web漫画/カカオ79%【あらすじ&感想80話】~残り21%の甘さ~
80:何で
【あらすじ】
翼が目を覚ますと、目の前に勇の寝顔があった。
「ん?」
驚いて目を見開くと、勇がゆっくりと目を開けた。
翼は勇に腕枕されており、翼も自分の手足を勇にからませていた。そして今まで眠りながら泣いていたようだ。
「んんん???!?!」
「え…えー…?!キィヤオォー」
翼は自分の状況を把握すると、奇声をあげながら、背後へコロコロと転がって行き、ゴンと大きな音を立てて、壁にぶつかった。
何か言おうとするが言葉にならない。
勇は、だるそうに体を起こした。
「…いっとくけどお前が離してくれなくて後だったわけで、俺は指一本触れてねぇからな」
「よ、夜?とこよここ、何で私とあんただけ…」
翼は混乱していた。
「どこまで覚えてんだ」
と言う勇の言葉に、翼が思い出していく。
「…確か…ここは立花くんの旅館で…そこで橘くんの叔父さんに出会って…探し物……お水を飲んで…?」
間違えて、お酒を飲んだ。
「その後は?その後俺に言った言葉覚えてる?」
真顔の勇に行ってキョトンとしている翼。
「…そのあと言った言葉?」
勇は、愛ちゃんとちゅーしてんの見た…といった翼の言葉を思い出していた。
しかし、翼は、何か…言った…っけ?覚えていないようだ。その勇の表情を見て、翼は勇の名前を呼んだ。
「わ、私何か変なこと言った?」
と言いながら、のそのそと勇に近づいてきた。
「…なんで泣いてた?悪い夢でも見たか?」
勇か言う。
「え?あ、いや…夢…は夢だけど悪い夢じゃなくて、えーと懐かしい夢を…」
しどろもどろで説明する翼に勇は
「夏目…の夢とか」
と言った。
一瞬ぎくっとする翼だが、そして、戸惑いながらごまかす。
「い、嫌だあ〜私寝言でも言ってたのかな、あはははは」
「…ごめん」
勇が突然謝った。
「…はい?何が…?」
「…いつも俺は自分の気持ちに夢中で、お前がどんな思いをしているかはそっちのけで…」
自分の怒りをぶつけただけの結果が
翼を苦しめて
傍観していた罰が…
呪いが…
後悔が…
結局過去にとらわれていたのは自分の方だったわけだ。
「あのときから何も成長してねぇな俺は…」
翼は、実は起きてからずっと状況が把握できておらず、よくわかっていない。勇は、翼の手に自分の手を絡ませながら言った。
「聞きたいこととか、問い詰めたいことがあれば全部言って。全部説明するから」
と言いながら、勇は翼の顔を覗き込んだ。
「他にも言いたいこととか…」
翼は、勇の顔の近さもあって、顔を赤くして、絡ませられた指を折る。
「べ、べ、べ、別に、ねーよー何も言うこと」
すると勇子翼の指を、今度は反対におりながら、文句を言う。
「俺に言いたいことが何もねーだと?酔っ払い出した途端に僕を言い出したのはどこのどの口だあ?!」
「だ、だから覚えてないって…!急にそんなこと言われても…!」
「夏目のことで聞きたい事は?」
翼の心がドクンとなった。
「…前、夏目の事忘れて考えてくれと言ったけど、…無理なこと言ってた。本当は中学の時にちゃんといっとくべきだったのに…」
「…俺、夏目のこと」
そういった瞬間、いつかの快便ドリンクのときのように、翼は勇の口を自分の手でふさいだ。
「え?!いや、なんで止め…」
と勇が言いながら翼を見ると、翼の両方の目から涙が流出しているから、勇は何も言えなくなる。
「…なん…で泣く?」
ごめん…なさいととりあえず謝ってみる。
***
旅館の廊下をあくびをしながら、委員長と橘君、そしてモブ男が歩いていた。橘君が誘ったらしい。
「他の子たちが起きる前に起こしたほうがいいかなと思って」
「だからってこんな大勢に行く必要ある?」
時間は4時半だった。
「万が一のため…」
と言う橘君に、モブ男は眠そうに答える。
「何よ、万が一って」
3人が、翼と勇が寝ている部屋の前まで来たときに、その部屋の扉がガタンと開いた。3人が注意を向けると、ドアから翼が出てきた。
顔を上げた翼は泣いていた。3人はびっくりした。
To Be Continued
【感想】
ついについに、高校生に戻ってきました。不満ではありませんでしたが、結構過去編が長かったので、そして、想像以上に壮絶だったので、旅館の布団の心に戻ってきて、なんだかほっとしました。
一緒の布団で寝ていて、勇は翼に自分からは指本触れていないと言っていましたが、よく見ると上とか触っていましたよ。翼には内緒ですが。まぁ、翼が勝手に、酔っ払ってひっついていたくせに、ひどい反応ではありますが…。
翼、大事な話のところでまた、勇之口を塞いじゃいました。そして逃げてしまいました。挙句の果てに、委員長、橘君、モブ男に遭遇してしまいました。勇がなんとも哀れです。
【ネタバレ/伏線回収班】
翼は結局、愛ちゃんと勇の関係を聞けていない
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