web漫画/カカオ79％【あらすじ(ネタバレ)＆感想191話】～残り21％の甘さ～
下校中の天童さんは、自宅のアパートの前でピタッと立ち止まると、ため息をついて振り返った。後ろには天童さんのお父さんがついて来ていた。
「どこまで付いてくるつもり？まさかこの家に上がり込むつもりじゃないだろうな」
天童さんが言うと、お父さんは少し頭を振った。そして、地面に手をついて土下座をした。その姿を見て、天童さんは目を見開く。
「え？」
「…雫、許してくれ」
土下座をしたお父さんが言う。
「は…？」
＊＊＊
勇と翼とそしてアリザワ先輩は、一緒に下校しながら、３人共腕を組んで首を傾げていた。
「ううむ…迷子のオオカミを垣根の中へ…か」
翼がうなる。
「…無理じゃない？」
隣の勇も翼と同じ格好をしながら、
「無理だな、垣根まで辿り着きすらできそうにねえわ」
と同調する。
「方向音痴だもんな、最強の」
と翼も掛け合う。
そこに、また同じく腕を組んだアリザワ先輩が話す。
「まあー今までは順ちゃんの垣根の中で何とか落ち着いていたのが野良になっちまったってことだからな」
そんなアリザワ先輩に対して、勇はボソッと悪態をつく。
「何でついてきてんだよ、このピアスヤロウ」
「おい、口に出ちゃってるぞ、その考え」
アリザワ先輩が勇を注意した。
「アリザワ先輩はどうやって天童さんと橘君の事情を把握したんですか？二人ともそういう話はあまりしそうにないのに」
翼が聞く。その横で勇が、アリザワ先輩のことをジーっと見ていた。
「まさか天童さんは私にだけ心を閉じて何も言わなかったという、私だけ何も知らないでKYして…」
翼が落ち込む。
「あ、また地雷踏んじゃった」
と勇。
翼の様子にアリザワ先輩は驚き、慌てて言う。
「お、俺はあれだよ！空気を読んだんだよ。その場その瞬間を見れば分かる！なんせ空気男とまで呼ばれた男だからな？！俺は…！エアーマンと呼んでくれ！」
「新手のダサヒーローかよ」
ポーズをとるアリザワ先輩に対して勇がツッコんだ。
勇は少し考えると、再び口を開いた。
「まああれじゃね？無関係な人にこそ話しやすいとかで話したんじゃね？壁に向かって話すような感じで」
「ははは壁とか」
アリザワ先輩は壁と言われたことに少しイラっとする。
「よかったんじゃね？あいつにもお前のメル友のような存在が出来て」
勇の言葉にアリザワ先輩はギクッとする。
「？先輩？急にどうしたんですか？立ち止まって」
翼がアリザワ先輩の方を見た。その横で勇もアリザワ先輩をジーっと凝視した。
「あ…俺用事が…出来て…悪い！ここでー！」
アリザワ先輩は、無理やりの笑顔で走って言ってしまった。
勝手について来たんだし何も悪いことは…
と、勇と翼は同じことを思っていた。
あの反応怪しい…やっぱ黒か
勇がそう考えているときに、横で翼が
「怪しい」
と言った。
「えっ」
まさかこいつも気づいて…
勇が驚いていると、翼は勇が思いもしないことを考えていた。
「生徒会員じゃないのに関りが深いよね、アリザワ先輩って」
そっちかよ
と思う勇。
「…そりゃ仲がいいからじゃねえのか？そこの人達と」
勇が超どうでもいいと思いながら言った。
「そこが怪しいんだよ、アリザワ先輩ってリナ先輩と付き合ってたのに、別れてからも仲がいいなんてありえる？！」
翼が言う。
「マジか、そういう人たちなんじゃね？」
勇はやっぱり興味はないようだ。
「じゃ委員長はどうすればいいの？！」
？！
突然の委員長の話題に、勇は訳が分からなかった。
「あ？」
としか言えない。
＊＊＊
翼や勇と離れたアリザワ先輩は冷や汗をかいたが一息つく。
ヒュー
バレるかと思ってヒヤヒヤしたぜ
名前はともかく性別騙してんのはまずいから…
これも全部あのタブレットとあいつのせい…!!
アリザワ先輩は涙目で頭を抱えた。
やっぱ生徒会にまで誘うのはやばかったかな
＊＊＊
生徒会室で、リナ先輩とアリザワ先輩が言い合いをしていると、生徒会長が口を挟んだ。
「いいんじゃない？俺はあの子なら賛成だよ」
リナ先輩とアリザワ先輩の言い合いが止まる。
「あの子が入ってくれるといろんな人をタダでこき使えるってことだろ？そういう話じゃなかったの？」
生徒会長の言葉に、アリザワ先輩は
「あのな、人をこき使うより自分で仕事をする考えを…」
と話し始めるが、生徒会長は構わず続ける。
「その田中薫君とかお前とか」
「は?俺は今もこき使われてるよ、てか何で俺が…」
アリザワ先輩が反論するが、生徒会長とリナ先輩は取り合わない。
「あの子が生徒会長になるともっと会えるよ」
と生徒会長。
「あらやだ、えっそういうことだったの～何よそれなら早く言えばよかったのに～」
とリナ先輩。
「いや違うから」
もう一度アリザワ先輩が否定する。
「とりあえず俺からも誘ってみるよ、先生達にも話して…」
生徒会長が進めていくのを
「いやいやいやいや」
とアリザワ先輩は言っていた。
＊＊＊
翼と勇から離れてから、下校するアリザワ先輩は空を見上げた。
「とか言ってたくせに」
「自分で誘ってんのー」
と言いながら笑う、生徒会長とリナ先輩の顔が浮かんできた。
まあこの機会に人員補充できるといいし
てんどっちーのことが気になってたのも本当だし
アリザワ先輩が考えながら歩いていると、そこが天童さんの自宅のアパートの近くだということに気が付く。すると
「ふざけるな！！」
という声が聞こえてきた。
ToBeContinid
カカオ79%【感想(ネタバレ有)】
アリザワ先輩は、頭男回転は早いですが、結構思い付きで行動していますね。策士の勇に太刀打ちできるでしょうか。徐々に追い込まれてしまいそうです。二人とも、翼を傷付けたくはないという点は共通しているでしょうから、どちらも大きく相手を陥れるようなことはしないでしょうし、出来ないと思いますが。
翼の「じゃあ委員長はどうすれいいの？」には、私も「？！」ってなりました。一つ進歩したのかなと思ったことは、翼が人の恋愛について鈍感じゃない！！と言う点です。ちょっと見当はずれな気もしないでもないですが。
それにしても、天童さんとお父さん、心配です。
カカオ79%【ネタバレ/伏線回収班】
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アリザワ先輩についての考察
『カカオ79％』魅力を紹介４【前半】～アリザワ先輩ってどうなの？！～
『カカオ79％』魅力を紹介４【後半】～アリザワ先輩ってどうなの？！～
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カカオ79%【前の話し】
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