『カカオ79%』127:ぶり返す(6)【あらすじ&感想】

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web漫画/カカオ79%【あらすじ&感想127話】~残り21%の甘さ~

127:ぶり返す(6)

【あらすじ】

「あー楽しかった久しぶりに大声出したわ」
カラオケを出ると、伸びをしながらリナ先輩が言う。
「さてと…これからどうやって帰るか…俺1人で全員送れるか?」
アリザワ先輩がスマホの 時計を見ながら言う。

翼、天童さん、村上さんの3人は げっそりしていた。
「みんなお疲れ様。少しまたまたストレス飛ばせたかな?特に最後の曲、名曲だったよ」
そう言ってリナ先輩はウィンクをした。

それを聞いて、 翼は白目になり、 天童さんはそっぽを向き、 村上さんは両手で顔を被った。

30分だけのカラオケ。 ことはアリザワ先輩の一言から始まった。
「あれ?今気づいたけどこれハーレムじゃね?」
「あらほんとね、一ノ瀬くんハーレム!」
リナ先輩が意味をすり替える。
「でもいい男だからライバルが多いのは仕方ないんじゃない?こういうのは…」
と言いながらリナ先輩が カラオケのリモコンを操作した。
「あ、次私の曲」
と言うのは村上さん。

「ごめんね村上さん、多分これで最後かなと思ってみんなで歌えるものに…」
先輩がマイクを握った。 すると天童さんが リモコンで中止を押しながら言う。
「…それを言うなら、1番早く告白を果たした私の勝ちだ。口元ほくろ。大体何のつもりだ?あんたそうやって一ノ瀬に関わる奴ら脅して、裏から諦めさせていくつもりか?」

翼は、リナ先輩への 口元ほくろのあだ名に 思わず吹き出してしまう。

「私の名前は松本リナよ。勘違いしないで、これは単なる宣戦布告よ。正々堂々にってことよ。くだらない小細工に走るとか、にっちもさっちもいかないで迷うくらいならさっさと降りてもらうとか、本気じゃないなら尚更早めに」
と村上さん、翼、天童さんの顔を 順番に見ながら、リナ先輩は言った。
「まぁ、当の一ノ瀬くんが来ていないからこのぐらいしかできなくてね」
とリナ先輩が続ける。

「なんかさ、そのすべてお見通し的な言い方気に食わねえんだよね」
天童さんはソファーのへりに力を込めながら言った。
「こっちだって頑張ってるっつーのにあーだこーだ。立てよ、口元ほくろ。正しい宣戦布告を教えてやる」

天童さんの言葉に、翼は、 天童さんの部屋で殴られた記憶が蘇る。
「ちょ、ちょっと天童さん?!待ってよ、むかつくのはわかるけども、暴力は…!」

翼が言っている目の前で 天童さんはリナ先輩が持っていたマイク奪った。
「リナ先輩!逃げてください!あのマイクで!マイクで頭を…!天童さ…」

天童さんは、スタートボタンをした。 曲が始まる。 天童さんは歌うつもりらしい。 流れてきた曲は、翼が入れた、 KYOICHIの 「受け取ってよ僕のLOVEスマッシュ」 だった。

歌詞は無視して、 天童さんがマイクを通して叫ぶ。
「一ノ瀬は私がもらおう!!誰にも渡さん!!」
その声に一同は驚く。
「…ふふふふふふふふふふ」
笑ながらリナ先輩が もう1本のマイクをとった。
「上等じゃない、やってみる?どちらの鼓膜が先に破れるか?」

翼は、
「リナ先輩?!」
と何故かちょっとワクワクしている リナ先輩に驚く。
「何を…私が何をそんな…何をそんな悪い事したって言うのよ!?私だって!一ノ瀬くんのことが好きだから…!好きなんだよ…!!」
村上さんもタンバリンをとってそう叫んだ。 アリザワ先輩も叫ぶ。
「もう知らん!みんなで歌っちまえ!!残り3分だし、もういい!レッツクレイジーだ!!」

豹変していくみんなの中で 翼が叫んだ。
「天童さん!煽るのはもう十分だからいい加減にしてよ!勇が好きとかもういいから!私には散々素直になれって言ってたくせに自分は…!」

そんな翼に天童さんはマイクを向けた。
「じゃあ言えよ」
翼が一瞬にして固まる。
「ちゃんと言えよ!!ぐだぐだ引きずらないで、周りが素直になれるように!!」

アリザワ先輩、リナ先輩、村上さんの 動きが止まった。

天童さんは木の上で見た光景が 頭の中に焼き付いていた。

翼の腕を掴んだ橘くん、

翼に微笑む橘くん、

翼を抱きしめる橘くん。

この行動が橘君が天童さんを 探すためだったと言うことを 天童さんは知らない。

天童さんは傷ついた顔して翼を見ていた。

 

翼は思う。

天童さんと愛ちゃんは違う

愛ちゃんの時とは違う

それでも思う

もしあの時も自分と周りの

気持ちに気づいていたなら

少しはマシな対応ができたかな

翼は天童さんからマイクを受け取った。

 

「…好きだよ私、勇が好きだよ。だから誰にも奪われたりはしない」

 

***

カラオケ屋の前で解散になる。 リナ先輩が村上さんの肩を組み、 帰って行った。

リナ先輩は笑顔で手を振る。
「まさかの2人が同じマンションに住んでいたとは…」
手を振りながら、アリザワ先輩が言った。
「あんなに仲良かったんですっけ…」
と言いながらも、翼も手を振った。

ふと気がつくと天童さんも、 1人で帰ろうとしていた。
「おい、てんどっち待って!」
アリザワ先輩が引き止める。
「バイト終わって帰ったら、いつもこの時間だから送りはいらない」
そう言って、天童さんは立ち去る。

「天童さん!」
翼が叫ぶ。 天童さんは振り返る。
「…また明日」
と言って翼は手を振った。

そんな翼の横には、 突然勇が立っていた。 翼は咳で気が付き、 驚いた顔をする。
「え、あれ?勇?なぜここに…?!」
勇は何も言わずに、翼の方をむいた。

To Be Continued

【感想】

賑やかだけどこんなカラオケは ちょっと嫌だなと思ってしまいました。 メンバー濃いですね。。。

りな先輩が村上さん、翼、天童さんに それぞれ言った言葉、 くだらない小細工の村上さん、 にっちもさっちもいかないで迷う翼、 本気じゃない天童さん、 的を射ていてすごい洞察力ですよね。

この短期間、2日位で よく見抜いていますよね。アリザワ先輩とリナ先輩が 付き合っていた時って どんな感じだったのでしょうか。
ちょっと気になります。
2人とも洞察力が鋭いです。

やっと翼が素直になれましたね。 天童さんの叫び
「ちゃんと言えよ!!ぐだぐだ引きずらないでもありが素直になれるように!!」
は切ない言葉ですね。 勇のことが好きと言ったのは 橘君を焦らすためじゃなくて、 翼に、自分の気持ちと 向き合わせるためという目的も あったのだと初めて気がつきました。

【ネタバレ/伏線回収班】

翼「私、勇が好きだよ。だから誰にも奪われたりはしない」

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