web漫画/カカオ79%【あらすじ&感想136話】~残り21%の甘さ~
136:発端
【あらすじ】
村上さんは、ジュリエットの勇がパリスの翼に後ろから抱きつく所を少し離れたところから見ていた。翼は、勇を引き離そうと、肘で勇の頬を押す。そしてメイク係から、顔はダメと注意をされていた。
ジュリエットの姿を見ようと、周囲にはさらに人が集まって来ていた。ざわざわしている。そんな中、村上さんは、後ろからモブ男に声をかけられて、ハッと振り返る。
「悔しい?」
モブ男は丸めた台本を手でトントンしながら、笑顔で村上さんを見ていて。
「あんな写真までばらまいたのになんの変りもなくて」
***
文化祭の熱気と人だかりで、ざわざわしていた。ジュリエット姿の勇をみた一同が、声をあげる。
「ゆ、ゆ、ゆ…勇リエットォォ!!」
「お、お前一ノ瀬?」
「見りゃわかるだろ」
クラスメイトの問いに、勇は翼に後ろから抱きついたまま、さらっと答える。翼は、後ろから捕まえられている勇の腕を外そうと両手で腕を掴んでいるが外れない。
「綾野さん!動いちゃだめよ!そのままでいて!」
ツーショットを撮りたいクラスメイトに制止される。
しかし、その直後、勇に夢中な人々が押し寄せ、翼はその話からポイっとはじき出されてしまう。そんな翼を、蛍が両手を広げて受け止めてくれた。
「おい!そこどけ!」
「しゃ、写真を撮らせてください!」
「わ、私も写真を!」
「あの!メールアドレス…!」
その混乱の横で、蛍は翼にひっついた。
「ねえ、一緒に学校回らない?!」
人垣の中で、翼から引きはがされてしまった勇は、声をあげる。
「ちょ、な…おい何これちょっと離せっ…!蛍!てめぇ離れろ…!…!」
その近くで、クラスメイトたちがカメラとフラワーを入れる箱を持って張り切る。
「流石だな、一ノ瀬」
「ああ、綾野さんもなかなかいい反響だったけどやっぱ本気度がちがうっつーか」
ジュリエットとのツーショット写真で、フラワーを稼ごうとしているのだ。
「でも…さー」
「ああ」
クラスメイトの男子たちは、ジュリエット姿の勇を見ながら、ちょっと引いている。
「でっけージュリエットだな…」
「ああ」
「美人だからいいけど」
「美人だな」
「美人すぎる」
人垣に囲まれた勇を眺めながら、翼はぼんやりしていた。翼にひっつく蛍が声をかける。
「翼ちゃん~?何不思議な顔してんの?もしかして妬いてる~?」
翼は奥歯を噛みしめた。
「…そう、なのかも…しれない。さっきまで私と写真を撮っていた女の子達がみんな勇のところへ群がっているのを見ると、面白くはないと言うか、悔しいというか…」
蛍は、内心、そっち?と思っている。
「ご安心をパリス殿!」
そこへ、メガネをカチッと上げながら、委員長が登場する。
「あなたはもう一人の主人公をお忘れではなく?」
着替えとメイクを終えた、ロミオ役の委員長だ。
「ジュリエット殿に一人で挑むだなんて身の程知らず!だが!二人なら怖くないのです!何故なら!」
「女子には!!」
言いながら、委員長は翼に飛び掛かる様に、どおっとジャンプする。
「NLより!」
NLって何?
と思いながら、翼が驚いている後ろで蛍の目が光る。そして、委員長が着地しそうなタイミングに合わせて、翼の背中を委員長目がけて、トンと押した。その様子を、人だかりの中で、頭一つ突き抜けている勇も見ていた。
「B……!」
委員長が翼に飛び掛かりそうになる。
「…!!」
勇が何もできないがすごい形相でその様子に注目する。翼の目が飛び出し、条件反射で翼のこぶしも飛び出した。
パン
翼のげんこつが、委員長の顔面、メガネにクリティカルヒットした。
パキン
「うああ委員長メガネー!!」
「メガネェェェ!!」
「メガネがぁぁ!!」
この劇のタイトルは、『メガネロミオとジュリエット、そして』である。
To Be Continued
【感想】
勇も翼もやきもちを焼きあっているところがいいですよね。勇の方がモテているのに、勇の方が激しく焼いていますね。しかも相手は蛍や委員長です。勇は一般の女子多数に囲まれているわけで、要素だけみたら、翼の方が焼きそうなのに、翼は、勇がモテることにはもう慣れているからでしょうか。
モブ男は、村上さんに対しても、何がしたいのか本当にわからないですよね。
村上さんのことを傷つけたいの?モブ男が、愛ちゃんと繋がりのある人と分かってから、はじめは、翼や勇に対しての復讐をしてるの」かなと思っていました。その為の手段として、村上さんを利用してるのかと思っていたのですが、二人がうまくいかないようにするために、村上さんを応援するとかではないみたいですね。
そして委員長のメガネ、割れちゃいましたね。メガネをはずした委員長の素顔が楽しみです。
【ネタバレ/伏線回収班】
タイトルは「発端」
委員長のメガネがわれてしまう
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