『カカオ79%』65:forget me not【あらすじ&感想】

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web漫画/カカオ79%【あらすじ&感想65話】~残り21%の甘さ~

65:forget me not

【あらすじ】

委員長が勢いよく障子を開けた。
「皆さん!ここにいらっしゃると聞きました!一緒にウゥーゥノしませ・・・」
言いながら、目の前には、モブ男に抱きつく翼を引きはがそうとする勇と、横で困惑している橘君がいた。

委員長は驚いて、部屋を間違えたかも、と障子を閉めてしまう。
「委員長!!ちょっと氷水もらってきて!!お願い!!」

***

15分前のこと。酒の匂いのする空のカップを残して、翼の目はあやしく光っていた。
「ゆーちゃん」
「えっ、ちゃん?」
勇が驚いていると、翼は左手で勇の顔面をスーっとなぜた。勇が両手で翼の両肩をつかもうすると、パッと後ろに身体を引いた。そして背後にいた橘君にぶつかる。ふらつく翼。

「つ・・・綾野さんもしかして酔ってる?」
橘君の声かけに、翼は赤い顔を上げて橘君を見た。そして、橘君の胸に飛び込んだ。
「橘君・・・!!ごめんなさい!ああああああ」
橘君は驚いて、勇に助けを求めるが、勇も咄嗟に何も出来ない。モブ男は向かいの席で、翼の酒癖の悪さに一人大爆笑していた。

「テニスのこと・・・ずっと言えなくて・・・ゴメェン。話そうとしたんだけどねー?怖くて無理だったの。ガッカリしたでしょ?」
「そんな!怪我してたと聞いたし、そんなんでガッカリしたりしないから・・・」
「実はね、腕、治ったの。辞めたのは私の意志で・・・だから・・・愛ちゃんも兄ちゃんも悪くないの」

「翼、今そんな風に言っても橘を困らせるだけだから・・・」
勇が見かねて翼の腕をひっぱり、橘君から引きはがそうとした。その瞬間、翼は勇の腕を払いのけた。
「騒んな、スケベ」
「てめえはなんでいつも急に近づいてくんだよ。驚くだろうが!!」
勇はショックを受けている。
「いっつもベタベタベタベタ誰の許可とって手出してんだよ!?これからは失礼しますってちゃんと言えよ!」
言葉を失う橘君と、翼の酒癖の悪さに大爆笑しているモブ男。

そんなモブ男にも翼は噛み付く。
「あんたは何笑ってんのよ!!いつも人にちょっかい出しやがって」
「寂しいなら寂しいって言えよ」
「寂しいんでしょう?」
そう言って翼は、モブ男に抱きついた。驚く一同。

そんな時に、ウノをしようと委員長が部屋の障子を開けたのだった。

***

そこからはもうはちゃめちゃだった。
「翼テメェいい加減にしろ!!なんで俺だけ拒否んの?!」
と勇。抱きつかれたまま髪を引っ張られるモブ男。翼をなだめながら、なんとかしようとする橘君。

そして、結局、橘君が翼を後から羽交い締めにしてモブ男から引き剥がした。引きはがされた後も翼は暴れ続けている。ずっと抱きつかれ、髪の毛を引っ張られたモブ男はヘロヘロで
「一ノ瀬くん、あんたの女だから何とかしてよ・・・!」
と言った。

拒否られた勇もげっそりとしている。
「あれは女じゃない。ゴリラが進化したドランクン、ゴリラだ。」

勇は慎重に翼のほうに向き直った。そして、ゆっくり優しく言った。
「俺と遊ぼ?久しぶりにゲームしたり漫画読んだり・・・」
「ほらおいで」
翼に対して、両手を広げた。翼は勇の方に、一歩一歩と近づき、無表情でそっと勇の胸の中に収まった。

その瞬間、勇は翼の目を必死で塞ぐ。
「寝ろ!!眠れ!!夜だぞ!!寝る時間だ!!真っ暗だろ?!お願い!!寝ろおおおう!!」
そして翼は寝た。
「本当に寝るかよ、でもよかった」
ほっとする勇と、橘君、モブ男。そこへ、冷水を持って委員長が戻ってきた。

勇は翼を胸に抱きながら、ため息をついた。

「遊ぼう」で釣られるとか、小学生かよ、と。

私の勇なのに、といった翼。

きっと翼のあれは、やきもちじゃなくて

寂しさから来た言葉

自分がどれほど1人で突っ走っていたか思い知らされてる気がしていた。

勇は、翼から手を放した。すると今度は離れない。

***

というわけで布団が二組敷かれた和室に、翼と勇は入れられる。モブ男が笑顔で言う。
「いやいや睡眠はとらないといけないし、女子を男子の部屋で寝かせるわけにもいかないし・・・こうするしかないじゃん」
「ここはあまりの部屋だから、お二人で思う存分使ってください、と橘君が言ったよ★」
モブ男の言葉に、すぐさま橘君は言ってないと否定。委員長はただただ顔を赤らめている。

「おやすみ一ノ瀬くん、綾野さん」
と部屋の障子は閉められた。

寝れるかー!!と、勇は心の中で叫んでいる。

部屋に戻る3人。
「いいのかな」と橘君。

「いいよいいよ!彼ならできる!」とモブ男。

「何がでしょう」と顔を赤らめる委員長。

モブ男は、勇のことを考える。

ずっとあがいていればいい。

小説じゃない現実の中で

そう簡単に答えは出せないから、な?ジュリエット

橘君は無言のままモブ男をチラッと見やった。

2人部屋に残された勇と翼。勇は口から魂が抜けるように理性が抜けて言っていた。

失礼しますって言えば手出していいのか…?

そんな時、翼が寝返りを打つ。今まで胸に抱かれる形になっていたが、翼が勇の首に腕を回した。勇が翼に腕枕する形になっている。

幼い頃はよく、2人で並んで昼寝していた。勇は腕枕している方の手で翼の髪を触った。

俺だって変わるのが寂しくないわけじゃないんだ。勇は、寝ている翼に問いかける。
「・・・昔から俺が触れた位では、少しも意識しないくせにそんなに嫌かよ」
「いや・・・私だって緊張するし」
翼はうっすら目を開けていた。勇は、翼が寝ていると思っていたので、びっくりしている。

「だから・・・誰にでもベタベタ触るのは・・・よくないよ」
「はあ?!それはお前のことだろ!?俺が他の女子になれなれしく触れてんの見たことあるか?!」
「愛ちゃんとちゅーしてんの見た…」
そう言って翼が目をつむった。翼は勇は固まっていた。

「忘れないで」と呪いをかけられたようにあの頃と同じ夏の匂いがする。

***

橘君が考えていた。モブ男のスマホの待ち受け画面の写真。あの写真はなんだろう・・・。

中学生の頃の笑顔の愛ちゃんと翼、そして無表情の勇が映っていた。
To Be Continued

 

【感想】

酔っ払う翼、3人がかりでも手をつけられなくなっていましたね。普段思ったことを口に出せない不器用なタイプなので、いっぱい思っていることが言えててよかったです。

触られることを拒否していたのに、勇が翼を落ち着かせるために幼なじみとして遊ぼうと接したら離れなくなってしまうほど、翼は本当に幼なじみとしての勇が大好きなんですね。

60話の、やきもちって言うより・・・・・・のアンサーは、寂しさから来る言葉でしたね。なんだろうかと気になっていたのでスッキリしました。

旅館で夜、布団でひっついたまま寝る2人。ドキドキしますね。愛ちゃんとチューしてるの見た、といった翼と固まっていた勇。。。どうか、もうすれ違ったりしませんように。と祈るばかりです。

【ネタバレ/伏線回収班】

★ここに注目★

・翼は勇が愛ちゃんとちゅーしているのを見た
・モブ男のスマホの写真が、中学校の頃の愛ちゃん翼勇

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