『カカオ79%』188:ざわめき(2)【あらすじ&感想】

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web漫画/カカオ79%【あらすじ(ネタバレ)&感想188話】~残り21%の甘さ~

1年H組の教室。授業中、こそこそとクラスメイトたちが噂話をしていた。

「ねぇさっきさぁ廊下でさぁ」
「あー私も見たよ」
「え、まじ?それってじゃぁ本当に…」
「でもあの幼なじみの…」

「ねぇちょっと、橘君に聞いてみなよ」

授業を受ける橘くんの机の上に、とんとメモが投げ込まれた。

なんだろう

橘君は、そのメモをかさかさと広げた

メモを読む。

天童さんて橘のこと好きだったんじゃないの?
本当に噂通りあのミスフラワーの人と付き合ってる?
(そういえば最近うちのクラス来てないね天童さん)

授業中の教室内は、さっき廊下で一緒にいた人や、聞いてほしいと頼んだ女子達、メモを渡した人たちが、橘君に注目が集まっている。

メモを読んだ橘君は、下を向いて考え出した。

そんな…噂になっているのか

まぁ…教室まで告りに行ったこともあったし、嘘だけど、文化祭での事故もあるし、…綾野さんと一ノ瀬が付き合っているのはまだ内緒にしているらしいから違うと否定だけしておけば…どうしてみんなそこ気にするの?

橘君は、さっき天童さんが勇にしがみついた両手を眺めていた姿を思い出していた。

あの時、天童さんは勇の後ろ姿を見送っていた。

***

「ちょっとそこのあんた、話があるんだけど、ちょっといい?」
ガラの悪い女子3人が、天童さんに声をかけた。天童さんは、サボろうと、学校の塀を乗り越える瞬間だった。
「あんた一ノ瀬くんとどういう関係?」

***

翼は、階段の下で勇と体を丸めて隠れていると、文化祭の時教室でリナ先輩を避けて隠れていたことを思い出した。

「…そういえば、私さーリナ先輩から生徒会に入らないかって誘われたんだよ」
翼が小声で勇に報告した。
「そのせいで生徒会呼ばれてたのか?これはまた斬新な人選だな」
勇も声で返事をする。

「いつもそういうのはあんたの役目だったからね、委員長とか生徒会長とか」
翼は、ふと思い詰めたような真面目な顔する。

「ネクタイを」

翼の声の子トーンが変わったので、勇は隣にいる翼の顔を見た。
「ネクタイ?」

ちゃんとつけていただけで資格は十分って言われたんだ、この学校のネクタイって結び方が難しいじゃん」
翼は、自分が生徒会に誘われた理由を話す。
「あー確かに、ワンタッチのやつじゃないし、エンブレムの位置合わせないといけないし。あ、だから文化祭の時もネクタイをつけて来いと言われたのか、なるほど」
勇は納得したように話した。

「いやあれはただの好みだったんじゃないかな」
翼は少しあきれたように言った。

リナ先輩の言葉を思い出す。
「可愛い顔して結構偽善ぶったこと言うじゃない」

とか言ってたくせに

「真面目な子は歓迎するよ、どうかしら」

とかね…てか委員長は何をそんなに怯えていたの?

まぁ生徒会なんか入らないけど

そしてそのリナ先輩に言われた通り
ちゃっかりネクタイをつけてきた勇のやつを見て
頭に来てた…っけ

翼は、勇の顔を冷たい視線で見つめた。

「さっき…天童さんとは何してたの?」
突然の質問に、勇は驚く。
「え、な、何って…」

***

「さっきさぁ廊下で見たのよね、あんたなんで一ノ瀬くんにくっついてたの?
ガラの悪い上級生たちが、塀の上の天童さんに詰め寄る。
「てかあんた橘の後をつけ回してたわけじゃないわけ?

がらの悪い生徒3人組の、別の2人が、話している女子生徒を落ち着かせようとする。
「ちょ、ちょこいつはやばいって…」
「あの天童だよ?もうちょっと落ち着いて…」

天童さんは塀の上で頭をかきながら、つまらなそうに話を聞いていた。
「中学の時有名だったかどうかは知らないけど、いい加減にしなさいよ。橘がダメだったからって乗り換えた?それともどっちも狙ってるわけ?」
ガラの悪い生徒は、友達の制止は聞かない。
「文化祭でちょっと事故ってチューできたぐらいで調子に乗ってんじゃないわよ。この尻軽女が」

天童さんは、辺の上で足を組み枝毛を探す。
「ちょっと聞いてる?」
話している生徒が、思わず大きな声になる。

「どっちも」
天童さんがおもむろに話し始めた。
「は?」

「どっちも狙うっていい考えだな」

天童さんの言葉に、3人組は唖然とする。
「今ちょうど頭に来てたんだよ。なぜ私は「恋」が絡むと捨てられる側になってしまうんだろう。「好き」が違うからと拒否られて、「好き」な女が居るからって拒否られた。親にも愛されなかった人間だから、誰かに好かれる資格ってないってことかな」
天童さんは、空を見上げた。

***

勇は、慌てて翼に言い訳をしている。
「あ、あれはさぁ、あいつが急にさぁ、多分向こうに橘がいたりしてて見せつけのつもりでちょうど現れた俺にくっついてきただけだろ。橘が向こうにいるのを見たような気がするし」
勇の言い訳は当たっている。

***

天童さんは、空を見上げたままつぶやく。
「…何が愚痴ぐらい聞いてやるだよ」

***

勇は天童さんのことを考えながらつぶやく。
「あいつのあれはどうにかならねーかんのかな、好きな人の前で他の人に興味あるふりして気を引くとか、それ向こうもこっちに気持ちがあるというのが大前提って気付けっつーんだよ、でもあいつの場合は…まともに人を愛する方法がわからないのかもしれないな。これは正直一緒に恋こじらせてた仲間(?)として気の毒だとは思ってるというか…」

「一緒にこじらせてたって…あんたもしかして天童さんが橘君のこと好きだってこと知ってた?」
「え?あ、はい、実は知ってましたよ」

翼は、勇のことを叩き出した。

「なんで!教えて!くれなかったのよ!わかってたらもうちょっと空気のやめた行動できただろうに!!」
パンパンと殴られながら、勇は反論する。
「いやいや他人の気持ちを俺が勝手に言いふらしていいわけねーだろ!静かに!ばれるって…!いえねーよ!お前にでも絶対…」

勇の言葉を聞いて、翼は叩くのをやめた。
「……そりゃ…そうだよね…ごめん」
翼がおとなしくなる。

「…で分かっただろ?俺とあいつはそういう仲ってこと」
勇が説明を始める。
「え?」
「俺とあのヤンキー女のことでやきもちを焼くと言うのは無駄な体力の浪費ってこと。まぁさっきはそういう状況だったので俺が悪かったですが。」

そう言って、勇は笑顔で翼の顔の前に自分の顔を差し出した。
「あ、でも全く妬かないのもアレだからほどほどに…」
「やかましい」
勇の笑顔前に、翼はいつも通り突っ込んだ。

「もう怒ってない?」
「だから怒ってないって」

さっきまでの胸の奥のざわめきを
一瞬で溶かし消してしまうこの笑顔よ

何よ
2人はそれで仲良くなれたわけかよ

そうだよ
勇も言った通り
天童さんは今
橘君に断られたばかりだし

私のやきもちはむしろ失礼だよ!
ばかばか

翼は方赤らめて勇の顔見ると、勇のほっぺにチュっとキスをした。

「…ごめん、昨日から感じ悪い行動ばかりで。あんたと天道さんがお互いあまりにも気楽な感じだったから両方に焼いてた」

翼からしてきた突然のキスに喜んでいた勇だったが、

両方かよ!

翼の言葉に驚いた。

「…天童さんどうすれば幸せになれるのかな」

***

塀を乗り越えて、学校を抜け出した天童さんは、歩いている途中にフードかぶった男と対面していた。男がすーっとフードを下ろした。

「…雫」
男が言った。男の顔を見て、天童さんの動きが止まる。

To Be Continued?

カカオ79%【感想(ネタバレ有)】

翼に、勇と天童さんの戦友のような関係のネタ晴らしをできた頃、天童さんの中では、勇に対しての恋心が育っているという。。。天童さんのことを、一番に考えてくれる人と幸せになって欲しいと願わずにはいられません。

恋愛のことは置いておけるなら、翼と天童さんは、本当に親友になれそうなのにな。。。

天童さんのお父さん。。。こっそり見ているだけでなく、何のためにあらわれたのよ。心配。。。

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