web漫画/カカオ79%【あらすじ(ネタバレ)&感想245話】~残り21%の甘さ~
245:執着(3)
翌朝、6:40に、翼から勇にメッセージが入った。
『学校先に行くよ』
7時過ぎに、勇が返信する。
『あ?何で?』
『待て すぐ支度するから』
『待て待て待て』
勇は立て続けにメッセージを送信したが、既読すらつかなかった。
「マジで置いて行かれたし」
勇は通学路に一人立ち尽くしていた。
***
1-Eの教室で、天童さんは大きなあくびをする。一緒に遊園地へ行ったクラスメイトの女の子が、
「おはよう、天童さん、眠そうだね、早いね今日」
と声をかける。
「…はよ、朝5時に叩き起こされて…」
天童さんが言う。クラスメイトは、えっ5時?とさすがに驚いていた。
一方、同じ頃、翼は生徒会室の前にいた。ドアの前で少し考える。
いや、先輩は別に生徒会じゃないから教室に向かった方が…
いやまず学校にきてるかどうかも…
じゃ連絡を先に…
でも会って何を話すんだ?
また仲良くしてください?
嫌なことを言われたなら代わりに謝る?
先輩の問題で勇と最初の口喧嘩があった時に言われたように自分から少しづつ距離を置くべきだったのか…?
でも別に浮気をしたわけでもないし
異性というだけで縁を断絶しちゃうのは
極端すぎるんじゃないの?
昨日はあんなに怒ってしまったけど
勇の気持ちは痛いほど理解している
それでもやっぱり自分が大事にしてきた縁を
勝手に切らされたことは許しがたい
これだから恋愛というのがすきじゃなかったのよ
翼はあれこれ考えながら、生徒会室からホームルームである1-Bの教室へと歩いてきた。
「委員長おはよう」
教室には、委員長が登校してきていた。
「綾野さん早いですね、おはようございます」
二人はあいさつを交わしたあと、同時にはあぁぁ…と大きなため息を吐く。顔を見合わせる2人。
「何か悩みでも…?」
2人が同時に言った。
***
「なるほど…確かにそれは一ノ瀬君がやりすぎた感がありますね」
2人は、あまり人が来ない階段の踊り場で話をしていた。翼のため息の理由を聞いた委員長が、感想を述べていた。
「もちろん勇の前で先輩と仲良くし過ぎた自分も悪かったとは思う」
翼は冷静に話す。
「そこまでさせるほど自分が彼女としての配慮が足りなかったということだし、ヤキモチを妬いてくれた訳だから本当は喜ぶべきかも知れないけど」
翼は委員長にゆっくり自分の気持ちを話した。
「…私は友達を失うのが本当に本当に嫌なのよ…」
「一ノ瀬君は、綾野さんへの独占欲が強い方ですからね。でも恋人だからって相手の全てを決める権利はない。一ノ瀬君ともう一回ちゃんと話してみた方がいいですね」
委員長は、的確に助言をした。
「今回ばかりはやつが先に謝るまでは口を聞かない」
翼は再び怒った顔をした。
「ところで委員長の悩みは何なの?あんな大きなため息して」
翼が聞く。
「あの人…」
委員長は表情を変えて、呟くように言った。
「あの人?もしかしてリナ先輩…?」
翼が聞くと、委員長はコクっと頷いた。
「あの人は本物の…」
委員長が言う。
「あの人は本物の変態です…!」
委員長は大まじめに言うが、翼は、え?と聞き返す。
ToBeContinued
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