web漫画/カカオ79%【あらすじ&感想96話】~残り21%の甘さ~
96:答え合わせ(1)
【あらすじ】
「へー、ここでバイトしてんのか。天童っていうやつ」
アリザワ先輩と翼は、ハンバーガーショップの前にいた。2人は店に入ろうとしている。
どうしてこうなってしまったんだろう。
***
1時間前。しつこく後をついてきたアリザワ先輩には、本当に用事があったらしい。1- E組の教室の前に来ると、先輩は扉を開けようとする。
「え?用事ってここ…?」
「そう、今日サボった奴の顔を拝めに。おーい、天童つってやついるか?」
翼は、天童さんも門制作に参加することを初めて知り、そして、登校日以来会っていない気まずさに、まだ心の準備ができていないと思い、
「あ、あの、私はこれで…」
と帰ろうとする。
しかし、アリザワ先輩が呼び止める。
「どこ行く?大魔王、用事は?」
「え?!それは先輩の方…」
と言う翼に、アリザワ先輩はにっこり笑って、翼に持っていたプリントを見せた。
翼がみると、そこには、「アリザワ、綾野、天童チーム」と書かれていた。
「まさか俺が本当に、大魔王の後をつけてただけだと思ってたのか?やれやれやれ。これから俺の用事がお前の用事で天童というやつの用事だ」
先輩は楽しそうに歌って踊り出した。
「SAY服従!SAY一心同体!レッツパーティーパーフェクトチームアリザワ!!ハハ!!」
始まってもない文化祭が、早く終わって欲しいと思った瞬間であった。
E組の生徒が廊下に出てきて、天童さんのこと言った。
「天童さんなら今日学校には来ていません。てか夏休みになって文化祭の打ち合わせ及び準備時間、すべてに不参加状態です」
***
屋上で、アリザワ先輩が叫んだ。
「ヌゥハアアア!!」
横には翼がいる。
「許せない…!学校行事をサボるとか、この学校の青春代表として許せねぇ!!」
アリザワ先輩は、E組の教室で、天童さんがいないことを聞くと、門制作に関するプリントを天童さんに渡してほしいと言った。しかし、クラスメートは、嫌みたいで、みんな、なんとなく目を逸した。そして、
「で、天童さんずっと来ないと思います」
と言われた。
「厄介なのを背負い込んちまったな。こういうやる気のねぇ奴はなくもがな、同じクラスの奴らもどうしょうもないからこっち押し付けといたんだろう」
アリザワ先輩はため息をついた。
翼は、登校日の日に、天童さんがクラスメイトと揉めていたことを思い出した。
「…あのお、天童さんのバイト先を一ヶ所、知っています…が…」
とアリザワ先輩に、翼が言った。
で、今、アリザワ先輩と翼は、ハンバーガーショップの前にいたのだ。何とか少しでも学校に来てもらえないか説得してみよう。バイトで忙しいのはわかるけど、あれじゃあ天童さんクラスでいづらくなる。と、翼は、店に入る前に考えていた。
実を言うと翼は、昨日の勇とのことがあったので、家にはあまり帰りたくない気持ちもあったのだ。
よし、いざいかん!
翼は震える左手で、自動ドアを押そうとするが、いろんな葛藤でなかなか押せない。
「悪いけど友達だと思ったこと1度もない」
天童さんと会うのは登校日にそう言われて以来だ。
逃げたい、と思いながら、左手を震わせていると、横でアリザワ先輩が、ホイッと扉を開けてしまう。
パニックになりながらも、翼が覚悟を決めて、店内へ。
店内にはなんと勇がいた。カウンターの向こうには、天童さんもいる。
翼は、勇と天童さんと目が合い、店内に入ることができず、そのまま自動扉は閉まった。
店内に入ったアリザワ先輩は、翼が入る前にドアが閉まってしまったので、
あれ?大魔王?!
と驚いている。
翼は、ドアの外で、逃げたい、と本気で思った。
店内では橘君が勇に、
「今の綾野さん?」
と聞いた。
***
もう一回、1時間前。
ベンチに座って、勇、モブ男、委員長、橘君が話し合っている。勇が、ロミオとジュリエットの本を手に言った。
「もうさ、そんなにキスシーンを入れてぇんなら、この原作に従って、 ロミオとジュリエットでやるよ。いっそのことそっちをやる」
その言葉に、ジュリエット役の委員長が赤面しながら、
「クラスのためなら…」
と言い、勇は、そんな委員長に対して怒った。
「何頰染めてんだよ、テメェふざけんなよ!!」
モブ男は、
「ねーねー両方やろう!!どっちもやろう!!」
と言った。
そして、真面目なトーンで話し始めた。
「俺たちが今本当に話し合うべき話はそこじゃないだろう?一ノ瀬くん。綾野さんとのファーストキスはいつ…」
と言ったモブ男に、ドパンとロミオとジュリエットの本が顔面に飛んできた。
「テメェがふざけんなよ。顔の輪郭ずらすぞ」
勇だ。
「ふざけてないもん!これが本題でしょ!ちゃんと2人の事情や今の状況説明してみろよ!本当は公私をわきまえて、個人の事情なんか気にせず、決まった通りやらないといけないもんなんだけど、このパリス役は、俺が勝手に追加して作り出したもんだから、2人の事情聞いて修正してやっても良いとのことで。さぁ!俺に説明してみろ!俺を説得してみろ!」
なぜかモブ男はご機嫌に言い放つ。
勇は言葉を失っていた。
「でも、その前にお腹すいたなぁ」
と言うわけで、4人は天童さんのバイトするハンバーガーショップに来た。
店は、新商品が出たとかで、橘君が選んだ。そして、後から、翼たちが来た、と言うわけだ。
どうしてこうなってしまったんだろう。
【感想】
先輩と一緒だと翼がなんだか可愛く見えます。表情もコロコロ変わって、テンションも、泣いていても元気でも高いことが多いですよね。気をつかっていると言うのもあると思いますが、先輩の明るさのせいでしょうか。勇と一緒の時は、勇が暗いというか、一緒にいることが自然すぎて。先輩と一緒にいる翼が、新鮮にうつります。
翼がぼーっとしていたので分かりませんが、どのような経緯で、アリザワ先輩と、翼と天童さんの3人が同じチームになったのでしょうか。実行委員長と余り物2人とかでしょうか。
それにしても、翼と天童さん、登校日に絶縁宣言(?)されたけど、まだまだ縁があるようでほっとしました。それからちゃんと関係の修復はできるのかな。
そして、天童さんがバイトするハンバーガーショップ。家に帰りたくないと言いつつ、まさかの勇と鉢合わせしちゃいましたね。勇、先輩やきもち焼いたりするのでしょうか。しかも、モブ男に橘君に天童さん。翼と勇と、アリザワ先輩、まさに役者は揃ったと言う感じです。
天童さんがいるハンバーガーショップで、勇気を出して入ろうとしたら、手前に勇がいて、自動ドア扉がそのまま閉まってしまうところは、声を出して笑いました。アリザワ先輩の反応も面白かったです。
あと文化祭実行委員長=青春代表と言う言い回しが好きです。
委員長はとにかく可愛くて仕方がないですよね。
【ネタバレ/伏線回収班】
・アリザワ先輩と翼と天童さんが同チーム
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