web漫画/カカオ79%【あらすじ&感想120話】~残り21%の甘さ~
120:みんなで(2)
【あらすじ】
一昨日、翼と天童さんと橘君が 学校帰りに雨に降られ、 みんなで天童さんのアパートで 雨宿りをした。
翼が逃げ帰った後の、天童家。
翼へ振り上げた傘を、 天童さんは玄関の外で、 カン、と下ろした。
「…天童」
後を追って出てきた橘くんが声をかける。
「何がよかったじゃん!だよ。綾野さんのこと好きなくせに」
橘くんが黙っていると、天童さんは
「何をみんなうずうずしてばかりなのか」
と言いながら、玄関へ入っていく。
そして、橘君のカバンと折りたたみの傘を 橘君へ放る。
橘君が慌ててキャッチしていると、 天童さんは、
「これ、今月の分のお金」
と言って、封筒を差し出した。
「じゃあ気をつけて帰ってね」
と言ってアパートのドアを 閉めようとするので、橘君が抑えた。
「待って天童…!本気じゃなかったら2人の邪魔になる事はしないでほしい」
一拍置いて
「本気よ」
と言って、ドアは閉められた。
***
中庭で、橘君は翼の腕を掴んだ。
「?橘君?」
「綾野さん…ごめん…!」
「え?!」
翼が状況つかめないでいると、 橘君は両手を翼に伸ばして抱きしめるふりをした。
「え?!た、たちば…」
近くの木の上でカサカサと音がする。 橘君が目を見開き、 ポケットからテニスボールを取り出すと、 音のした木の上めがけて投げた。
ゴッと音がして、 木の上から天童さんが落ちてきた。
落ちてきた天童さんは気絶し おでこは腫れていた。 テニスボールがクリティカルヒットした模様。
「本当にごめん…!天童を探してたんだ…!」
翼は呆れる。
「橘君…なんか、天童さんに容赦ないね」
「昨日B組から連れ出した後も、 一ノ瀬のところに行こうとしてて やめるようにしようとしたら、 それからずっと逃げられてるの。 でもこれ以上、邪魔にならないよう 俺が説得しとくから心配しないで」
***
天童さんを芝生の上に寝かせて、 翼と橘君も芝生の上に座り、話をする。
「なんでそこまでするの?」
「え?」
「確かに天童さんのやり方って 無茶苦茶だけど、 本気で勇のことが好きなのなら… 他人が止める権利はないと思うん…だけど」
本気じゃないと思いながらも、 翼は橘君に聞いた。
「綾野さんはそれでいいの?」
「え?」
橘君が質問で返す。
「自分が邪魔になる側になれば すぐに身を引いているのに、 自分の好きな人に好意を寄せている人には すごく優しいじゃん」
「いやいや私の場合は、 好きでもないのに 空気読めずにつるんでたから 悪いなぁとっただけ…! 相手のことが本気で好きで 動いてる子たちとは違うから!」
「本気ならね。それに今は一ノ瀬のこと ちゃんと好きって自覚持ってるし」
え… なにこれ
もしかして
「た、橘くん、天童さんを引き止めている理由って、 私と勇を応援してくれてる他にも…あったりする?」
翼がおそるおそる尋ねる。 橘君が微笑みながら答える。
「ないよ」
自動販売機でジュースを買う橘君の 後ろ姿を見ながら、翼は考える。
…聞いてはいけないことを 聞いたような気がしてきた
ええと。 多分橘君は 天童さんの気持ちに気づいてて、
でも…でも?
そして翼の横で寝ている、天童さんを見る。
…天童さん
天童さんは突然、目を開けた。 そして上半身を起こし、
「起きた」
「痛い」
と言った。 翼が驚いて、ぎゃー!と悲鳴をあげた。
天童さんはおでこを抑えながら、 翼の顔見ると、 何も言わずにペッと唾を吐いた。
翼はそれを見て、 まだ怒ってると言うことがわかった。
「君!そんなところに唾吐いたらだめでしょう」
誰かが、横から、天童さんのことをチョップした。
***
ジュースを買った橘君が戻ってくると、 立って説教するリナ先輩の前に 翼と天童さんが正座をしていた。
「ヤッホー橘きゅん」
と挨拶するリナ先輩に
「どういう状況か聞いて良い?」
と橘くん。
To Be Continued
【感想】
翼が帰った後の天童さんと橘君は、 思っていたより何も無かったですね。 でも天童さんが勇を好きと言ったことで、 橘君の行動に変化が…。 相変わらず気持ちは分かりませんが、 何かしら焦っている感じがします。
本当にごめんと 抱きしめるふりをした翼には謝っているのに、 テニスボールおでこにぶつけて 木から落とした天童さんに対しては 容赦のない姿には笑ってしまいました。
でも橘くん、 遠回しに翼が聞いている時は 否定していますが、 本当に天童さんのことを どう思っているのでしょうか。 表情、言葉、行動から全く判りません。
天童さんは、翼と橘君が 抱き合ってるところを見たわけで。 自分をおびき出す作戦とは知らないわけで。 翼に対して変な勘違いとかしないでほしいです。。。
リナ先輩は、橘君のことも ちゃんとチェックしていたようですね。 さすがです。
【ネタバレ/伏線回収班】
●橘君に封筒わたす天童さん
「これ今月の分のお金」
●橘くん、翼に抱きつくふりをして、天童さんをおびき出す
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