『カカオ79％』128:ぶり返す(7)【あらすじ＆感想】

カカオ79%

2018.04.19 2018.03.10

web漫画/カカオ79％【あらすじ＆感想128話】～残り21％の甘さ～
128:ぶり返す(7)

web漫画/カカオ79％【あらすじ＆感想128話】～残り21％の甘さ～

128:ぶり返す(7)

【あらすじ】

訳のわからないカラオケタイムからの帰り道、

「えー、あれ?勇?!なぜここに…!?」
勇は黙ったまま、翼の方を向く。そしてものすごく咳き込んだ。
「うぉい！大丈夫?!いやだからなんでここに…!」

勇は、翼の質問には答えずに、翼を自分のほうに引き寄せた。

そして勇と翼が並んで、アリザワ先輩と向かい合う。
「こんな時間までどうもお世話になりました。こいつは俺がちゃんと家の奥の奥まで届けますんでご心配なく」

アリザワ先輩は 理解はできるけど何故かむかつく と思いながらも、

落ち着け俺後輩だこいつは、落ち着け、と自分に聞かせ
「あっそーんじゃっよろしく」
と言って笑顔で対応した。

「んで、もし、よかったら、あいつのこと送ってやってください。今日中には帰れねぇと思うんで」
と勇は方向音痴な、天童さんを指差す。
「ああ、天童さん！！そうなんです!かっこつけて帰ったけど、あんなところですでに迷ってるし!!」
と翼も続ける。
「まじかよやべえな、てんどっち。しょうがねぇな。んじゃ俺はこれで!」
と行こうとするアリザワ先輩に翼は言う。
「先輩…!今日はほんとに色々とありがとうございました」

アリザワ先輩は、翼と勇が手をつないでいるその手をチラッと見ると、
「最後の合唱でもう痴話げんか終わりだろ?明日からチームアリザワ復活な」
と言って行ってしまった。

「…最後の合唱?痴話げんか…」
勇がつぶやく。翼はカラオケで自分が言ったことを思い出す。

「私、勇が好きだよ」

つないだ手を、翼はパッと振り払った。
「な、なななななんでもねーよ」
勇はほー…と言う。

「何?何のこと?教えろよ、痴話げんかにってどういうこと?あのこと?おれのこと?」
「ななななんでもないって言っただろうが!!大体てめえなんでここにいるのよ!!風邪だろうが!熱出してんだろうが!!何してんのよ!?」
翼は言い返す。
「俺なんかすっぼかしてカラオケ満喫しているその顔拝みに来ましたけど」
勇の言葉に翼ははっとする。
「…ごめんなさい」
「素直でよろしい」

＊＊＊

2人で家へと歩きながら、翼が説明する。
「天童さんと…喧嘩をしたと言うちょっとぎごちない空気を読んだアリザワ先輩がわざわざカラオケに連れてってくれて」
「喧嘩?お前が?天童のやつと?」
勇はちょっと意外そうな反応した。
「うん、だからわざと遅くまで帰んなかったわけじゃないのよ…!避けたりとかじゃないから!むしろ話したいことがたくさんで…でもそれはやっぱあんたの風が全部治ってからがいいかなと思って…」

翼の話を聞きながらも、勇の咳がひどくなっていくので、
「勇、ちょっとじっとしてて」
と翼は立ち止まって勇のおでこを触る。
「熱!!全然下がってないじゃん!!あんた薬は飲んできたの?!てか何できたのよ!! 永遠に風邪引いてるつもり?!」
「なんでってそりゃ…早く…会いたいから…」
翼が口を開けたまま固まってしまう。そして赤面する。

相変わらず弱ると甘えるな、こいつ!!

と翼は思いながらも、 そしてその姿に相変わらず弱い私…

と1人であたふたする。

「俺だって逃げずにちゃんと待ってたんだよ。話したいこと…話さなきゃならないことあるから…待ってたのに…」

いつの間にか家についていた。

今朝会って

今も一緒で

たぶん明日にはまた会える

てか約8年ずっと一緒で隣同士だったのに

離れるのが名残惜しい と思うなんて…

「…今日も看病してくれればいいじゃん」
勇が翼の手をとって言った。
「いやいやいや蛍いるし」
「…今怒ってるから帰りたくない…」
と言った勇の、想像の蛍は鬼婆だった。

「そりゃ怒るわなぁ」
と言ったきり、翼が黙るので、
「…わかったよ帰る」
と勇が言った。
「うち…来る?」
翼が言う。
「うちなら誰もいないから、私が看病できるよ」