web漫画/カカオ79%【あらすじ&感想83話】~残り21%の甘さ~
83:涙が出るほど辛い思い出がありました(3)
【あらすじ】
旅館の廊下で偶然(?)鉢合わせした勇と翼。翼がぎこちなくも平静を装いながら、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだと心の中で言い聞かせながら、言う。
「や、やあ!こんなところで出会うなんて偶然…」
そんな翼を勇は正面から抱きしめた。
何度も触れ合っていたぬくもりが
殴って返してしまえばいいはずの距離が
そう単純なものではなくなってしまうことは
喜ぶべきか、悲しむべきか
その時、廊下の向こうから、大浴場へ向かう人たちの声がしてきたので、翼は慌てて、勇の体をパッと引き離すと、手を引っ張って、人気のない場所へと連れてきた。
そして話し始めた。
「ごめん、話の途中だったのに急に泣いたり飛び出ちゃって…!しかも委員長たちに何か変な誤解されたみたいで…あんたの言った通り、愛ちゃんの夢を見たんだ。そんな昔の話でもないのに懐かしくてつい…涙が…じゃなくて…
あんたがあんたと愛ちゃんのことが全部自分の勘違いだったなら…どうしようとずっと…怖かったんだ。でも……今度はじゃあ勘違いじゃなかったらと思うと…」
翼はうまく話せなくなっていく。
「…何一つしっかりできない自分が嫌になる」
翼は震える手で自分の顔を触ろうとする。
最悪だ、ズウズウしい、失望される
勇はそんな翼の手をとって、自分の顔に近づけた。
「ごめん、勝手に触れるのはこれで本当に最後にする。失礼しますって言って欲しいなら言っちゃうから」
翼は、酔っ払っていた時に言ったので、触る時の失礼します、はよくわからない。
夏目に兄弟はいなかった
顔が似ているわけでもない
そもそも本当に関係があるのか?
そんな偶然ってある?
勇はモブ男と愛ちゃんのことを考える。俺らが転入してきた日の出来事でクラスの全員面白がってやつのことをモブ男呼ばわりしていたわけで…
つかそんな珍しい苗字でもないし
このタイミングで俺の耳に入ってきた理由は
…警告?
愛ちゃんの事、どうやって言い出すつもりだ?
どこからどこまで説明するつもりだった?
これじゃ昔と変わらないままだ
翼は勇に手をとられてあわあわ戸惑っていた。
それでもこの状況で俺は
うれしいと思うなんて
本当に図々しいんだなとつくづく思う。
勇はそんな翼の手を、自分の口元に持っていき、キスをする。翼は、そのあまりの勇のセクシーさに、翼の中の火山は大爆発。顔が真っ赤になった。
***
結局勇との会話は、人目が多くなったので、それ以上が進まなかった。そして接点のないまま帰りのバスは、翼と勇は隣同士に座っていた。勇は、翼の隣で爆睡していた。
何気なくずり落ちた勇の手が、翼の手の甲にトンと触れた。翼は先ほど手に口づけされた時のことを思い出す。爆睡する勇の横で、翼が1人で赤面する。
意識しないようにするのはもう無理
握っちゃうのはなおさら無理
どうしたらいいのだか
当たってるところが熱い、いや、意識しすぎ、意識しすぎ…と翼はドキドキしていた。翼は、勇と愛ちゃんがキスをしていたところを思い出す。
ちゃんと会話しよう
そうすると自分がこの手をどうしたいのか
どうすればいいのかはっきりできると思う
思い出すと辛いからって閉じ込めておくだけの過去はただの後悔
どうすれば全部包んで前へ進めるの?
***
蛍は、自宅でゴロゴロしながら、スマホ画面を眺めていた。空とのLINEのトーク画面は、蛍の一方的な問いかけで終わっていた。
『この前はごめん』
『空ちゃんまだ日本?』
『もしもし』
『空ちゃん生きてる?』
蛍が突然起き上がって、独り言を叫んだ。
「なんで空ちゃん何の連絡もないのよ!?せめて既読つけてよ!!」
そう言った途端に、蛍のスマホに着信があったので、蛍は驚いて布団の上にスマホを投げてしまう。
空から電話がかかってきた
To Be Continued
【感想】
翼がどんどん恋する乙女になっていきます。勇のことを男として意識するようになってきましたね。勇の色気にも気がついてきてみたいです(笑)
むしろ、今度は勇にブレーキがかかってしまったようです。昨夜眠れなかっただろうから、バスの中でも爆睡してました。それでも、2人がバスの中で普通に隣に座ることになっててほっとしました。
翼が大浴場の前に置きっぱなしにしていたお菓子の山は、まさかの委員長が拾っていました。個人的にはとてもツボでした(笑)
【ネタバレ/伏線回収班】
勇は愛ちゃんの件をまだ翼に話せていない
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