『カカオ79％』75：夏の音と風の匂い（10）ー告白ー【あらすじ＆感想】

カカオ79%

2018.06.12 2018.01.09

web漫画/カカオ79％【あらすじ＆感想75話】～残り21％の甘さ～
75：夏の音と風の匂い（10）ー告白ー

web漫画/カカオ79％【あらすじ＆感想75話】～残り21％の甘さ～

75：夏の音と風の匂い（10）ー告白ー

【あらすじ】

私に何か話すことない？
と聞いた翼に、勇は優しく笑って答えた。
「あったな。今日お前に勝ったら話すつもりのやつ」

ずっと伝えたかった言葉

とかほざいて、結局勇は何も話してくれなかった。

勇と翼と愛ちゃんは、何事もなかったように、3人でつるんでいた。

いや、おかしいだろう

なんで普通に何もなかったかのように3人行動!?

どっちでもいいから説明求む!!

と翼は少し混乱していた。

＊＊＊

図書室で、翼と愛ちゃんも2人でテスト勉強していた時に、翼から聞くと、
「付き合ってないよ」
と言う答えが愛ちゃんから返ってきた。戸惑いながらも、少しほっとした顔をする翼。
「…私急ぐつもりないよ。前に言ったでしょ?いちど意識しちゃったらもう友達には戻れないってだから私頑張るって」
「ごめん、私のせいで3人でいるのができなくなったら……でももしそうなっても綾ちゃんはまた友達に…なってくれる?」
少しうつむきながら愛ちゃんが言った。

翼は即座に形と立ち上がりながら答える。
「いや！大丈夫だから！！私がなんとかしてでも　二人がうまくいくようにする！だからそんなこと言わないで！」
愛ちゃんは、そんな翼を見上げて、そして嬉しそうにうなづいた。

頑張っている彼女を応援したい気持ちに混じって、

このまま何も変わらないで欲しいと思う気持ちがあるなんて

ああ誰に言えないブッサイクな心だ

＊＊＊

クラスの男子たちが愛ちゃんの噂をしていた。愛ちゃんを狙っているが、勇相手では勝てない、と。2人きりじゃなくて、翼も一緒に図書館で勉強している、と。
「あの３人、意外な組み合わせだよな」
「小林の代わりというのは何だけど、俺は中島がそのポディションになるのかと思ったよ」
そして話は、いつのまにか中島の話題になっていた。
「あぁ！わかる！すげーアピってたな、あいつ」
「なんていうか中島って目立ちたがりっていうか、派手なやつ好きな女王様みたいな・・・」
と言っている時に、男子達はタイミング悪く、中島に遭遇してしまい震え上がった。
「女王様みたいな何？」
「もっと言ってみたら？」

＊＊＊

中島とよく一緒にいる、以前勇に振られたという女子が職員室の前で、先生たちのうわさ話を立ち聞きしていた。愛ちゃんの両親の不倫の噂だ。

変わらないで欲しいと思うほど

気付かない間に変わっていくもの

それは密かに思いもしなかったとても深いところから

崩れて行く

＊＊＊

学校の先生が話す、不審者に気をつけるなどの冬休みの注意を聞いたら、冬休み。終業式の日、勇と翼と愛ちゃんの3人は、一緒に帰っていた。

降り積もった雪に翼はマフラーを落とすほど大はしゃぎ。マフラーは愛ちゃんが拾ってくれた。
「愛ちゃんはクリスマスは何するの？」
「ん・・・別に何も・・・家で過ごすと思うけど・・・そっか家にいると私邪魔かな」
と、不倫とはいえ新婚の両親のことを気遣う。愛ちゃんの家庭の事情を全て知っている翼と勇は、一瞬言葉を失うが、翼が愛ちゃんを誘った。
「よかったら一緒に駅前の巨体ツリー見に行かない？その後家でパーティー！するの！」
「・・・ちなみにこいつ誕生日な」
と勇も補足する。

クリスマスの約束をして、同じ方向の翼と勇、愛ちゃんは別れた。2人と別れてから、愛ちゃんは、手に翼のマフラーを持ちっぱなしだったことに気がついた。翼と勇は2人になってからも、じゃれ合いながら帰る。

翼は勇の顔面に雪玉をぶつけては、
「私だけ手袋してるから雪合戦しようよ」
「素手の底力を見せてやろう」
と全力で雪玉を投げ合った。

「勇見て！」
公園に差しかかり、翼が突然足を止めた。
「真っ白!」
雪が降ってからまだ誰も入っていない公園。翼がはしゃいだ笑顔で足跡をつけ始める。勇はそんな翼を優しく見ている。

ずっと伝えたかった言葉。
「翼」
勇は震える手に拳を握りしめた。

精一杯の勇気と覚悟を込めて

この愛しさで溢れる気持ちを切りに

「…俺ずっと前から…お前の事…」

どこかで翼のマフラーがなびいていた。

to Be Continued