web漫画/カカオ79%【あらすじ(ネタバレ)&感想239話】~残り21%の甘さ~
239:回顧
勇の部屋で翼と勇はキスをしていた。
ただずっと触れていたいと思った
翼は勇の首に腕を回し、勇は翼の腰に手を添えていた。唇が離れる。途端に翼は勇の頭をグイッと自分の方に引き寄せた。
「ちょ!?」
勇は驚く。翼は、勇の髪をナデナデとなでる。
「お前…俺の髪に触りたいだけかよ、この髪型そんなに気に入ったのか」
勇は抱きしめられる翼の腕の中で呆れたように言う。
「だってあんたの髪の毛さらさらで気持ちいいんだもん」
「そーかよ」
と勇は言いつつも翼の腕の中に身を預ける。
「お前の心臓、すっげえドキドキしてる」
「ほっとけ」
思わぬ勇の攻撃に翼はドキッとする。
「ククッ」
勇は嬉しそうに笑った。
いつもと違うシャンプーの匂いに
少し緊張してきて…
そのピリピリした空気がまた悪くない
「…本当は昨日の疲れと今日ほったらかされたことであんまりいい気分じゃなかったけど、もうどうでもいいや」
勇が言う。
「別にほったらかしては…」
翼はそう答えながらも、ホッとしていた。
別れ際のあれはもう本当に気にしてそうにないな
翼は、勇の髪を撫で続ける。ナデナデナデナデ。
「…いつまで触る気だお前、金とるぞコラァ」
翼の言葉に、勇は嬉々とする。
「髪の毛以外でもいい?」
「いいよ」
翼の返事に、二人は向かい合ったままフリーズする。
そういう日だったんだと思う
無駄に勇気が湧いてきて
今日じゃないといけないような
自分でもどうしたのか分からないぐらいの
気持ちが溢れ出した日
翼は、トン、と自分のおでこを勇の方にくっつけた。
1階のリビングでは、蛍と光がそれぞれにくつろいでいた。勇は、自分にくっついてきた翼の両肩を両手で押し戻した。
勇の顔は青く、冷や汗をかいていた。
「今じゃない…今じゃない」
勇が言う。
マジで危なかった
下に蛍と光いるし
勇は必死で、そして瀕死だった。
「今度…次…また……」
勇がとぎれとぎれに言う。脳裏には、キャハハハと無邪気に笑う蛍と光の姿を思い浮かべていた。
***
翼は夜道を走っていた。顔を赤くした全速力で走る。
どうしよ私
どうしよう私
どうしちまったんだよ?!
「うあああああ」
夜なので小声で叫ぶ。
勇に嫌らしい女だと思われたらどうしよおおお
***
勇は自室で、まだ赤面したまま、はあ〜と大きなため息を吐いた。
***
その
秋の冷たい風にも
消えなかった
温もりが
いまだに消えないでいるよ
空が、雲が多く、それでも青く澄んだある日、翼は、勇の家の勇の部屋のベッドに腰を掛けた。ギシッときしむベット。
長い髪をおろして、黒い長袖の服を着た翼は、いつまでもそうして座っていた。
ToBeContinued
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