことです。雪の結晶が降っている情景と、主人公の心の中にある真っ白な愛を重ねて、表現されています。

幸せな情景を描いている歌詞なのにどこか切なく感じるのは、その雪の景色はいつまでも続くわけではなく、愛もまた、永遠を願いながらも、儚いものであるという性質が重なるからではないでしょうか。

雪の華【データ】

歌手 中島美嘉
作詞 Satomi
作曲 松本良喜

『雪の華』は、2003年10月1日に発売された中島美嘉さんの10枚目のシングルです。明治製菓『boda』『galbo』のCMソングです。この曲で中島美嘉さんは、第45回日本レコード大賞金賞を受賞しました。また、この曲は日本レコード大賞の作詞賞も受賞しています。また、この曲をモチーフとした実写恋愛映画が2019年2月1日に公開予定です。

この曲は、国内外問わず、たくさんのアーティストによってカバーされています。代表的な方ですと、森山良子さん、徳永英明さん、河村隆一さんらです。

それから、2016年には、WEB漫画アプリComico内で大人気連載の『ReLIFE』のTVアニメにて、第8話のエンディングテーマに起用されました。

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