web漫画/カカオ79%【あらすじ(ネタバレ)&感想186話】~残り21%の甘さ~
橘君が今までの自分の生い立ちについて思い返していた。
俺がテニスを始めたきっかけは
裕福な家のおかげでいろんなものを習わせてもらった中で
1番楽しかったのがそれだったからだ
橘君が考えている。
ある程度才能もあったようで
上手くなるほどテニスが楽しかった
でもそれが趣味から夢になった途端に
今まで見えなかった楽しくないところが見えてきた
1度目の挫折はテニスの強いある少女と出会って
勇気をもらって立ち直ったように見えた
でも登れば登るほど
その夢は険難で厳しかった
その昔綾野さんと出会った町の
テニスで有名な中学、高校は
今じゃ世界で活躍している綾野空選手の通っていた学校で
(高校入学してすぐ転校したらしいけど)
おれもそこの中学校目指していたけど
高校生で既に海外でも注目されていた空選手の活躍を見てからは
学校ごときで悩んでいる自分のことがあまりにも小さく見えて
ずっと夢見た学校への進学をやめた
小学6年生の橘君はテレビを見ながら考えていた。テレビには高校の学ランを着た綾野空選手が、インタビューを受けていて
「日本のテニスが海外でも通用するってことを必ず証明させてみせます」
と、話していた。
空選手はあの高校から転校しているのに俺のそこへ入りたくて仕方がないこのザマ…
今考えると、尊敬と嫉妬で冷静にいられなかったと思う
後で後悔した
天候考えなかったわけでもないけど
家族には反対されていた
「でもあそこは遠いし」
「中学生が一人暮らしもうね」
やめた
頭には中学生になって、すっかり雰囲気が変わった天道さんの姿が思い浮かんでいた
今考えると
少し責任を感じていたのかもしれない
橘くんは、小学生の頃、天道さんがクラスで孤立していたときのことを思い出していた。
俺はあの時
天童に何かあったと思っていながらも
深入りしなかった
そんな時間も余裕もなかったから
そしてあれを最後に
もう二度とテニス以外のものを選ばないと決めた
橘君は、翼の兄の空と対面した時のことを思い出していた。
俺の夢は
相変わらず手の届かないところで
それでも確実に輝いてるから
つまり俺は今も自分の夢だけが大事な
自己中野郎ってことだ
***
高校の廊下。
「橘くん」
女子生徒が、橘くんの腕にぶら下がるようにして名前を呼ぶ。
無視して通り過ぎたはずの天道さんが、無表情のまま戻ってきた。橘君の顔からは冷や汗が出る。
そこへたまたま、勇が階段を上ってきた。
「夜、ヤンキー女、ちょうどよかった、お前英語の教科書あるか?忘れて来ちゃった…」
勇は天道さんに挨拶に手を上げながら声をかけた。天道さんはその手をがしっとつかむ。
「ん?」
突然、天道さんが勇の腕にぶら下がった。
「お、おいなんだ?!お腹減りすぎて接着剤どう間違って食ったのかよ。くっつくなよ、俺はもうお前とはこういうのは(?)…」
勇は焦って言う。
せっかく今いい感じなのに、翼に見られでもしたら…
「つーかきもいから…!」
勇が周りの目を気にしてキョロキョロしていると、勇が上がってきた階段を、翼も上がってきた。翼と目が合う。
あ
勇が翼を見て、翼が天道さんとひっつく勇を見て、天道さんは女子生徒にくっつかれる橘君を見て、橘君は勇とひっつく天道さんを見ていた。
バッ
勇は慌てて天道さんの腕を振り払った。
「お、おい、彼女持ちの男にはそうやすやすと近づいちゃ失礼なんだぞ。わかったか??わかった?!」
勇は天道さんに、こそっと慌てて言った。
「な、なんだ?お前も英語忘れてきたか?」
勇は取り繕うようにして翼に声をかけた。
翼は勇の肩越しに天童さんに目をやる。天道さんは翼のことを見た後に、勇に触れた自分の両手を眺める。
「さあさあ帰ろう帰ろう、仲良く忘れてきたのも1つの思い出(?)」
勇は慌てて翼を教室の方へと誘う。
「ねぇ橘くん行こうよ、ね?行くのよ?」
橘君と一緒に話をしていた女子生徒が、話の続きをしている。
「え?あ、え?」
橘君もしどろもどろで答えている。
橘君が振り返ると、天道さんはいってしまった勇の後ろ姿を見ていた。
***
前を行く翼の後ろ姿を眺めながら、勇は気まずい思いをしていた。
なんだろうこの浮気して
ばれたような空気
全然違うのに
今朝は真っ赤で
目も当てられずに
かわいかったのに
朝、学校へ行く時に朝の挨拶をする勇の顔見た途端に、翼は赤面して冷や汗を出していた。勇には、昨日のキスを翼が思い出しているのが分かり、とてもかわいかった。
昨日翼は、勇に、他の女の子にあまり優しくしないでと言った。
よりによって
あゆことを言われたばかりに
こんな……
まさか今のもちゃんと妬いてる?
腕掴まれた位で?
勇が翼の下を覗き込むと、くいっと翼はそっぽ向いてしまった。
まじかよ
俺生きててよかった
こんな日が来るとは
勇の反応に、翼は、あ、ついと思いながら反省する。あちゃ勇は
あちゃ喜んでる場合じゃ
と思い直した。翼が先に行ってしまおうとするので、勇が翼を呼び止めた。
「おい、そこ教室の方じゃねーぞ。そろそろチャイム鳴るだろう、戻らないと…」
「サボる」
翼の意外な返答に、勇はびっくりする。
「どうせ教科書もないし」
翼は、勇の方を振り向いて言う。
「一緒にサボる?」
To Be Continued?
カカオ79%【感想(ネタバレ有)】
タイトル『縺れ』、何て読むかわからなくて調べてしまいました。『もつれ』と読むんですね。確かに、学校の廊下で四角関係みたいになっています。一人、主要登場人物とは関係ないモブの女子もその場にいましたが。
さて、今回、橘君の生い立ちの回想からスタートしましたね。橘君の闇の部分が垣間見えるのかなと思いましたが、そんなに自己中野郎とも思えず、許容範囲内のテニスバカってことでいいのではないでしょうか?
妬いている翼も可愛いし、それに喜ぶ勇も可愛いですね。天童さんだけがただただせつない。。。
一緒にサボる?って翼が勇を誘っていました。青春ですね。でも、同じクラスで一緒にサボったら、クラスメイトに付き合ってること内緒にしているのに、バレちゃいますよ?付き合っているというとこまでいかなくても、一緒にいるって言うのはバレてしまいそうですね。
カカオ79%【ネタバレ/伏線回収班】
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