『カカオ79%』74:夏の音と風の匂い(9)【あらすじ&感想】

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web漫画/カカオ79%【あらすじ&感想74話】~残り21%の甘さ~

74:夏の風と音と匂い(8)

【あらすじ】

勇から挑んだテニス勝負は、笑顔で翼の勝ち。勇の負け。
「クッソ…今なら勝てると思ったのに…」
翼は聞き捨てならないと、勇の方を向いて言い返す。
「…何それ?さっきから「今なら」とかどういう意味?てか何でいきなりこうなったわけ?」

「…お前は相変わらずテニスサボりまくってるし、その間俺はちょっと頑張ってみたから、勝てるんじゃねぇかと思っただけー…なんですが」
「ざけんなよ。たかが数ヶ月頑張ったくらいで追い抜かれるほどのもんじゃねぇよ。私が何年やってきたと思ってんだ?
2人の不穏な空気に周りのギャラリーたちがざわつく。

勇は構わず言い続けた。
「だろうな。何年も好きでやってきたはずなのに、ちょっとばかりキツイこと言われたぐらいで怠るとか、なめられても仕方ないんしゃない?」
翼の目を見て言った。
「っ…何も知らないくせに…!」
「あぁ、しらねぇよ。他に悩んでることとかあるかもしれねーけど、俺は頑張ってるお前がかっこいいと思っていたから、少々ガッカリだよ

***

制服に着替えた翼は、校舎の影にちょこんと座っていた。泣きそうになりながら、先程勇に言われたことを考えていた。

当たり前のようにやってきたから

本当に楽しくやってるのか

自分でもわからなくなってきた

と、自分に言い訳を聞かせていたんだと思う。

きっと楽しくやってきたんだ、じゃないとこんなに続けてできるわけがない。

現実に気がついて、認めるのが怖いだけなんだ

翼は勇を思う。

でもあいつ、言い過ぎだろ、泣いてやろうか、と。

愛ちゃんは、翼を探して校内をうろうろしていた。考え事をしている翼の後ろ姿を見つけて、声をかけようとする愛ちゃんを、後ろから来た蛍が、愛ちゃんの腕を掴んで止めた。

「ああいう時にはね、ほっとくのが一番なんです〜、実際翼ちゃん、最近たるんでばかりだし、いい刺激になったんじゃないかと思いますよ」
落ちてくる銀杏の葉っぱを拾いながら、蛍が言った。
「でも、仲直りはした方がいいんしゃないかな…」
「それなら多分勇にぃが我慢できずに先になんとかすると思うんで〜」
「自分のためにあんなこと言ってくれたと翼ちゃんもきっと知ってるはずです。このぐらいは喧嘩とも言えないんで心配しなくてもいいです」

蛍の話は続く。
「それより気になるのがね!勇にぃが翼ちゃんにあそこまでテニスで勝とうとしたの初めてなんで、もしかして自分が勝ったら告るつもりだったとか!

帰り、翼は勇の正面に立って、無表情で話しをした。
「ごめん、私、テニス大好き。頑張る。ありがとう」
「こっちこそ悪かったよ、ひどいこと言って」
そう言うと、勇は翼の頭を撫でた。

翼は撫でられながら、全く別のことを考えていた。こんなに甘えるのもこれきりにしないとな…こいつにも彼女ができたわけだし…と。
「そういえば愛ちゃんは?」
「え?あ…先に帰るって…言ってたような…」
勇はさらりと嘘をついた。

「ねぇ、私に話すことない?」

付き合ってんの?

おめでとうなの?

と思っている翼に、勇は優しく笑って答えた。

「あったな。今日お前に勝ったら話すつもりのやつ」

To Be Continued

【感想】

翼にここまで踏み込んで接してくれるのは、勇しかいなかったと思います。そしてあんなに自然に頭をなでれてしまう距離にいるのに、恋愛の関係でないもどかしさも同時に感じてしまいました。

蛍と翼が同じ制服を着て同じ学校に通っているのも、新鮮でいいですね。蛍は鋭いですし、勇が告白しようとしているところまでは見抜いていましたが、さすがに愛ちゃんの気持ちにまでは気がついていなかったのでしょうか?
愛ちゃんにおいうちをかけてしまいましたね。

最後の勇の一言で、翼に告白するフラグが立ったように思ったのですが、ここから高校生の現在までどうつながっていくのでしょうか。

【ネタバレ/伏線回収班】

 

・勇は翼に話すことがある
・翼は、勇と愛ちゃんの関係を完全に勘違い中

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