web漫画/カカオ79％【あらすじ＆感想117話】～残り21％の甘さ～
117:雨降って
【あらすじ】
翼のことを思って涙を流す勇を、 翼が抱きしめた。
翼の腕の中で、勇は泣き続けた。
＊＊＊
外が雨は止んで、雲の間からは日の光が差していた。
翌朝。すずめの鳴く声に、勇は目を覚ました。起き上がってから部屋を見渡す。
翼はいなかった。 頭の中には、確かに翼とキスをした記憶があった。
「えー………ゆ…め」
勇がつぶやく。 部屋のソファーの上に翼の制服のネクタイがかかっていた。
「…じゃない」
と言って勇はベッドから転げ落ちた。バタンと大きな音がする。
「勇にぃ！どうしたの!?大きい音がしたけど!」
キッチンで料理をしていた蛍と光が急いで勇の部屋にやってきた。
「なんだ馬鹿みたいに転げ落ちただけか。起きたら呼んで? まだ熱があるから馬鹿みたいに無理しないで」
「俺は心配されてんのか馬鹿にされてんのか…」
勇は、床に転がりながら言った。
右手には翼のネクタイを持っていた。
「馬鹿にしてる」
と蛍は即答するが、勇は床に転がったまま笑い出した。
「ふう…ふふふはは、痛えな、うん、いてーよー」
「痛いのに笑ってんの?きも」
蛍は容赦ない。
「帰ってきたらさぁ、勇にぃのベッドで2人がクロスで寝てたのよね。 勇にぃが下敷きになってて。そんで、翼ちゃんをちゃんと寝かせようと思って 布団をとってきたら「私も平気だから帰るね!勇のことよろしく」って言って 帰っちゃったの」
蛍は勇に昨日の説明をした。
「さっき、熱はもう下がったって連絡が来たけど 心配だからお粥持っていこうと思って」
翼は自宅で学校へ行く支度をしていた。
「ふう、さすが私。1日で熱下がってくれてホント助かったよ。 雨もやんだし、昨日できなかったことを今日まとめてやらないと」
支度をしながら、 ふとカバンの中にあったロミオとジュリエットの台本が目に入る。 途端に翼の顔が赤くなった。
昨日、蛍の顔すらまともに見れなくて、 逃げるように1人で帰ってきた。 その後も目を閉じると 勇の泣き顔が浮かんで。
あー、勇の泣いてるとこ見るのいつぶりだっけ。 男の人がこんなに泣いてるとこ初めて見たな
綺麗に泣くな
私が泣かせたんだよな
私が…
と思っていたらいつの間にか熟睡
翼は破廉恥破廉恥と思いながら 自分の顔パンパン叩く。
単純だ!!単純すぎる!! 怒りともやもやが消えた途端 よく眠れたよ! グッドモーニングだよ!! 動物かよ!?
翼は頭をブーンブーンと振り回した。
昨日タクシーに乗る前まであんなにイライラしてたのに、 今じゃ。
勇は熱下がったかな… 多分あいつ今日は休み
と翼が考えていると、ピーンポーンと 玄関のインターホンがなった。
「おはよう蛍わざわざ米のお粥…」
と言って玄関のドアを開けると、 そこにいたのはお粥を持った勇だった。
「おはよう」
こんなにも恥ずかしい気持ち!!
翼は思わず勢いよくドアを閉めようとするが、 勇が自分の足を挟んで阻止する。
「今日は…!女の子の一ノ瀬にきてもらうことにしたんですが…!!」
「こっちの一ノ瀬の方が喜ぶんじゃないかと思いまして、交代させていただきました」
2人ともドアに力を入れているので 声が震えていた。
「…!なんであんたはそうやってすぐ何ともない顔してのこのこと…!」
赤面して震える翼に 勇はギブアップを申し入れた。
「翼、いい加減にして、足ちぎれる」
「あ」
＊＊＊
勇は、無事、翼宅の玄関に入れた。 まだ咳をしている。
翼は冷や汗を流しながら、勇に背を向けていた。
どうなるの?!
To Be Continued
【感想】
本編への感想ではありませんが、 まずは、書籍化決定 おめでとうございます。
本当に本当にうれしいです。
で、本編の感想ですが。 夢じゃなくて、 そして勇がちゃんと覚えてて よかったです。
忘れていった翼のネクタイが、 現実の証みたいで素敵です。 久しぶりの勇の笑顔ほっとしました。 登校日以来とかだったように思います。
2人がクロスで寝てて 蛍はさぞびっくりしたんだろうな と思います。 お粥を作ってくれるなんて、 さすがですね。
でも、翼も元気そうですね。 表情もスッキリしてました。 グッドモーニングだよには笑ってしまいました。
翼は、勇と蛍がそっくりだから、 キスした後はホタルの顔を 見れなくなっちゃうんでのでしたね。 思い出しました。
まだ翼と心の準備ができていないのに 勇に再会しちゃいましたね。 勇の突っ走っちゃうところ、 自制してるって言ってましたが、 まだまだ健在ですね。
翼にキスされたから、 自制解除したのでしょうか。
【ネタバレ/伏線回収班】
・勇はまだ熱がある
・蛍のお粥ゲット
・翼のネクタイは勇が持っている
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