『カカオ79％』119:みんなで(1)【あらすじ＆感想】

web漫画/カカオ79％【あらすじ＆感想119話】～残り21％の甘さ～
119:みんなで(1)

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119:みんなで(1)

【あらすじ】

「そこのあんた、話があるんだけど、ちょっといい?」
翼が昇降口で強そうな女子3人に声をかけられる。
「へ?」
翼は冷や汗が出てきた。

学校についても心を落ち着かせる余裕はなかった。

ドンと足で壁を蹴りながら、強そうな女子は話し続ける。

「あんたさぁ、一ノ瀬くんの彼女じゃないんだって?」
そう言われて、翼が昨日の天童さんショックと村上さんショックを思い出す。もう噂が広まっていることに翼は驚愕していた。

「そんなんだったらさぁ、最初からさぁ空気読んで引っ込んでればさぁイケメンの隣に住んでるだけで特別扱いされる運の良い女だと思って死ねばいいのにとか思われなくて
すんだのにさぁ、一緒に引っ越してきたからって調子乗ってんじゃねーよ」

＊＊＊

女子3人と翼が人目のつかない階段の下で4人で話す。

話しているうちに、はじめは恐い顔をしていた3人が みるみるうちに笑顔になる。

「そんで勇の好きな食べ物…基本何でも食うやつなんだけど甘いものはダメで、肉系好きで、好きな色は青系とか…」
女子たちは翼が教える
勇の情報を猛筆記で書き留める。

「過去の女のタイプ!!」
「家族構成は?!」
「スリーサイズは?!」
女子達からは次々と質問が飛んだ。
「ありがとう!一ノ瀬くんのことでまた聞きたいことがあったらその時はよろしくね」

一通り質問が終わると、女子たちが満足して、にこやかに去っていった。

翼は無表情で3人に手を振る。
「フッ、この程度のつっかかりにはもう慣れてるさ。対処法もバッチリさ」

慣れてはいるけど、慣れてはいるけど…！と翼は逃げるように廊下を歩く。

こっちに転校してきてここまで強引なつっかかりは始はじめてなわけで

「おはよー綾野さん!ごめーん、今まで誤解してて〜、違う違う言ってたけど、本当に一ノ瀬君と何もなかったんだね」
女の子たちがにこやかで翼に話しかけてくる。

勇のファンクラブを結成されたようだ。
「あれだよね、兄妹って感じ?やっと納得できたというか…まあそういう形でも一緒にいられるって言うのがうらやましいけど…ドンマイ!他にいい男いっぱいいるから!」
と知らない女子にも話しかけられる。

それからたくさんの女子に囲まれ、
「実は転校して来た時からずっと…！ってことでこれ渡してほしいんだけど」
「お姉さん、一緒にお見舞いに…!!」
などと勇へのプレゼントを渡されそうになる。

翼は、昨日、勇とキスしたことを思い出しながら
「あ、あの…実は私…勇とは……だからその…私、…実は」
切り出そうとするが、
「勇のことが…」
と翼が言った時の女子の集団の
「何」
と言う圧力に負けて切り出せなかった。
「弟と言うより息子の感覚で見守ってるから、だからみんなほどほどに…な」

「私も勇のことが好きでした」
と言うと、
「お前の席はねぇから!」
となる雰囲気。

＊＊＊

翼は1人、中庭のベンチで、ぼーっと座っていた。隣では勇に渡すよう頼まれたものたちがあった。小さな紙袋に入ったものや手紙たち。
「…やだなあ、これ渡すの」

私は勇のことが好きで、多分勇も私のことが好きだけど付き合うとかまだそういう話を
していないからなあ

私が何かを勝手に発表(?)するのもちょっと…

それと

若干

申し訳ない

と

…思ってしまった。

上から目線だし、偽善だし。

翼は青く晴れた空を見上げる。