web漫画/カカオ79%【あらすじ(ネタバレ)&感想243話】~残り21%の甘さ~
243:執着(1)
遊園地の観覧車にて、成り行き上、2人で乗ってしまった勇とアリザワ先輩。アリザワ先輩の、翼と自分の2人きりよりはいいのでは?という挑発に、勇の堪忍袋の緒が切れる。
「先輩、そこまでにしてください」
勇はそう切り出した。
「度が過ぎますよ」
にらみつける勇の眼つきは鋭い。
「あ、悪い、怒っちゃった?」
ガチだな、これ、とアリザワ先輩は苦笑いでこたえる。
「先輩が『アリスちゃん』ですよね。翼のメル友の」
勇の言葉にアリザワ先輩の表情が固まる。
「性別騙してこそこそ連絡取り合ってるのもゆるせないっつーのに、彼氏のいるやつにその目の前で必要以上にベタベタして、最低な喧嘩の売り方と見ていいですか」
と勇。
「い、いや!あれはわざと騙したんじゃなくて、アイツが勝手に勘違いし始めて話すタイミングを…」
アリザワ先輩は慌てて弁解した。
「やっぱり…あんただったのか、有栖川」
勇は確信した。アリザワ先輩は、しまった、と言いかける。
振り返れば、翼が転校したての頃、皆と仲良くなりたくて、配るために作ったクッキーを包んだリボンに自分のアドレスを書いていた。そのリボンを拾ったアリザワ先輩は、そのことを何の気なしに生徒会長に伝えた。生徒会長は何を思ったか、アリザワ先輩のタブレットで、翼にメッセージを送信した。
「あれは…」
アリザワ先輩はそのことを勇に説明しようとするが、勇が納得するような言葉には出来そうにない。口をつぐむ。
「翼のことが好きなら好きで構いません。でも気持ちまでにしておいてください。これ以上近づくな。じゃないとあんたが嘘ついてきたこと、全部翼にバラす」
***
遊園地に行ってから数日後、アリザワ先輩の様子がおかしいことに気が付いた翼が勇に聞く。
「あんたアリザワ先輩と何かあったの?」
翼は勇を見ていた。
「遊園地…観覧車の中で…」
「あったよ『何か』」
勇が言う。
「えっなに?何があったの?アリザワ先輩に何か言ったのね」
翼が言うが勇はすかさず
「教えない」
と言った。
「お前も教えてくれなかったし」
と。
天童さんは横で聞いていて、確かに、と納得していた。翼は鳩が豆鉄砲を食ったような表情をしていた。
『何でもない』
遊園地の帰りに、翼は勇に、確かにそう言った。
もう気にしてないのかと思ってたのに
根に持ってるんかい!!
やっぱり遊園地での会話じゃ何も解決出来てなかったか!
翼はふいっと身を翻して、来た道を戻る。
「!」
「ちょっ」
勇と天童さんが驚いている。
「じゃ直接聞いてくる」
翼が言った。
***
学校の生徒会室のドアを、ガララララと大きな音を立てて開けた。中には、アイマスクをして寝ている生徒会長とアリザワ先輩がいた。
「アリザワ先輩」
呼ばれたアリザワ先輩は、突然の来訪に驚いていた。
「大魔王…!」
「ちょっと顔貸してください」
明らかに怖い雰囲気の翼に言われて、アリザワ先輩は少しビビりながら、冷や汗をかいていた。
ToBeContinued
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