web漫画/カカオ79%【あらすじ(ネタバレ)&感想187話】~残り21%の甘さ~
翼のやつはこう見えて
学校生活に対してすごく真面目だ
本当に
意外にも
丈夫なおかげで病欠もない
テニスの試合で休んだ日など以外は遅刻もしない奴だ
宿題とかはたまに俺のやつを映して出したりしてたけど
とりあえず意外と真面目だと言う事
そんな奴が今
絶賛サボり中
勇と翼は二人並んで、階段下の物置で膝を抱えて身をひそめるように座っていた。
***
教室では、英語の授業が行われている。
みなさんどうもこんにちは
1年B組の委員長
田中薫です
突然の登場でびっくりさせたならすみません
実はこちらにもびっくりのことがありましてね
なんと
綾野さんが授業サボるなんて…!!
ついでに一ノ瀬くんも
授業サボった位でなぜそこまで驚くかと言うと
どうやらそれが私のせいな気がするからです…
実は私めの登場が全くなかった間
こっちにもいろいろありました
時は遡り
文化祭が終わった次の日
「薫くん!」
廊下を歩いていると、委員長にリナ先輩が声をかけた。
「あー松本先輩、おはようございます」
「いやだ、昨日みたいにリナさんて呼んでよー」
振り返って委員長が挨拶をする。それにリナ先輩は笑顔で答える。
「いいえ、文化祭も終わったところで、いつまでも先輩の名前を軽々しく呼ぶわけには…一ノ瀬くんの代わりと言う事でしたが、二日間いろいろとお世話になりました。それじゃあ」
委員長は一礼をしてからリナ先輩から離れていった。
こんなにも爽やかできれいな挨拶の後
まさかあんなことが起こるとは
***
「え?生徒会…ですか?」
職員室で、委員長は先生から生徒会に入るかどうかの打診を受けていた。
「ああ、生徒会からのご指名だ。クラスの委員長もやってるわけだしいいんじゃね?」
委員長は頭に頭を書いた。
「は、はー…」
***
こうして、委員長は生徒会室へと足を運んだ。
「ようこそ、生徒会へ。ここではお互いのことを名前で呼ばないといけないの。さぁ薫くん、リナと呼んで?」
委員長は生徒会室のドアのところで棒立ちしていた。
「早く」
リナ先輩が自分の両頬に両手を当てて迫ってくる。
ガタン
委員長は慌ててドアを閉めて生徒会室から離れていった。
***
なぜか恐怖を感じて
生徒会の加入をお断りしたら
今度は
「単刀直入に言うけど、つばさちゃんてさぁ、生徒会入るつもりはない?」
綾野さんを巻き込んでしまった…!!
は、私はどこで何を間違えたんだ?!
委員長は、英語のノートに顔を埋めて机に突っ伏した。
綾野さんはその場で断っていたけど
「すみません、自分はあまり向いてないと思うので…」
きっとそれをもっと確実に断るために
少しでも不良に見せかけているに違いない…!
綾野さんだって何らかの恐怖を感じたんだろう
狙ったものは必ず手に入れると言っているようなあの先輩から…!
委員長は壮大な勘違いをしていた。
「翼ちゃんと仲いいんでしょ?彼女が生徒会に入ってくれたら薫くんも入ってくれるのかな、彼女は文化祭で一ノ瀬くんを譲ったことを言い出すと断れないんじゃない?」
あー綾野さんのことをそこまで追い詰めてしまったからには
私が生徒会に入るしか…
方法はないのか…
今どこで何をしてるんですかー
綾野さーん
ついでに一之瀬くん
***
委員長の思いをよそに、授業をサボっている2人は、2人並んで膝を抱えて座っていた。
勇は思う。
……なんか…
ちゃんと気持ちを表してくれているのは嬉しいけど
これは確かに予想外というか
こいつ天童のことが大好きなくせに
ちゃんとヤキモチは妬くんだな
あんなに嫌われてもストーキングを止めなかったくせに
じゃぁやっぱこの重い空気って俺のせいか?
でも俺何も悪くなくね?
勇がいろいろ考えていると、翼が話しかけてきた。
「授業サボるのってさぁ、なかなか緊張するもんだね」
緊張してただけかよ
勇が横で衝撃を受けていると、翼は話を続けた。
「あんたはたまにさぼってたよね、クラス委員長とか生徒会長とかやってたくせに。不良のくせに真面目なふりしやがって」
勇は、翼の顔をチラッと見た。
「何かここだけ時間が止まってるような気がする。転校してきていろいろあって、こうやって初めて授業をサボると言う初体験の時にも、相変わらずあんたと一緒だからかな」
翼が言った。そして翼は思う。
そしてあんたは今こんな私の反応に
少し戸惑っているんじゃないかな
どんなに暴言を吐かれても
天道さんのことを嫌いになれなかった
今だって彼女のことが色々と心配で
何でもいいから力になりたいと言う気持ちは変わりない
なのに
翼がため息をつき吐きながら頭を抱えた。
どうしたんだよ
天道さんは好きなのに
勇といるのを見るとムカっとしてしまう
昨日から何をこんな過剰に反応してるんだよ
私ったら……
…落ち着こう
落ち着くんだ
このままじゃ嫌な奴になってしまう
今も十分嫌な奴だけど
「で、嬉しいだろう?あんなに泣いてたのに、これからも一緒だから」
翼がいろいろ考えていると、横にいた勇が笑顔で話しかけてくる。
「誰が泣かしたよ」
翼は、正面を向いて
「そして付き合うことになってみたら幼なじみは変態でしたと言う…」
と言った。
勇が慌てて突っ込む。
「おい、誰が変態だ」
勇が反論しようとする。
「お前さぁあれはちゃんとキスの…」
すると、廊下を、カツカツカツカツカツカツと誰かの足音がした。驚いた2人は、お互いの口をお互いの手で塞いだ。
「だ、誰か通」
「先生だろ」
口を塞ぎあったまま、息を潜めていると、おもむろに勇が、翼の手をペロリとなめた。
翼は驚く。
何すんだよ
何すんだよ
翼は、声は出さずに、パンパンパンと勇の頭を勢い良く叩いていく。
「あのぐらいでびびられてちゃ困るんだけど…」
勇が、小声でシレット言う。
この変態野郎が
翼は、赤面しながら、勇の胸ぐらをつかんだ。
廊下を歩く足音は、まだ聞こえていた。
我に返って、勇と翼は、人差し指を口元に当てた。
To Be Continued?
カカオ79%【感想(ネタバレ有)】
久しぶりに委員長が出てきたと思ったら、壮大な勘違いをしていましたね。私の中で、文化祭で大いに株を上げた委員長でしたが、トラブルに巻き込まれがちな体質なところは変わっていませんでした。
リナ先輩、自分の術(?)が委員長に通じなかったことでムキになったのでしょうか。生徒会に誘った獲物は、委員長…勇ではなくて委員長に標的が変わったのかと思うと、私としては一安心です。委員長としては安心していられないでしょうけど…。
アリザワ先輩とリナ先輩ってどうやって付き合ってたんでしょうか。。。委員長にリナ先輩の術は通じませんでしたが、アリザワ先輩にも通じないような気もします。頭は上がらないけど、術は通じない的なイメージなのですが。そのうち、二人が恋人同士だったころの貴重な姿も少しでいいから描いて欲しいと思います。
勇と翼、二人で絶賛サボり中。超イチャイチャしていましたね。見つからないでもう少しイチャイチャしていて欲しいです(笑)
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