『カカオ79%』81:涙が出るほど辛い思い出がありました(1)【あらすじ&感想】

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web漫画/カカオ79%【あらすじ&感想81話】~残り21%の甘さ~

81:涙が出るほど辛い思い出がありました(1)

【あらすじ】

旅館の廊下をモブ男と委員長、そして橘君が歩いている。勇と翼を起こしにいくのだ。

3人が、2人が寝ている部屋の前まで来た時に、その部屋の扉がガタンと開いた。3人が注意を向けると、ドアから翼が出てきた。顔を上げた翼は泣いていた。

3人が驚いていると、翼の後ろから勇が追って出てきた。
「おい!ちょっと待って翼…!話を…?!」
と言ったところで、3人と鉢合わせした。

何か疑いの目を向けてくる3人に、勇は弁明を始めなくてはならなかった。
「いやこれは…ちょっとわけがあって…いや…違うからな?!」
言っているうちに、翼は廊下を走って遠ざかって行ってしまう。

勝手に涙が出た。

翼も焦っていた。

混乱もしていた。

あああああ最悪じゃあああ

しかも逃げ出してしまったああ

泣き顔を見た勇は、すごく困った顔をしていた。しかも、モブ男と委員長と橘君にも見られた。目を逸らさずに向き合うって言ったくせに…

全てが自分の勘違いだったかもしれない

そんなことよりも勇の口から愛ちゃんの名前が出てきた瞬間

勝手に涙が出たんだ

なんだこれ。

私ってここまで自分本位な人間?!

これってつまり…

走りながら、翼は考えていた。そして、角のところで、勢いよく誰かとぶつかる。

橘君だ。

ものすごく息を切らしていた。翼を追って先回りしてきたのだ。
「やっぱ足早いね。すげー走ったよ」
「泣いてたように見えて追っかけたけど、きて正解…だっのかな?」
慌てて涙を拭く翼に、橘君は、怖い顔でニコッとしながら、
「まさか一ノ瀬に何かされたとか…」
と、勇のことを、顔が完全に疑っていた。

翼はブンブン顔を横にふる。
「…だよね。そんなことする人じゃないよね、一ノ瀬は」
「追いかけてきたのが一ノ瀬じゃなくて残念?彼ならちゃんと追いかけようとしてたよ。ちょっと足止めされてるだけだから」

***

実は勇は、色めき立つモブ男と委員長に足止めされていた。
「何?!何やらかした?!どこまでやった?!」
とモブ男。
「一ノ瀬君!見損ないました!なんて破廉恥な」
と委員長。
「何もやってねぇよ!離せぇぇ!」
と勇。

***

翼は顔を赤くしながら、橘君に謝る。
「ごめん…今いろんな理由で自分のしたことが恥ずかしくて…」
「あははは、ちょっと散歩にでも行く?」
と橘君は翼を外に誘うが、外が思いの外強風で寒かったので、やっぱりロビーのソファーで話すことにした。

「はい、どーぞ」
ロビーで翼と橘君が座って、橘君は翼に缶入りのホットのお茶を手渡す。
「ありがと」
翼と橘君は、テニスの話を始める。

再会した時も、今も、翼は橘君のことを覚えておらず、思い出せてもいなかった。
「…自分で思い出せないように閉じ込めてるのかもしれない。テニスに関連する記憶は」
謝りながら翼が言った。

「…怪我でやめることになったんだよね」
橘君が水を向けると、翼は話し出す。
「違う。自分が、自分の弱さに負けて逃げたんだ。怪我はきっかけに過ぎない。兄ちゃんと違って才能のない自分と向き合うのが怖くて…」
「だから橘君の話を聞いた時には…は、恥ずかしくて…今の自分を知ったら呆れるんだろうなと思って…ごめんなさい…騙して」
謝る翼に橘君は優しく言う。
「怪我の経緯とか他のことももっと話してくれない?全部聞いたら、今度は俺が、『めっちゃ頑張ったね』と言ってあげたいな

その言葉に翼はますます泣いてしまう。
「や、やめろぉぉ、これ以上泣かさないでぇ」
「いいよ、全部一ノ瀬のせいにしとくから」

***

その頃勇は、翼と橘君の背後で、ガラスを挟んだ外にいた。2人に近付きたくて、ガラスにへばりついている。
「おい!あいつ何で泣いてんだ?!泣いてんだろ?!」
「泣かせた張本人が何を言うんですか」
後ろには委員長もいて、冷静に言う。モブ男もいる。
「いやあれは、どう見ても橘が改めて流してんだろうよ!!てか離せこのクソどもが」

委員長は、真剣に勇に話す。
「なら、なおさら今は行くべきではないと思いますが。2人の会話の邪魔になるだけです。てか行かせません。我が友人に何をやらかしてくれたんですか?!」
「だから何もやってねぇって!!話をしてただけで…!」
モブ男は、やれやれといった表情で近くにいるだけである。

勇はさらに弁明を続けた。
「…まあ思い出したら辛くなる話ではあるけど…ちゃんと説明する前に逃げられて…」
それを聞いた委員長の目が光る。
「まさか過去の女の話をされたわけじゃないんですよね」
「そんなんじゃねぇよ、ただの……ただの…あれ?そうなる?」

勇がだんだん冷静になってくる。

委員長が顔を歪めて、最低ですね、と言った。

「いや、でも、そんなんで泣かねーだろうよ」
「バカですか?気のある男性に他の女の話をされて嬉しい女性なんて世の中にはいませんよ」
委員長は、勇について、翼から一番話を聞いてきた友達だ。
「それは理解しているつもりだけど、翼だぞ?ゴリラだぞ?」
ピンときていない勇に、委員長はもう一度言う。
「最低ですね」

勇は、橘君と話をする翼を見た。
「え?いや、まさか…」
と言いながら、顔を赤らめて、壁にもたれかかった。

今まで静観していたモブ男が、ため息混じりに呟いた。
「…図々しいにもほどがあるわ」

to Be Continued

【感想】

橘君、超優しいですね。翼の行動や、心の動きを先読みして声をかけてくれます。それに翼も、橘君と一緒だと素直ですね。

勇の前から泣きながら逃げた時は、まさか、こんなに大パニックの精神状態で逃げているとは思っていませんでした。

そして、この回のMVPはなんといっても委員長です。翼とたくさん恋バナをしてきただけありますね。勇を叱ってくれたことも、よかったです。表情とかも可愛いですし(笑)、男子ですが、翼にとって、素敵な友人ができましたね。そして、委員長に言われて、照れる勇もかわいい。

モブ男の正体がわかりそうでわからない。イライラしていたぶってるだけ???あまりからんでほしくないです。。。

【ネタバレ/伏線回収班】

翼は、勇が愛ちゃんのことを説明する前に逃げた
モブ男「図々しいにもほどがあるわ」

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