web漫画/カカオ79%【あらすじ(ネタバレ)&感想244話】~残り21%の甘さ~
244:執着(2)
翼は、学校の生徒会室のドアを、ガララララと大きな音を立てて開けた。中には、アイマスクをして寝ている生徒会長とアリザワ先輩がいた。
「アリザワ先輩」
呼ばれたアリザワ先輩は、突然の来訪に驚いていた。
「大魔王…!」
「ちょっと顔貸してください」
明らかに怖い雰囲気の翼に言われて、アリザワ先輩は少しビビりながら、冷や汗をかいていた。
***
「どうした?急に…」
翼とアリザワ先輩は廊下出て話す。
「俺早くもどんないと…」
そう言うアリザワ先輩に翼は
「私のこと避けてました?」
と切り出す。
「え」
とアリザワ先輩。
「勇に何か言われて…それで距離置いていました?」
翼は必死な顔をしていた。
アリザワ先輩は、少しだけ翼の方を見ると、そのあと少し目をそらして言う。
「いや、それが…何か言われたから…とかじゃなく、よくよく考えたら失礼なことしてたなと思ってさ。彼氏君から見て親しげにしすぎるのはダメだなとちょっと反省したまでだよ。ほら、変な勘違いされちゃ大魔王もあれだし。でも避けられてるように思わせて気分悪くさせちゃったなら悪かったな」
「いや、気分悪いとかじゃなくて…」
翼が食い下がる。
「悪りぃ、俺急いでるんだ。今後は気をつけるから、じゃ…」
翼はアリザワ先輩に話を切り上げられてしまった。
拒絶
今のは明らかな拒絶だ
出会ったばかりだけど沢山励ましてもらった
先輩だけど友達だと思ったし
それがこんなにもあっさり…
好きな人が、他の異性と親しげなのを嫌がるのは
十分理解できる
自分だって嫌だし
無茶なことを言ったこともあるけど
私はそれが
無茶だとちゃんと
知ってるんだよ!
あんたは知らないようだけど
***
翼が学校を出たところで、仁王立ちして翼を待っていた勇に会った。
「…ヤンキー女は先に帰るって」
勇が言う。
「先輩に何話したの?」
翼が低い声で聞く。
「聞いてきたんじゃねぇのかよ」
勇は直接答えない。
「遊園地でこれから私が気をつけるって言ったじゃない」
翼が言った。
「…気をつける気をつけないの問題じゃなくて、俺はあいつがお前の周りにいること自体が嫌なんだよ」
勇の話を翼は怒った顔で聞いている。
「…翼、お願い、こんなに俺が嫌だって言ってんだ、もうあいつのことで喧嘩するのは…」
勇は翼の腕を掴もうと手を伸ばすが、翼はそれを避けるように、フイっと腕を引いてしまう。
「そんなに嫌だったら私をもっと説得するべきだった」
翼は怒った顔で大きな声を出す。
「私の友達をあんたが勝手に私から遠ざける権利はない」
翼の話は続く。
「私の友達だよ。もっと距離を置いて欲しいと私を説得するべきだった」
「でもそれじゃまた喧嘩に…」
「そうだよ!私達二人の喧嘩なのに、なんで全部あんたが決めて、あんたの言う通りにしなきゃいけないの?」
2人は一瞬、押し黙った。
翼は勇の脇を抜けて歩き始めた。
「つば…」
「付いて来ないで」
歩いて行く翼の後ろ姿を見ながら
「いや、同じ方向だし…付いて来ないでって言っても」
と勇は呟いた。
ToBeContinued
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