web漫画/カカオ79%【あらすじ(ネタバレ)&感想180話】~残り21%の甘さ~
バイトを終えた天童さんが、更衣室のロッカーに入れてあったスマホを見ると、橘君からの着信と、メッセージが入っていた。
バイトを終えた後少し会えないかな
話がしたい
天童のバイト先の裏口の方で待っています
メッセージにはそう書いてあった。天童さんは無表情でスマホの画面を見ていた。
***
バイトの制服から、着てきた学校の制服に着替えた天童さんが、裏口から出てきた。壁に寄りかかって天童さんを待ってた橘君が気がつく。
「お疲れ、ごめん、疲れてるところに」
橘君が天童さんに向き直って言った。
「体調はもう…大丈夫?」
橘君の問いに天童さんは答えなかった。少しだけ変な間が開く。
「用件は?」
天童さんが言う。
「え?」
橘君は少し驚いたように聞き返した。
「金のことならこれから振り込みする。借りたモノやもらったモノは今度返しに行く」
天童さんは一方的に言う。
「あ、いや、そうじゃなくて…」
橘君が何かを話そうとするが、天童さんは遮って、また一方的に話した。
「見てきたから知ってる。橘は告白を断ったやつらには徹底的に距離を置くということ。私にもそうするつもりだったんじゃないか?」
残酷で
優しい配慮
だから大事を取って
伺っていた気持ちは
思ったより喉あたりまで
溢れでてきていたようで
ほんの少しの衝撃でぼろりと
溢れてしまった
実はかなり後悔してる
気が早かったことも知っている
唯一の救いは
ちゃんとそれを零さないように
理性を保っている
橘の思いは
それまでのものだとわかったこと
天童さんは、体側に下した拳を握る。勇のことが、橘君と話す二人の光景が頭に浮かんだ。
隠す気もなく思いっきり吐き出しているヤツを間近で見ていながらも
感化されることはなかった
…感化されたのは自分の方か
「私が求めていたのは家族だと言っていたわりにはちゃんと、ちゃんと橘を男として見ている女として扱ってくれているようで嬉しかったのに」
天童さんはそらしていた顔を橘君に向けた。感情を表に出さない、無表情に近い顔をしていた。
天童さんの表情を見て、橘君は一度唾を飲み込み、そして話し出した。
「俺にとって天童はもうただの同級生じゃないんだ。助けるって約束したその日から天童は、友達で家族だった」
それは
特別ではなく
当たり前の感情
「は!養子にでもしてくれるつもりだった?!だとしても私の気持ちまで勝手に決めないで!私は…」
先ほどまで淡々と話していた天童さんが、少し大きな声になる。
「橘の特別になりたかった」
そう言った天童さんの目からは、すーっと涙が流れ落ちた。橘君は、天童さんを見つめたまま、何も言えない。
「家族面してそばに置いてもらうよりは、異性として距離置いてもらう方がいい」
天童さんは、踵を返して歩いてその場を離れて行った。
「てん…!」
橘君は声をかけようとしたが、天童さんはふりかえらなかった。
***
翼の部屋のベッドで、勇は暇そうに、あっちにゴロン、こっちにゴロンと転がっていた。そして
「お腹すいたー」
と翼に言う。
「お家に帰れ」
翼は即座に反応した。ちなみに今、蛍がご飯を炊いてくれているようだ。
「あー酷い~、あんな冷たい言葉聞いたら俺傷ついてもっと帰れない」
勇が駄々をこねる。
「何なのよあんた今日!話があるわけでもないしやることがあるわけでもないし、人のベッドの上でゴロゴロしてるだけじゃん!」
翼が言った。部屋にかざってあるkyoichiの特大のポスターが、ケンカするなーと言っているように二人を見ている。
「?お前こそどうしたよ、改まって。お互いいつもこんな感じだったじゃん」
勇の言葉に翼は少し赤くなる。
「そ、それはそうだけど…!せめて着替えてから来てたじゃん!」
こいつ…!
自分の部屋には夜勝手に来るなとか言ってたくせに…!
気になるんだよ、ずっと見られてるから…!
しかも人のベッドの上で!
くっそ
私もこんなかんじだったのか?!
こんな無神経な??
「あのさー」
「ん?」
勇がベッドから起きだして、翼に話しかける。
「お前のその…メル友さ…」
ピンポーン
勇が切り出した途端に、玄関のチャイムがなった。
「えっ誰だろ、こんな時間に」
ピンポン、ピンポーン
チャイムは連打されているみたいだ。
「うるさっ」
ToBeContinid
カカオ79%【感想(ネタバレ有)】
この日、橘くんはテニスのレッスンに行ったのでしょうか。それとも休んだのでしょうか。終わってから天童さんのバイト先へと向かったのでしょうか。もし、サボっていたとしたら、橘君が天童さんを優先させたってことになるのがいいなあと思っていたのですが、真相はわかりません。
バイト終わりの天童さんを待っていたのは橘君だったけど、前回バイトする天童さんの様子を見ていた不審者、おそらく天童さんのお父さん…も待っていた、とかじゃなくてよかったです。でも、このまま一人になったら、お父さんが接触してくることも考えられるし、橘君、このまま天童さんを追ってくれないかなと思ってしまいます。
こんなに女の子な顔ができる天童さん、橘君もその可愛さに気が付いて欲しいですね。特別な気持ちが芽生えて欲しいです。
タイトルの2番目の告白、というのは、2回目の告白ということでしょうか。1回目よりも、天童さんの言葉で伝えられている気がします。
さてさて、翼の家に来たのは誰でしょうか。天童さんだといいな、と思いますが、連打しそうなのは…天童さんですが、翼の家までたどり着けなさそうだし、アリザワ先輩、リナ先輩も連打はしそうですが家知らなさそうです。
案外、勇を呼びに来た蛍とかだったりして、とも思いましたが、そこで思わせぶりに『また来週』とはならないでしょうからきっと意外な人のはず…。
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