『カカオ79％』201:前触れ【あらすじ＆感想】

web漫画/カカオ79％【あらすじ(ネタバレ)＆感想201話】～残り21％の甘さ～

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モブ男の変な夢を見た日の朝、翼が教室のドアを開けるとモブ男に遭遇した。反射的に翼は、ビクッとする。

「あ…」

側にいても何の役にも立ちやしなかっただろうけど！それ分かってるから逃げてるんでしょ！ハハハハハ

そう言った、昨日の夢のモブ男が浮かんだ。昨日の夢のせいで気まずいやつがもっと気まずくなっちまってる、と翼がモブ男～顔をそらしていると、モブ男が話しかけてきた。

「おはよう、綾野さん。テストの勉強できてる？」
「えっ」

フランクに話しかけてくるモブ男に翼は驚く。

な、何だ
こいつ急に？！

あの時以来…
写真を送りつけられた文化祭の時以来
話を交わしたことはなかったのに…？！

「いつまでじっとしてる気なの？！もう待ちくたびれたよ」
翼が考え込んでいるとモブ男が言った。
「そこから、ドアの前から。どいて、通れないじゃん」

翼は慌ててどくと、モブ男はスーッと通って行った。
「どうもありがとう～」

翼は、モブ男の後ろ姿を見送りながら、今の会話を意味深にとらえて考える。

こっちが先に動けってこと？！
勝手に写真送ってきたのはそっちだから説明してくれてもいいんじゃないの？！

いや、避けてる私も私だ

あいつは愛ちゃんと私達の何を、どこまでを知っているんだろう
そして名乗り出たにもかかわらず
反応のない私を…

どう思っているんだろう

＊＊＊

中間テスト１日目が終わった。翼は壁に手をついてため息をつく。

終わった
１日目から最悪だ

夢だけじゃ満足できなくて
実物まで私をいじめにくるなんて
おかげで全然集中できなかったよ

手放してるわけじゃない
愛ちゃんも
天童さんも

私はやるべきことを一つずつ…

翼が考えていると、
「大魔王！」
と呼ばれた。

翼が振り返ると、アリザワ先輩がいた。
「アリザワ先輩」

「よっ！テストお疲れーどうだった？」
アリザワ先輩はフランクに話しかけてくる。
「聞いてくれますね、先輩の方は…？」
「あ、うん、お互い聞かないでおこうか」

テストの話はそこそこに、アリザワ先輩は天童さんの話をする。

「え？天童さんのお父さんと話した？」
翼が聞き返す。
「そ！てんどっちーの買い物の後家まで荷物持ってってあげたけど、そこでばったり！会ってさ」
アリザワ先輩が説明した。

「娘がお世話に…」
「えっいえこちらこそ…！」
そんな雰囲気だったそうだ。

「思ったより普通の親って感じでうまくやってそうだったよ。ちょっと暗い雰囲気はあったけど」
「そ、そうですか」
翼が相槌を打つ。
「だから心配いらないと思うし」

そう言ってアリザワ先輩は片手をあげた。
「それじゃ伝えたから」

翼は驚く。
「それ教えるためだけにわざわざここへ…？」
「心配してそうでさ」
翼の目が輝く。
「先輩…」

その背後から、トイレから戻ってきた勇が、怖い顔で現れた。

本当はテストが終わったら皆で遊びに行こうと誘うつもりだったけどやめておくさ★

アリザワ先輩は本心は隠して帰って行った。
翼は思う。

そっか
本当にうまく
やっていけてるんだ

私の心配が余計なもんで
終わってくれるなら
いや、そうでなくちゃ

翼と勇は並んで帰る。楽しそうに話している翼の様子を、少し離れたところから天童さんが見ていた。

天童さんは最近の翼の様子を思い出していた。今までより翼が距離を作っているように感じていた。そしてそれは、天童さんが勇の腕にしがみついて以来だった、ように思った。

…あ
なるほど？
考えてみればあれからな気が…

天童さんは、翼と勇から視線をそらした。

＊＊＊

この時の私は
うまくやっていけてると思って
自信さえついたところだった

崩れるのは一瞬だとも知らずに

自分の中のぎこちなさは
オレンジヤロウと愛ちゃんのせいだと思い込んで

ToBeContinued

カカオ79%【感想(ネタバレ有)】

モブ男の台詞、『いつまでじっとしているの』『もう待ちくたびれた』は、愛ちゃんの写真と自分の名前のことを話してからの翼の行動を非難する意味と、本当にドアの前からどいて欲しいという意味の、読者にとってはダブルミーニングになっていますが、実際のモブ男もそういう意味で言っていたのでしょうか。それとも翼が気にしすぎ？？？

愛ちゃんが、実は勇ではなく翼のことが好きだったとわかった今、モブ男の存在、不気味です。モブ男が愛ちゃんを好きだったとしたら、翼はライバルになる…でも実際に愛ちゃんを傷つける発言をしたのは勇だったみたいで、それでもモブ男は、執拗に翼に絡む。勇にも、多少はつっかかるが、翼がセットだったり、翼がらみの内容だったりで、勇単独への突っかかりは少ないです。モブ男の気持ちが全然読めません。

天童さん、自分があれだけ翼のことを拒絶していたのに、いざ、望み通り距離を置かれるといい気はしない…難しいですね。でも、先生に相談したり、接し方はかわっても、天童さんへの翼の気持ちは変わっていない、ということが理解してくれる日が来てほしいのですが、悪い方向に進んでいきそうなモノローグで今週は終わってしまいました。