『カカオ79%』125:ぶり返す(4)【あらすじ&感想】

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web漫画/カカオ79%【あらすじ&感想125話】~残り21%の甘さ~

125:ぶり返す(4)

【あらすじ】

翼とアリザワ先輩が、作業しながら話をしている。
「友達だと思ったこと1度もない…と天童さんに言われたことがあります」
「まじかよ、てんどっち、えげつねぇなぁ」
アリザワ先輩は嬉しそうに言った。
「笑うとこ違います…」

***

この日、演劇のメイクとヘア、 衣装係だった私は、 少しの暇ができたので、 ちょっとだけ綾野さんを覗いて 一ノ瀬くんに挨拶のメールでも 送ってみようかと思っていました。

この女に捕まる前までは…!!

「村上さん、悪いけどこれとこれもまとめてくれない?」
「え?はい、はい」
生徒会室で、 リナ先輩が村上さんに書類を渡す。

何をこの女…!! 弱味につけ込んで 私をこき使うつもり?! 私はそこまで悪い事したっけ?!

「ねぇ君、お名前なんだっけ」
「え?あ…村上…志保です」

名前も知らんかった奴に 仕事任せなよと思いながらも 答える。

「志保ちゃん、悪かったね。暇そうに見えたからって連れてきちゃって、でも手先が起用ですごく助かってるの。字もきれいだし」
「え?あ、いえ…どうも」
そこからリナ先輩は怒涛の質問タイムを始める。

「クラスでは何係を?」
「は、私のクラスでは劇をやるので衣装とメイク等を担当してます」
「そう、君ならうまくできそう、家はどこ?」
「え?この近く…」
「え、じゃぁ徒歩?近いと便利よね。私はバスよ、朝待つのがすごく面倒なの」
「あ、はい」
「食べ物は何が嫌い?」
「特に…なんでも…」
「私はね、ゴーヤが苦手なの」
「あ!私もです…!あの苦味がどうしても…」
村上さんはだんだん会話に乗ってくる。

「あら、わかってもらえて嬉しいわ。じゃあ、あの写真は誰にとってもらったの?」
「あの写真は、同じクラスの人が偶然見かけて撮ったもの…送って…もらって…」
村上さんは話しながら 自分が口を滑らせたことに気がつく。

「で?」
リナ先輩は村上さんに詰め寄った。

***

「そんなの照れ隠しに決まってんだろ、気にすることねぇって」
アリザワ先輩が、 友達だと思ったこと1度もない、 といった天童さんについて話す。
「…照れ…隠し?」
翼はピンとこない。

「だって普通に仲いいじゃん。お互いいろいろ気を使いあっているし、それ、もう友達だろ?」
「お、お互い?」
アリザワ先輩の言葉に翼が驚く。
「特にあいつには大魔王ぐらいに話せる存在、あまりいないように見えるから。あいつどう見ても浮いてんじゃん、周りから」

翼は振り返り、 1人で作業する天童さんのことを見る。

そしていつも1人だった 愛ちゃんの姿と重ねる。

そしてテニス関係者の中で 兄の存在の影響で1人だった自分とも。

あー
もしかして
もしかしたら
私は天童さんにまで…

「…人に惹かれる理由で1番最低なのは何でしょう」
「?金とか…なんかその人自身以外を見て近づくとかじゃね?」
「…昔、天童さんと少し立場が似ている友達がいました」
一瞬会話はそこで止まった。
「………で?」
そう言われて、 翼はキョトンとしている。

「え?まさかそれで最低な理由とか言ってんの?!は、やっぱめんどいな大魔王?!」
「いややっぱ?!でも今考えるとあんな性格の悪い子に惹かれた理由が思い出せない」
「あーもうしょうがねぇな」
そう言ってアリザワ先輩が大きな声を出す。
「おーい!てんどっち!!お前そろそろバイト行くんだろう?!みんなこんなにやってんのに!!お前だけ自己都合で早がりしちゃえばいい!!」
「ちょ、ちょっとそんなふうに言わなくても…!」
翼はアリザワ先輩を止めようとする。

周りの生徒たちが、使えねぇなと、 ザワザワしだしていた。

「その代わり!!ここの全員にハンバーガーおごりな!!」
途端に周りにいた人たちお腹が グーグー鳴り出す。

汗を流した青少年たちは お腹を空かせていました。

「は?!待ってアリザワ!何勝手なこと…!!そんな金あるわけ…!」
天童さんはアリザワ先輩に駆け寄った。
「まあまあ、金は俺が出すからそういうことにしとけ、こいつらだって帰りたいのに我慢してやってるわけだから」
アリザワ先輩はそう天童さんにさん
耳打ちをした。

「て、天童さんいいの?」
男子生徒が喜びながらも天童さんに聞く。
「は?!」
と言う天童さんの横で、 アリザワ先輩が答える。

「いいって言って。昨日もサボって悪かったから、何かおごりたかったって俺に言ってたし」
周りの人たちが、天童さん思ったより いい人じゃん、という空気になった。

「バイトがんばって!」
と言う人たちに、天童さんは あ、とかうー、とかは?とか言うが、 うまく返事ができない。
「うるせい!!バイト行く!!ボケ!!アリザワ貴様覚えてろ!!」
そして天童さんは 逃げるようにして行ってしまった。

「いってらっしゃい、てんどっち」
とアリザワ先輩が言っている横で、 翼は目を丸くしていた。

こんな天童さん、初めてだ。

「おーい、その友達、あいつぐらい口悪いか?」
翼が首を横に振った。
「んじゃ全然似てねーじゃんかよ」

***

「さようなら」
と言う愛ちゃんの言葉。

***

「いいか?よーく聞け! てんどっちはてんどっち! 大魔王は大魔王!! 俺たちはチームアリザワ!! 俺が呼び捨てと暴言の嵐の中でも あいつと一緒にいるのは 同じチームだからだ!! 大魔王だってあいつだから 喧嘩してけなされたりしてんだろうが!!」

翼は自信を持ってはいないが
「け、けなされてまでは…な…ないはず…」
と答える。
「細かいこと気にすんな!そんな時間もがあるなら体を動かせ!そして早く仲直りしろ!!」

あなたを抱えて私は進むよ

そうしてもいいかな

愛ちゃん

村上さんがモブ男にメッセージを送った。
「写真撮ったのはあんただから広めたのもあんたにしてもらいたいの」
モブ男は無表情で返信する。
「ダーメ」

To Be Continued

【感想】

翼が天童さんの 友達だと思ったこと1度もない と言われたことがあると アリザワ先輩に言った時、 先輩はとても笑ってましたね。 確かに、天童さんえげつないです。

でもそれを言われたのは登校日の出来事で、 その後、天童さんの家で 最後は天童さんのことを怒らせてしまったけど、 なんだかんだいいながら 友達っぽいですよね。 ちゃんと。

天童さん、アリザワ先輩に翻弄されてますね。 アリザワ先輩ってすごい…。 さすが生徒会の人ですね。 人望ありそうです。

リナ先輩も、ちょっと種類が 違うかもですが、人望ありそうです。 男子からもですが、 不思議と女子からも嫌われない、 というか一目置かれている感じがしますね。 頭良さそうですし。 会話も上手です。 村上さん、はまってしまいましたね。 翼の心もえぐられていました。

それにしても、やっぱりモブ男でしたね。 でも翼と敵対する村上さんを 完全に掌握するわけじゃないモブ男の態度。 一体何がしたいのかわからないです。

 

【ネタバレ/伏線回収班】

村上さん
「この日演劇の部屋メイクとヘア、衣装係だった私は少しの暇ができたので、ちょっと高いのさん覗いて一ノ瀬くんに挨拶のメールでも送ってみようかと思っていました」

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