web漫画/カカオ79%【あらすじ&感想139話】~残り21%の甘さ~
139:大事なメガネの友人
【あらすじ】
ロミオとジュリエットのあらすじを紹介する。
昔、イタリアヴェローナ、仇敵同士の二つの名家、モンタギュー家とキャピュレット家には、それぞれ一人息子のロミオと、一人娘のジュリエットがいた。二人は、お互いに一目惚れ、ひそかに結婚するが、喧嘩に巻き込まれたロミオが、ジュリエットの従兄弟ティボルトを殺してしまい、ヴェローナから追放される。
パリス伯爵との結婚を命じられたジュリエットは、ロミオと駆け落ちのため、薬を飲んで死んだふりをするが、その手はずを知らなかったロミオは、その死んだジュリエットを見て毒薬を飲み自殺、目覚めたジュリエットは彼の死を見て短剣で自殺。
両家は二人の死にて和平する、というのが、ロミオとジュリエットのあらすじであるが…
委員長の割れたメガネ…ロミオOUT!!
吐いて倒れる委員長…メガネOUT!!
「逆だろうが!!」
委員長が力を振り絞って、叫ぶ。そして、力尽きて、ゴン、と頭は床にぶつかってしまう。
「委員長?!」
「委員長ぉぉ!!」
クラスメイトが心配している。
1年B組の「メガネロミオとジュリエット、そして…」まもなく上演。
体育館には、劇を見ようとお客さんが入って来ていた。並べられた椅子に、自由に座る。中にはリナ先輩の姿もあった。周りを見渡している。蛍や光の姿もあった。蛍はご機嫌にデジカメの準備をしていて、光はその横でワクワクしていた。
「メガネロミオとジュリエット、そして…」?そして何?」
「さあ…てかロミオ、メガネなの?」
とお客さん同士が話していた。
舞台裏では、委員長を囲む輪を覗きながら、勇が話している。
「おい、何の騒ぎだ?メガネのこと解決できたのか?外にまで聞こえてたぞ、客結構来てた……ぞぉ…お?」
話しながら、勇は周りの様子がおかしい事に気が付く。
仰向けに寝る委員長、の目の上にはタオルがかけられており、その委員長を囲むように、クラスメイト達が膝をついていた。ズン、と重たい雰囲気。うつむいている一同。
「え、何これ?何の儀式?死んだ?」
「ジュリエット!!どうしよ、委員長が過労で倒れたよ…!!」
「あらー大丈夫?」
と勇。
「他人事!!」
「こりゃ劇無理だな、やめる?」
と、また勇。
「軽っ!!」
そのやりとりをウサギの着ぐるみをきた橘君が見ていた。横にいた、メガネをかけた天童さんに気が付く。天童さんは、橘君が自分に気が付いて、目が合うと、プイッと横を向いてしまった。
クラスメイト達は、代替案を話し合う。
「おい、誰か代役とかできそうなやついない?!」
「無理だよ!セリフ全然わかんねぇし」
「秋澤、お前村人Bやめてロミオやれよ」
「は?!無茶言うなよ」
「じゃあどうする…」
翼は、クラスメイトたちの話を聞きながら、拳を握りしめて、委員長の事を考えていた。
肝試しの時、翼が、回れなかった委員長の分のビー玉を渡すと、泣きながら感激してくれた委員長。登校日の日に、勇との関係が微妙になっている話を聞いててくれた委員長。勇と村上さんの相合傘の写真が出回った時も、心配してくれた委員長。そして、翼の代わりに大道具の仕事を手伝ってくれていた委員長。翼を責めようとするクラスメイトに、「友達として当然のことだから」と言い切った委員長。
ほんの少しのきっかけから
いつの間にか
そっと側に来ていた
大事な大事な…
登校日の保健室で、天童さんに言われた言葉も思い出す。
「悪いけど友達だと思ったこと一度もないんだ」
中学の頃、愛ちゃんに言われた言葉も思い出す。
「もううんざりだよ」
そして、ずっと友達だった勇は、もう親友、という関係ではなくなってしまった。
翼は、一人、泣きそうになってしまう。
あれ?やばっ
何か、泣きそう
私思ったより心弱くなってたのか?ガラスのハートか?!
こんなこと、考えてる場合じゃない
でも
報われた気がする…
気が付けば、委員長は、そんな翼の記憶の中で、笑顔で
「友達ですから」
と言ってくれた人だった。
クラスメイト達はまだ話している。
「どうする?」
「うーん、委員長はとりあえず保健室へ…」
「俺は別にやんなくていいけど」
ジュリエットの勇が、耳をほじくりながらさらっと言う。
「ジュリエットが反抗期だ」
「上演まであと何分?」
「30分切ったよ」
「ゲッ」
クラスメイトと話しながら、勇は翼の方を見た。翼は、タオルで覆われた委員長の顔を覗き込んで、今にも泣きそうな表情をしていた。
「私が!ロミオの役やるから、誰かパリス役やってくれる?」
翼が口を開く。周りにいるクラスメイトたちが絶句していた。
「勇の練習相手しながらロミオのセリフもなんとなく覚えたの。パリスの方が登場少ないから、誰か代役を…セリフは言わなくていい、ナレーションでなんとかカバーすれば、いけるんじゃないかな」
翼の話を聞いていたクラスメイト達は、たったまま、シーンとしてしまう。
「いや…そんな急に言われても…」
「なあ…」
戸惑うクラスメイトたち。
「俺はできるよ」
モブ男が言った。
「ナレーションでカバーできる。パリスでもロミオでも代役の人は何も喋らず、突っ立ってるだけでも大丈夫なようにするわ」
「出来んのかよそんなの」
クラスメイトは疑心暗鬼だ。
「だから誰か…」
モブ男は話しながら、人垣の奥に、メガネをかけた天童さんがいるのを発見する。
瞬時にモブ男は、人づてにきいた、天童さんが勇に公開告白したという話を思い出す。
モブ男の目は、天童さんをRock onした。
「メガネの!!ロミオ!!」
その言葉に
「あ?」
と勇は驚く。
「へ?」
と、橘君も驚く。
「え」
と翼も驚いた。
そして、1年B組のクラスメイト一同も驚く。
「天童雫?!はあー?!」
そして天童さんは、突然指をさされてすごく気分が悪い。
「…は?」
その目力に、モブ男はゾッとする。
倒れた委員長は、いったんそのまま放置されていた。
To Be Continued
【ネタバレ/伏線回収班】
★ここに注目★
モブ男→天童さん「メガネのロミオ」
タイトル『大事なメガネの友人』
【あらすじの続きはこちら】
『カカオ79%』140:大事なネガネの友人達【あらすじ&感想】
前話はこちら→『カカオ79%』138:何がしたい?【あらすじ&感想】
【感想】
委員長、過労で倒れちゃったのですね。委員長は、けっこう翼の隣にいることが多くて、翼が勇と距離が出来てしまって、翼が寂しい気持ちの時も、ずっと側にいてくれた人でした。花火の時も、登校日の時も、旅行の時も。そして、肝試しの時も登校日の時も、翼の悩みを聞いたり、フォローしたり。翼の気持ちを何度も救ってくれていてくれました。
改めて翼は、そのことに気が付いたのですね。
委員長は、運がないというか、貧乏くじをひいてしまうというか、なんとなく可愛そうで。肝試しで気絶したり、旅行先で泳げなかったり。可愛くて仕方ないのですが、でも、どの友達にもちゃんと接しているところが、委員長のいいところです。
コメント
こんにちは!
委員長、本当いいキャラですよね…。
ギャグ担当もしっかりこなす、と思ったら、
その時々でキュンとさせてくれて…(笑)。
ピュアな委員長、よいですね…。
今回、フォーカスされたことで、
翼同様、改めて、その存在価値?を思い知りました。。(笑)
ところで、作者コメントの欄に、
「委員長の目は一回描いてから隠してます。」とあったのですが、
1回描かれたとは、いつのことでしょう…?
もし、わかればでよいのですけど、
わかるのであれば、教えていただけると嬉しいです!
私のなかでは、正直、
「委員長の目って出てきたことあったっけ…?」状態です…(笑)。
こんにちは(*^。^*)
返信が遅くなってしまいごめんなさい…
コメントもらえてうれしかったです!!
委員長、好きです。転校初期の頃から、地味にたくさん登場してましたが、
どんどん存在感が増しているように思います!!
作者コメントの蘭にあった「委員長の目は一回描いてから隠してます。」は
139話の最初の方で、委員長が
「逆だろうが!!」
と叫んでいるコマがあります。
そのコマについてで、一度目を描いてから(掲載前に)黒線で、犯罪者みたいに目を隠した、
という意味ではないでしょうか?
つまり、目は描いてみたけど、掲載はされていないようです。
でもその後に、いつかでるかも…とコメントにあるので、
楽しみにしていましょう(*^。^*)