『カカオ79％』25：花火大会（3）【あらすじ＆感想】

web漫画/カカオ79％【あらすじ＆感想25話】～残り21％の甘さ～

25：花火大会（3）

25：花火大会（3）

【あらすじ】

勇の回想。

小学生、ピンクの服を着る翼に、後ろから勇が声をかけている。
自分の幼馴染が
「女の子」だと気付いた瞬間、
何か宝物を見つけたようなワクワク感と、
若干の震えがしたのを覚えている。

中学生、
教室で友達と話す翼を廊下の窓から、
男子たちが翼が可愛いと話している所を、
足を踏みつけながら勇が歩く。

たまにほかに奴らが
それに気づきそうになると、
宝物が見つけられてしまったような
すごく嫌な気がしたことも覚えている。

それが焦りに変わったのはいつからだろう。

＊＊＊

翼を追って走り出す勇。人ごみの先で、翼は支えてくれた男子クラスメイトにお礼を言っている。それを見た勇は、勝手に触るんじゃねぇと勝手に心乱される。

翼の名前を大きな声で呼ぼうとしたその時、足が老人にぶつかり、倒れるじいさんに勇は手を伸ばす。

＊＊＊

翼は呼ばれた気がして、立ち止まってふりかえる。クラスメイトからの問いかけに、そのまま勇に呼ばれた気がしたと答えてにやにやされてしまう。あんなに否定したくせに、自分の発言で、自爆してしまった。

そんな翼に女子のクラスメイトは
「一ノ瀬くん一緒じゃないと寂しいのかなと思ってね」
「一緒に来れなくて本当に残念だったね。綾野さんせっかく浴衣まで着てめちゃかわいいのに」
にっこり笑いながら優しく言う。

翼は素直に、やっぱ一緒に来たかったとは思ってるよ、と言う。でも、浴衣姿は見せたくないようだ。どうしてか問うクラスメイトに
「なんか女子に見せようと頑張ってるように思われたら嫌だし恥ずかしいし…」
クラスメイトは共感しながらも
「一ノ瀬君のこと異性として思ってないんだったら別に恥ずかしがる必要なくない？」
「本当にすこーしでも一ノ瀬君のこと男だなあと思ったことないの？」
「それか、一ノ瀬君に女として思われてるんじゃないかなぁとか」

翼は最近の出来事を思い起こす。夜、一人きりの勇が家に泊まり行ったら帰るように言われたこと。ロッカーの中で、友達できなくても俺がいると言われたこと。翼の髪を女の子の匂いがすることを知っとるわ、と言われたこと。

そして出てきた答えが
「生物学的にお互いが男女だってことは理解している」
「たまにメスゴリラぐらいに認識されてるんじゃないかなとは思ってる」
クラスメイトは可愛そうになったのか、呆れたのか、ごめん、もう聞かない、と。

勇もそれを理解しているから、口ではゴリラゴリラ言いながらも、ちゃんと私のこと女として接してくれてるんだと思う。そう、それだけのことだ。

＊＊＊

おじいさんと勇。

死別したばあさんが作ってくれた宝物の財布が見つかって上機嫌のじいさんに付き添う勇。じいさんは孫とはぐれ、勇は翼を見失った。

勇はじいさんとの会話の中で翼のことを元気すぎるゴリラのような宝物と話す。そして、ガチで命かけてる、と。

早く側に行ってやれと促すじいさんに、勇は、行ったって何もできないし、楽しそうだったし邪魔したくないから、じいさんの孫が来るまで一緒に待つという。

じいさんはにこにこしながら、人波に紛れてチカンが出る（というか、自分もどさくさに紛れて触ってた）と。
「いいのかい？ゴリラちゃんが他の連中にあっちこっち触られて」
勇はじいさんにも少しイラっとしながら、そいつをぶっ殺す、と言う。
「…若僧　失ってから後悔しても遅いんじゃぞ？」
その言葉で翼は立ち上がり、翼の元へと向かう。

＊＊＊

じいさんは、孫と合流出来た。じいさんの孫というのは、色黒少年で天童さんも一緒だった。天童さんは、去っていく勇の後ろ姿を発見して、翼も近くにいるのかと考えている。

色黒少年が、じいさんともっと花火が見やすいところへ行こうと誘うが、天童さんは色黒少年の袖をつかみ
「頭が…痛いの」
と言う。こうして３人は、花火会場から離れることとなった。

ごめん、橘　　会わせるわけにはいかない
あなたと綾野さんを…

色黒少年は橘と言うらしい。

＊＊＊

翼は人ゴミの中で、買ったお土産を頭にのせて、身動きが取れなくなっていた。

大量の土産は、８割は勇へのものだった。その時、翼は背後から尻を触られる。

ぶっとばしてやろうにも、お土産で両手は封印、人波と浴衣で両足は封印されてしまっていた。動けず、悔しい思いをしながら、顔をしかめうつむく翼。

その時、翼の腕をくいっとひっぱる腕があった。

顔を上げると勇だった。勇の手は、翼が待っていたお土産をお尻を触っていた犯人の顔めがけて投げつけ、翼の手をひいて、逃げる。熱がる犯人に親指を下に向ける翼。２人は人波にまぎれていく。

To　Be　Continued