『カカオ79%』220:遊園地へ行こう(2)【あらすじ&感想】

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web漫画/カカオ79%【あらすじ(ネタバレ)&感想220話】~残り21%の甘さ~

220:遊園地へ行こう(2)

星空が広がっていた。夜、委員長は、自宅のマンションに帰ると電気をつけた。トボトボと部屋の中に入っていく。

 私の名は田中薫

 彼女いない歴=年齢の私にとって恋は

漫画や映画で観てきたモノが全てだった

 

自分もいつか

人生全てをひっくり返すような

恋をするんだと

そう思っていた

 

のに…

 

***

 

放課後、生徒会室で委員長は、リナ先輩に自分の想いを伝える。

「私の周りを徘徊するのをやめて欲しいです」

委員長とリナ先輩は向き合って、視線を合わせて話す。

「何で?」

とリナ先輩が反応した。

 

何でって

 

「ふ、普通に考えておかしいじゃないですか!?教えてもいない塾の場所まで把握されて待ち伏せされて…こ、怖いんですよ!」

委員長はつい語調が強くなる。

「というか何故そこまで私に関わろうとするんですか?!」

 

リナ先輩は、のらりくらりと答える。

「何故って…好きだから?」

 

軽っ

しかも疑問形

 

委員長は衝撃を受ける。

 

「塾の場所はこの間会長と話してたのを聞いただけで、たまたま近くを通ってたから少し待っていれば会えるかもと思っただけよ?そして会えたってこと」

リナ先輩が笑顔で説明する。

 

そうだった

二年主席の生徒会長を目の前にして

興奮して!

 

委員長は、自分が生徒会長に、『会長は特に塾とか通ってないんですか?!私は〇〇の…』と自分から説明したことを思い出す。

 

委員長は言葉に詰まりながらも、カチッと片手で眼鏡をずり上げた。

「ぶ、文化祭の時までも一ノ瀬くんのことを好きでいたこと分かってます、人の心がそうも簡単にコロコロ変わっちゃ誰も本気だと思わ…」

委員長が話していると、リナ先輩が文句をかぶせてきた。

「えー、それを知っていてあの子を一ノ瀬くんに向かわせたの!?ひどいわ、私は……!」

 

「えっ?!あ、いや…!」

委員長がたじたじになる。

「私はあの時も今も本心なのに…」

 

リナ先輩は右手を軽く握って口元に持ってきたまま

「好きよ、薫くん」

と言った。

 

委員長の頭の中に、特大の稲妻が落ちた。

 

あれ…?!

そういえばこの状況…

俺告白されてる…わけ?

 

状況を理解した委員長の顔は、一気に赤くなる。委員長の表情を見たリナ先輩は、少しだけ不敵に笑った。

 

***

 

夜、委員長は自宅で一人、リナ先輩との会話を思い出していた。

 

何なのだ

一体あの人は

 

あんな軽い『好き』が

あってたまるか…!

 

しかも最後にちょっと笑ってた気がするし

 

委員長は床に座り込んだ。

 

『てことで今週末デートしよっか。え?遊園地?私も行きたい』

 慌てて思わず遊園地のことまで喋っちゃって

 

現実は

映画や漫画とは違う?

そのぐらいは分かっているさ!

 

でも

夢見て何が悪い

 

手が震えるほどの

本当の愛があると信じて…

 

委員長は、登校日に翼から打ち明けられた勇との恋の話、話しながら泣きそうになる顔を抑える翼の手の震えと、翼を見つめる勇の切なげな無表情を思い出していた。

 

委員長が考えていると、スマホに着信が入る。委員長の母親からだった。

「薫?家着いた?父さんは?」

出るなり要件を話し始めた。

「あー父さんも今日は帰れそうにないって…」

委員長が応える。

「そう、母さんは来週に戻るよ」

 

突然話題が変わる。

「この間のテストの結果はまだなの?」

「…多分来週あたり…」

委員長が応えた。

「今回は十位以内に入れるよね?母さんと父さんの出た大学目指すにはそれでも足りないから。もう二度とあんな恥ずかしい点数は見たくないわ。塾にも通わせてあげたし、今度は…」

母親が一方的にまくしたてる。

 

「大丈夫です。仮採点じゃいい点取れてましたから」

委員長が言うと、

「…そう?ならいいわ、じゃ遅いからもう切るね、お休み」

「母さんもお休みなさい」

「愛してるよ」

電話は切れてしまった。

 

上辺だけじゃない本当の愛があると信じて

何が悪い

 

委員長はしばらくスマホの、切れたトゥートゥーという音を聞いていた。が、ハッと我に返る。

 

とりあえず松本先輩のことは!

何とか振り切らないと!

 

***

 

遊園地まで

あと3

 

リナ先輩は、自分の部屋で鼻歌を歌いながら爪にピンクのマニュキアを塗っていた。

 

あと2

 

モブ男は、村上さんからあるメッセージを受信する。

『あのメンバーで遊園地とか絶対無理T^T助けろ!!』

モブ男は、

OK

と返信した。

 

あと1

 

翼は教室で大きな伸びをする。

 

勇は、男友達に囲まれて談笑していた。

 

そして…

D-DAY

 

勇は、スマホ片手に顔を上げると、目の前の翼に見入ってしまった。

「お、お待たせ」

と片手をあげた翼は、白いブラウスに青のミニスカート、そしてスニーカー。髪は緩く編込みにしていた。

 

隣の天童さんは、ピンクと青のトップスに、黒のタイトスカート、そしてスニーカ―。髪はハーフアップをお団子にして、腰まである後ろ髪はおろしていた。

 

二人ともに、しっかりメイクも施されていた。

ToBeContinued

カカオ79%【感想(ネタバレ有)】

結局、紆余曲折を経て、メンバーは10人になったようです。偶数になって良かったじゃないですか…って違うよね。とりあえず、この10人です。

翼→天童さんを元気づけるため

勇→翼とデート

天童さん→翼に誘われた

アリザワ先輩→人数合わせで翼に誘われた

橘君→天童さんへの気持ちを確かめるため

委員長→リナ先輩の件を元カレであるアリザワ先輩に相談するため

リナ先輩→委員長目当て

村上さん→人数合わせでリナ先輩に誘われた

天童さんのクラスメイト人数合わせで天童さんに誘われた

モブ男→村上さんが誘う

当日朝の時点で、翼や勇はモブ男が来ることを把握していないわけですが、翼は勇との恋仲をモブ男に知られたくないわけで、愛ちゃんのことを放置している今、こんな浮かれた格好で遊園地デートって、見られたくないだろうなーと思います。一波乱ありそうですね。

ただただ、恰好だけのことを言えば、遊園地デートで大正解ですね。なんだかんだ、天童さんも服やメイクアップ、髪のセットアップも翼に付き合ってくれましたね。もしかして、橘君がくると聞いて(言ったのか?!)張り切ったのでしょうか。

それにしても、蛍、グッジョブです。

蛍は、勇の妹ですが、勇以上にハイスペックです。勇も頭脳明晰、容姿端麗、スポーツ万能なキャラですが、蛍も、顔は勇に似て美人ですし、頭もいい、スポーツは分かりませんが、料理もできて服のセンスもよくて、恋愛の基礎知識的なものまで持ち合わせています。

それでも蛍の恋がうまくいっていないのは、相手が翼と同じくらい恋愛音痴そうだから…?

とにかく、翼のおかげで、ギクシャクしていた勇との関係が戻ってくれるといいなーと思いつつ、波乱が待っているとわかるこの状況。続きが気になりますね。。。

あ、この回の大半を占めていた委員長をスルーしてしまいそうでした。初めて委員長の家庭の状況が見えてきましたね。委員長は今まで、恋愛どころか、最近初めて友達と放課後にハンバーガーショップ行ったり、翼の家で勉強会をしたりを経験したようなキャラでしたが、家庭に理由があったんですね。しかも、成績のことはうるさいくせに、あまり帰ってこれないという放任加減…

翼や勇の家も、両親が多忙で、子供たちだけで過ごすことが多いようですが、それでも愛情はたっぷり注いでもらっていると自覚できるほどなので、本当に問題はなさそうですが、委員長の家は少し違いそうですね。この家庭環境がこの先のストーリーにどう影響してくるのでしょうか。

ちなみに、前回のテストは、勇が学年で1位、翼は48位、委員長は49位でしたね。

それにしても委員長は、翼の恋をそんな風に見ていたんだなーと。どうりで、時に熱く、時に優しく翼のことをサポートしてくれていると思っていたら、そこには、恋愛に対する憧れがあって、心底応援してあげたいと思ってくれていたのですね。素敵な友達です。

 

カカオ79%【ネタバレ/伏線回】

前回のテスト結果→『カカオ79%』31:再会(1)【あらすじ&感想】

モブ男には勇と付き合ったことを知られたくない→『カカオ79%』202:試験が終わったら【あらすじ&感想】

遊園地で波乱の予感→『カカオ79%』211:感謝と謝罪【あらすじ&感想】

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