『カカオ79%』133:Dー【あらすじ&感想】

スポンサーリンク
カカオ79% カカオ79%
スポンサーリンク

web漫画/カカオ79%【あらすじ&感想133話】~残り21%の甘さ~

133:Dー

【あらすじ】

「で」
「き」
「たー!」
「お菓子の家ぇぇい!!」
歓声が上がる。

文化祭実行委員が制作したお菓子の家の門。

翼を始め、作ってきた人たちが、完成した門を見上げる。

そして、やったぜーと、近くの人同士で肩を叩きあったり抱き合ったりしながら喜ぶ。翼は自分もこの嬉しさを分かち合いたいと周りを見渡す。

アリザワ先輩は近くにはいない。

少し離れたところに天童さんがいた。目が合うと、天童さんはすかさず親指を下に向けて、目で訴える。

こっちきたらぶっ飛ばす

そして、天童さんは行ってしまった。

文化祭まで1日を切った。勇の風邪が本格的になり寝込んでいる間も文化祭の準備は着々と行われた。

今までも忙しかったけど、それはまだ遊べる方だったよと言われてるようにますます忙しくなり、寝る間も食べる間もなく働いていた気がする。でもそのおかげで何とか間に合いそうに…?

***

「ちがーう!!」
モブ男が吠える。
「違う違う違うんじゃよー!!なんでそこでセリフ間違えるわけ?」

本日はDー1day。

つまり文化祭前日。

「委員長、主人公がセリフが間違えてどうすんだよ!!どうしたの?!暗記だけが得意そうなメガネキャラしてるくせに!!」
委員長は泣きながら反応する。
「その偏見良くないです!全世界のメガネキャラに謝って…!」
「黙ってセリフ暗記!!」
「綾野さんはその不自然な動きやめようって言ったじゃんか!!」
「す、すまん!!緊張してきて…!」
「一ノ瀬くんは動線をもう少し合わせて!」
「くそ休みすぎた」

「もう一度やり直し!!明日までぶっ通しで練習だ!!」
モブ男が叫んだ。間に合いそうにない。

***

翼はため息をつきながら廊下を歩いていた。

今の状況振り返る。

はー…門の完成が間に合ったのはよかったけど劇の方が思ったりやばいな。勇の体調が悪かったのもあるし、私も委員会の仕事とちゃんと両立できたかは危うい。

全部自分でやると言ったからには迷惑かけちゃいけないのに。でも委員長のミスは意外だったな。まぁロミオは主人公なわけだし、セリフも多いから…

「あの」
翼が考えていると、門製作委員会の西山くんと言う男の子に話しかけられた。
「綾野さん、ちょっとお願いがあるんだけど…」
西山君は黒い手帳を翼に渡す。
「おそらく、天童さんの忘れ物だと思うんだけど、代わりに届けてくんない? 2人ともすぐ帰っちゃうから」

翼は、なんで私に?と西山くんに聞く。
「ハハハ…それがまだ1対1では怖くて…綾野さんは一緒のチームだったし…いつもバイト終わったら学校戻ってきてたから教室にいるかも」

翼は、天童さんのクラスである1ーEの教室に来た。
「お忙しいところすみません、天童さんはこちらに帰ってきてますか…」

E組の人は、誰も答えない。翼はむすっとする。…相変わらずこのクラスの雰囲気。天童さんの名前が出るとみんな固まって…。

委員会の方でも、結局天童さんはあのハンバーガーの差し入れ以来みんなとは少し打ち解けたぐらいで止まっている。(個人的にはまだ怖がられている)

委員会の方で馴染んでもらえればクラスでも何とかなじめるようになるんじゃないかと思ったけど無理だった。

そして翼ははっとする。もしかして私が委員会の方へ誘ったせいで、せっかくクラスで親睦を深めるチャンスを台無しに!!

いやでもクラスの方には参加すらしてなかったと言うし、いや、でもっ

翼がE組の出入口で挙動不審でいると、いつかの女子生徒が話しかけてきた。

登校日の日に天童さんと揉めていた女子生徒だった。
「天童さんならクラスによってすらないよ」
「うわーあー…」
翼若返っながら頭をかく。

そういえばあの時…私たちの余計な世話で、天童さんの立場がもっと悪くなったのかもしれない。
「あの…さ、これ、天童さんの忘れ物渡してほしんだけど」
「は?話聞いてる?教室にはいないって」
翼はいらっとしながら言い返す。

「なら机の中にでも突っ込んでくれればいいじゃないすか。クラスも同じなくせにそのぐらいはできないの?何よあんたのクラス、馬鹿みたいにみんなでビビりやがって」
その言葉に女子生徒もさすがにいらっとする。
「あんた…!あのヤンキー女の過去とか知らないから」

「ごめん」
翼は唐突に謝った。女子生徒は流れが掴めずには?と言っている。
「そうだよ、あのとき私は前後の事情とか天童さんの事とか何も知らないであなただけを責めたよね。絶対あの方向音痴のメガネヤンキー女も悪かったに違いないのに、本当に私が悪かったです」
女子生徒は困惑している。

あの時、勇は、天童さんの事情、知ってかばっていたんだ。

でも私は…

「…私は偏った考え方しかできないというか天童さんのほうに感情移入してしまったというか、天童さんによく思われたいが為に、あなたの立場は考えようともしなかった。あなたはせっかく天童さんに声をかけてくれた人なのに。もちろんだからといってあなたの言い方が正しかったと思わない。彼女には彼女なりのやむを得ない事情があったの。だからこれ、渡しながら謝って……いやもう一回声をかけてくれない?」

そう言って翼は天童さんの手帳を差し出した。

これもまた余計なお世話になったしまうかもしれない。

でも少しは私もましな行動を取れるようになったと信じたいが

パッと女子生徒は手帳を受け取る。そして

「机の中に突っ込んどく」

と言った。

女子生徒が行ってしまうと、翼は歩き出しながらガッツポーズをした。
「よっしゃ!!やるぞ!!がんばるぞー!!ぶっ通しだろうがなんだろうが何でもやってやるぞ!!」

その様子を、天童さんは腕組みをしながら、廊下の角の影で見て無表情で見ていた。

小さな変化と

微かな希望を

抱いたまま

不安しかない

文化祭が始まる

胸騒ぎがする

DーD a y

To Be Continued

【感想】

今回扉絵のイラストがバレンタインにちなんでいてとてもきれいでした。上段の女子に混じって委員長がいました。誰よりも女子っぽいですが女子トークとか恋バナとか。

天童さんと翼の関係、変わるのでしょうか。今まで翼はなかなか勇以外は砕けた態度をとらないというか、無理してちょっといい顔して嫌われないようにしていたのに、天童さんのクラスメイトに思ったことすぱっと言っていて
ちょっと変わってきたのかなと思いました。

そういうところが嫌いと天童さんに言われてリナ先輩にもがっつり心えぐられて強くなりましたね。村上さんとも張り合えるようになるのでしょうか。

【ネタバレ/伏線回収班】

天童さんのクラスの女子と翼の会話を天童さんは角でこっそり聞いている。

コメント