『カカオ79%』179:視線(3)【あらすじ&感想】

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web漫画/カカオ79%【あらすじ(ネタバレ)&感想179話】~残り21%の甘さ~

翼の部屋に入って、ガタンとカバンを置いたところで、勇がおもむろに話し始めた。
「実はさ、そのアリザワ先輩ヤンキー女の話をしてきたんだよ」
翼は驚いた表情をした。
「え?!あんたと??二人で?!」

本当は橘君も土井君も一緒だったが、勇は割愛した。
昨日天童と会ってたみたいでさ」
勇の言葉を聞いて、翼はアリザワ先輩から来ていたメールを思いだした。

!そういえば昨日集まろう的なメール来てたっけ

「どうやら事情は何となく把握しているみたいでヤンキー女のことも心配してた。橘とも親しげに見えたし、あの人いい話し相手になってくれるんじゃないかな、ヤンキー女の」
勇はベッドに腰かけながら言った。

「だからヤンキー女が一人で孤立しちゃわないか心配しなくていーんだよ、それが気になってあいつの周りウロウロしてたんだろ?それに…橘だって…これで縁切るとかはしないと思うし、できないと思うから」
勇は少しだけ下を向く。

「でも昔みたいな関係にはもう戻れないんだよ」
翼が言った。勇が翼の顔を見ると、翼は複雑そうな、苦しそうな顔をしていた。翼はぎゅっと拳を握る。
「戻れないじゃん」

押し隠せないほど大きくなった気持ちを
なかったことにするのがどれほど
お互いを傷つけることなのか

身にしみるほどわかっているから

人のことのように思えないから
ほっとけないのもあるのかも

「ありがとう、アリザワ先輩と話してくれて。先輩なら天童さんも気を許せる気がする。私なんか周りにいたってイライラさせるだけだったかもしれないけど…それでも何か感情を吐き出させた方がいいかなと思って…いや、本当は天童さんの気持ちよりこのまま終わるのが怖かった自分の勝手な…エコだったんだ」
「エゴな」
勇がすかさず訂正した。

「これで本当に天童さんと関わる言い訳はなくなってしまうかもしれないけど、一度アリザワ先輩に天童さんのことよろしくって話しておかないとだね、そういえば私たちの仲を気にかけてくれてたし」
翼は先ほど、天童さんに別れ際に言われた、さようなら、の言葉を思い出しながら言った。

勇は『アリザワ先輩』と翼が話そうとしていることに反応する。
「いや、別に?話す必要なくね?俺が説明しておいたし」
勇は両手で翼の両手を掴む。
「でもそれで直接天童さんに話をフッてくれるかどうかは…」
翼は勇の勢いに少し面食らう。
「いやいやするって!信じろ!あの出しゃばり先輩を!」
「それ悪口じゃ」

「そういうのはさ、誰かに言われてすることじゃねえんだよ、本当に相手のことが心配で心から慰めてあげたいという気持ちでいかないとな。特にあいつは…人の親切とかそういう自分に向けたプラス的な気持ちを、真っ直ぐには受け入れられないタチみたいだから、めんどくさいやつ」
勇は、翼の両手を握ったまま、ベッドに座りなおした。
「頼まれて慰めに来たやつなんか見破って蹴っ飛ばしちゃうかも?」

翼の目が見開いた。

何故だか知らないけどその瞬間
いつぞやの日のことが頭をよぎった

それは登校日、クラスメイトに殴りかかろうとする天童さんを目撃して、止めに行こうとした翼よりも、勇が先に飛び出していき、天童さんをとめた。勇は自分よりも天童さんのことを理解しているように見えたし、天童さんと勇は、自分よりも仲がいいようにも見えた。その後翼は、天童さんが勇に頼まれて自分と友達ごっこをしていたことを知ったのだった。

何だろ
この気持ち

翼が考えていると、その様子にきが付いた勇が
「…翼?」
と聞いた。

私は天童さんの何を見ていたんだろ
勇の方がもっとしっかり
天童さんをわかっているじゃない

…いや
勇はもともとこうだった

他人に興味はないくせに
鋭くて
面倒見がよくて

大事なところを見逃さない

そういうところを愛ちゃんは好きだったんじゃないかな

勇は、中1の頃、勇は日直をサボっていた生徒と一緒に、1週間日直の仕事をやり直した。それから、イツカが転校して、女友達が0になった翼を気にかけた。転校したばかりの、他人と距離を置こうとする愛ちゃんのことも気にかけていた。

天童さんだって
勇とは少し打ち解けてるように見えるし

上辺だけで
言葉だけの自分とは
大違いだ

フリーズしている翼に、勇は、あれ…?言い過ぎた?と翼の顔を見ていた。すると翼は突然、ぐいっと顔を近づけてきた。
「あっごめん…!あんたの言ったこと考えてたんだ。うん、少し落ち着かないとだな。あんたの言う通り、私は焦ってるんだと思う。『来るな』と言われて本当に行かなかったことで、そのまままた終わってしまうんじゃないかと怯えていたんだよ。私の気持ちじゃなくて、もっと相手の気持ちを考えないと…だよね」

そういうところ
羨ましいと思ったのかな
それとも悔しいと思ったのかな

胸がぎゅっとしたのは
まさかこの状況で
ヤキモチじゃないだろう

***

天童さんはバイト中、ハンバーガーショップのカウンターから店内を眺めた。

今日はずっと嫌な視線を感じるんだけど
まさかあいつ…
店の中まで忍び込んで覗いてんじゃないだろうな

天童さんは翼のことを思い浮かべた。が、それらしき人は店内にはいなかった。

店内の人影に紛れて、フードをかぶり無精ひげの男が、後ろを向いた天童さんのことをじっと見ていた

ToBeContinid

 

 

 

 

 

 

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