『カカオ79%』69:夏の風と音の匂い(4)【あらすじ&感想】

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web漫画/カカオ79%【あらすじ&感想67話】~残り21%の甘さ~

 

69:夏の風と音の匂い(4)

【あらすじ】

同じ学年の女子2人が、勇の噂を話している。学年1のテストの成績、整った顔でかっこいい、と。でも、何か冷たいイメージがある、と話す女子に、もう1人の女子がそんなことない、と否定する。その子が勇と1年生の頃同じクラスだったときのエピソードを話した。

***

クラスに日直をサボる女の子がいて、クラスの雰囲気が微妙になっていたことがあった。その時、勇がそのサボる子とペアになった。すると勇も全く日直の仕事やらなくて、さすがに先生にばれた。

先生はその子に、今までサボってきたことを叱り、1週間1人で日直をやるよう命じた。勇には、委員長の仕事で忙しいだろうから、1日1人でのやり直しを命じる。

すると勇は、
「サボったのは一緒なので、僕も1週間やらせていただきます」
「別に助かったとは思わないからね」
職員室を出てから、勇にそう言い放った女子生徒に、勇は、いらっとしながら話をする。
「はあ?助けてねーよ。ちゃんとやってるか見張るために、一緒にやらせてもらうだけだから」
「今までサボった分働いてもらうからな」
とは言いつつも、その後の1週間、なんだかんだで、その子の面倒を見ながら、ちゃんと日直の仕事を2人でやった、と言う。

そして1週間が終わった後、その子が今までサボったことをみんなに謝ったそうだ。
「ごめん…これからはサボりません」
「仕事を押し付けられる苦しさがわかればいいよ」
そう言って和解するクラスメートたちに、勇は、にっこりと笑顔で
「これで委員長を押し付けられた俺の気持ちも理解してもらえたかな」
と言った。その言葉と顔に、ごめんなさいと思う人たちと、キュンとするクラスメイト達。勇はその頃から、もっとモテ出したらしい。

***

中島が教室で友達と話している。
「…なんかさ、あの日以来仲良くなってない?」
愛ちゃんと勇と翼のことだ。あの日、とは、翼が愛ちゃんを、お昼に一緒に食べない?と誘った日だ。

結局その日は、先に中島や後輩達と約束していたから、愛ちゃんと勇は2人で食べた。それでも中島は、自分との約束を皆の前で後回しにしようとされたことが面白くなかった。

勇と愛ちゃんは、あの日のお昼は、本当に2人で食べた。
「無理して一緒に食べてくれなくていいよ」
と言う愛ちゃんに、勇は一応頼まれたわけだし、と言う。
「悪い、翼のやつが無理矢理押し付けて。ああいうやつ苦手だろ?」
「なんていうかグイグイ来るやつ?中島もそうだし。
でも悪い奴じゃ悪い奴らじゃないから許してやれよ。お前のこと気にいってるみたいだから」

愛ちゃんはこわばった顔で勇の話を聞いている。
「…私の事何を知って…」
「何も知らねーだろうな。転校してきたばかりだし。 でもお前知ってもらおうと思ってねーだろ? 1人が好きってやつ?」
「…知られたくないだけなの。自分のこと」
勇はそういう愛ちゃんに諭すように言う。
「でもそれじゃずっと1人だぞ?あいつ…翼のすごく仲の良い奴が転校しちゃったんだ。その入れ替わりみたいできたのがお前。だから興味がわいたんだと思う。よかったらたまに相手してやってくれよ、面白いやつだから」

「好きなの?」
勇は愛ちゃんの一言に飲んでいた水を吹き出した。

その後、愛ちゃんは、教室で、無理をした顔をしながらクラスメイトとの雑談に答えていた。勇はその表情を見ながら、自分としては翼のフォローのつもりだったけど、余計なことを言ったかも、と少し責任感を感じたのかもしれない。

***

家で、翼と勇が2人で勉強していた。あまり集中はしていない。
「夏目さんってかわいいよね。何か守ってあげたい的な女の子」
翼は全身からハートが飛んでいる。
「…見ててちょっとヒヤヒヤするところがあるな」
「えー、何?それどういう意味?ほっとけないってこと?気になるってこと?」
翼が興味津々で聞くが、翼勇はなんでそうなるんだよ、と言って勉強の続きをやるよう促した。

つまらなさそうな顔をして勉強に戻る翼を見ながら勇が言った。
「お前さーなんか…最近テニス行ってなくない?」
翼はぎくっとする。しどろもどろになりながら、今回のテストがひどかったから、と勉強に逃げるようとする翼に、勇は優しい声をかける。
「そんなの今まで1ミリも気にしてなかっただろう。何?おばさんに何か言われた?」
翼が返答に詰まってしまう。
「翼?」
「私…テニスやめようかな」
その後屈託のない笑顔で、なんて冗談と茶化した。

でも俺には隣のゴリラだけでも精一杯で

ほっとけないのはどっちかって言うとお前の方で

***

1学期の始業式。勇は翼のことを考えていて、先生の話をあまり聞いていなかった。

テニスであいつが弱音を吐いたのは初めてだ。何かあったのかな。

「ってことで委員長、夏目のところまでこの宿題を届けて欲しいんだが」
先生の一言で我に返る。愛ちゃんは風邪で、一日早く休んでいた。

正直なところ、深く関わりたくはないと思っていた。

「一之瀬くんて・・・意外と優しいよね」
中一の頃、日直をさぼっていた女子が言っていた。

俺は全然優しくなんかねーよ

To Be Continued

【感想】

中1から幼なじみの勇がどんどんモテるようになっていくのを、翼はどんな気持ちで見ていたのでしょうか。
周りの反応とか、自分へのあたりとか。高校生になった今は、勇がモテると言うことに完全に気がついて振る舞っていますが、この頃の翼は、戸惑いもありながらも、ほとんど気がついていないふりをしているように思います。

勇は愛ちゃんを気にしていなくても、むしろ翼の方が愛ちゃんに興味津々です。むしろ勇はこの頃から翼しか見ていないようです。ここから勇が愛ちゃんとちゅーするまでに何があったんでしょうか?でも愛ちゃんが勇に惚れる条件は揃ってしまったように思います。

 

【ネタバレ/伏線回収班】

・中島は翼のことが好きだから面白くない
・愛ちゃんは自分のことを知られたくない
・翼「私…テニスやめようかな」

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