『片想いシュリンク』EP*03 不思議【あらすじ&感想】

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『片想いシュリンク』まさかの恋愛ファンタジー冒険譚

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『片想いシュリンク』EP*03 不思議【あらすじ】

翌朝の学校。教室で、虎之助と、虎之助の友人、みちるくんが話していた。
「えーすみれ先輩今日休みなの!?俺、毎朝すみれ先輩に、おはようみちるくんって言われるのをモチベーションに遅刻せずに学校来てるのにー!!」
みちるくんが残念がった。
「あはは、代わりに僕じゃダメ?」
虎之助が、のほほんとした笑顔で、すみれちゃんの真似をする。
「おはよー、ミチルくーん」
「いーよー」
みちるくんは、突然虎之助にがばあっと抱きつく。
「わーーーー」
と言いながら、虎之助はみちるくんの下で潰されていた。

教室の生徒達の視線が、虎之助とみちるくんに集まる。
「いいんだ…」
少し離れたところで、自分の席に座った虎之助の女の子の友達が、ぼそっと呟いた。

みちるくんは、虎之助を抱きしめながら、会話を続ける。
「てかとらのすけもなんか元気ないぞー?」
「へへ…僕のはただの寝不足―」
つぶされながら虎之助が答える。
「ミチルーみくもんつぶれちゃうー離してあげて!」
たまらず女の子が叫んだ。みくもんとは虎之助のことだ。

***

…あれから

色々と思いつくことを試してみたのですが…

結局…

すみれちゃんは、元の大きさに戻るために、色々ためしたのだ。昼間くしゃみをしていたからくしゃみをしてみたり、身体を冷やしたり暖めたり、嫌いなものを食べてみたり。

そしてすみれちゃんは、大好きなプリンを食べていた。スプーンには、手芸用のスプーンチャームを代用した。もっしょもっしょとプリンを食べながら、すみれちゃんが言う。
「普通のプリンがジャンボプリンになるのだけはこの身体の利点ね」
そんなすみれちゃんを見ながら、虎之助は少し笑いながら注意をする。
「食べすぎで身体悪くしないでね?」
「何言ってるの、とら!プリンは百薬の長なのよ!!」
反論するすみれちゃんに、虎之助は呆れた。
「それすみれちゃんだけだから…」

「だけど困ったね、おばあちゃんは今旅行中だし…」
虎之助のスマホに、さくらこおばあちゃんからLINEが届いた。美味しそうな食事とともに、おんせんなう、のメッセージが届いていた。
「え?!とら、まさかさくらこさんにこの事言ったの!?」
すみれちゃんは、虎之助のおばあちゃんのことを、昔からさくらこさんと呼んでいる。

「ううん、慌ててたしなにも…」
虎之助が否定するや否や、すみれちゃんが言う。
「お願い!こうなった理由も何だか分からないし、さくらこさんにも…誰にも…秘密にして欲しいの…」
「え…」
虎之助は少し困惑しているよう。

「家にはさくらこさんが留守でとらが心配だから今日は泊まるって伝えたわ!」
「早い!」
「それにさっきとらが助けてくれるって言ってくれたの…すごく嬉しかった……だから…」
すみれちゃんは両手を合わせながら、涙目になっている。

お願い、とら!

***

翌日の学校の授業集。虎之助は、ノートを取りながら、昨日のすみれちゃんとのやりとりを思い出していた。

だから僕、すみれちゃんの涙には弱いんだってば…

そして何やらずっと考え込んでいた。少し離れた席から、女の子の虎之助の友達が、その様子を見ていた。でも、彼女には虎之助が何を考え込んでいるのかはわからない。

学校行くように言われたけど…

すみれちゃんが心配で

全然集中できないや…

朝になってからやっと寝付いた様子のすみれちゃんは家に置いてきました。

 

***

 

虎之助が学校から帰ると、ドサリと本を小さいすみれちゃんの前に置いた。
「すみれちゃん、これで良いかな?」
「…お、おお…何だか大迫力…」
すみれちゃんは、大きく見える本に圧倒されていた。

「すみれちゃんが昼間リストアップしてメールで送ってくれた小人や身体が小さきなる関連の童話…僕も意識してなかったけど結構沢山あるんだねー」
虎之助はいっぱい借りてきたーと言いながら、まずは一冊手に取り開く。
「ファンタジーに助けを求めるのもおかしいかもしれないけど今の私も大概ファンタジーなことになってるしね…重かったでしょう、ありがとう」
すみれちゃんは、机の上で膝をついて虎之助に言う。

「あ、これすみれちゃんの好きだった白雪姫だね」
虎之助が緑の表紙の本を手に取る。すみれちゃんが、顔を赤くさせながら、小さな手で本を叩いた。
「めくってめくって、うん、このお話には小人が出てくるのよね」
そんなすみれちゃんの様子に、虎之助がふふっと笑う。
「すみれちゃんがこのお話何回も繰り返し読んでくれたから僕も内容暗記しちゃってるよ」

すみれちゃんは、きゃーっとテンションが上がっている。
「このラスト、王子様のキスで白雪姫が目覚めるところが昔から大好きなのよね!私にもいつか素敵な王子様が………が……が」
すみれちゃんがだんだんトーンダウンしてくる。あおいくんが告白したことを思いだしたのだ。すみれちゃんはぷるっと震えている。

虎之助は、ハッとして慌ててフォローを入れる。
「た…確かにアオイくんは王子様みたいにカッコいいもんね」
と言いながら、虎之助はフォローを間違えたことに気が付く。

ここはなぐさめるべき…?

「………格好いいだけじゃないもん…優しいし頭もいいもん」
涙目になりながらすみれちゃんが言った。
「う、うん!そうだよね」
虎之助はなるべく明るく言う。
「だけどちょっとドジでヌケてるところが可愛くて好きなの…」
とすみれちゃんは続けた。

「…うん」
本の横で泣いているすみれちゃんに虎之助は優しい目を向けた。

…なんだか

それって僕にとっての

すみれちゃんのことみたいだ…

「…僕はそんなすみれちゃんが好きだけどね」
すみれちゃんが顔を上げて虎之助を見る。
「…とら、ありがとう…私もとらが大好きよ」
すみれちゃんは言いながら、涙を拭いた。
「…すみれちゃん、これは覚えてる?」
虎之助は、すみれちゃんの頭に手を伸ばした。

…あの日、

パパとママに
本当はもっと構ってほしいと
泣き出した君に

泣き止んでほしくてかけたおまじない…

虎之助は、すみれちゃんのおでこにキスをした。

…どうか

この好きがいつか

伝わりますように…

と、その瞬間、ぶわっとすみれちゃんが来ていたリボンがほどけ、そして元の大きさに戻った。どたっと机から落ちて、裸で虎之助の上に覆いかぶさる体勢になる。

元に戻った!!?

To Be Continued

『片想いシュリンク』EP*03 不思議【感想】

おお、元に戻ったとな・・・よかったよかった、って解決してしまいましたね。身体が小さくなってしまう問題。原因はわかりませんでしたが。

小さくなった時もはだかんぼうでしたが、元の大きさに戻ってもはだかんぼうになってしまうのですね。はだかんぼうで虎之助に乗り上げるすみれちゃんは、なんだか迫力ありましたね。

学校でのすみれちゃんは、憧れの的、なのでしょうか。生徒会長ですし、成績よさそうですし、少なくとも虎之助の友達のミチルくんの心はがっつり掴んでいます。

同じく虎之助の友達で、メガネの女の子の名前はなんていうんでしょうか。虎之助のことが気になっているのかな、観察していましたね。

『片想いシュリンク』EP*03 不思議【タイトル考察】

この一連の出来事を端的な言葉で表すと「不思議」ですね。小さくなって、元に戻る・・・いったん、不思議な出来事に区切りがついたということでよいのでしょうか?

それにしても、友達との絡みを見ていても、虎之助の平和な感じも「不思議ちゃん」ですし、すみれちゃんの虎之助の前だけでみせる暴走癖も、十分「不思議ちゃん」ですよね。

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