『カカオ79%』110:やめちまえ【あらすじ&感想】

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web漫画/カカオ79%【あらすじ&感想110話】~残り21%の甘さ~

110:やめちまえ

【あらすじ】

B組の教室に入ってきた天童さんは、勇の手を取り
「一ノ瀬くん、アイタカッタヨダイスキ」
と言った。
「はあ?お前…今何を」
勇が具合悪そうになりながら、言葉を発する。

そこへ、橘君がものすごく慌てて、B組の教室へ来た。
「すみません」
勇が天童さんの手を振り払いながら橘君を見た。

橘君は息を切らしていた。
「この子また教室間違えて」
と頭をかきながら天童さんに近づくと、
「直ちに!回収します!すみません!」
と言って、天童さんを後ろから羽交い締めにして、ズルズル引きずりながら教室を出て行った。

廊下でも、翼に向けて、すみませんでしたと繰り返しながら、天童さんを引きずり去っていく。

翼も勇も何が起きたかわからず、固まっていた。委員長にいたっては震えていた。

冷や汗ダラダラで勇は、
「朝っぱらからな、何の騒ぎだ!?」
と言いながら、今の出来事をなかったことにする。
「い、一ノ瀬くん…!実はこんな写真が出回っているみたいで…!」
と村上さんが勇に話かけた。

翼が、自分が帰った後、橘君と天童さんに何かあったのかな、と考える。あんなに慌てる橘くんは初めてだった。

村上さんがいつからいたのかと翼の存在に気がついたが、目が合うと、ふいっと顔を逸した。
「おい誰だ、人の写真勝手に撮って、勝手にばらまいてるやつ」
勇がスマホ片手に不機嫌そうに言う。教室は、写真の出所を突き止めようと、ざわざわし出す。

「ごめん、一ノ瀬くん、私が勝手に傘貸そうとしたせいで…」
「別に村上さんが謝ることねーだろ。勝手に変な写真取りやがった奴が悪いし、実際傘なんか借りてないから」
勇の言葉は翼も聞いていた。委員長もほっとしている。

クラスメイトは、えーちがうの?と口々に言っている。
「何-だ。てっきり一緒の傘で帰ったのかと思ったら違ったのかよ」
「ちげーよ、雨の中、突っ走って風邪ひいたっつうの」
と勇が言った。
村上さんも続いて話す。
「そうだよ、みんな変な勘違いしないでね、私が傘を貸そうとしてただけのことだよ。誰が撮った写真なのか知らないけど、一ノ瀬くんは今好きな人なんかいないと言ってたし、彼女を作る気もないと言ってたから、これ以上変な噂を立てて困らせないでね」
そう言うと村上さんは勇にスマホの写真の削除の仕方を教え出した。

周りのざわざわと、焦る委員長の横で、翼は一瞬村上さんの言葉が理解できない。少し間をおいて勇が
「はー!?」
と言い、それに呼応するかのように、翼も
「は!」
と言った。

***

ズサっ。
翼は勢い余って、カッターで自分の指を切ってしまった。翼は、委員会の手伝いに来ていた。
「大丈夫!?すごい血出てるじゃん!!」
「しかもきれいに怪我してるところ、また切ってるし!早く保健室…!!」
「その後は教室戻っていいから!今日はアリザワチームは雨で休んでよかったのに何無理してんのよ」
翼の怪我に気がついた、委員会の他の人たちが指示をくれる。

この前ふられた身

私は怒る資格なんてないことぐらいわかっている

でも

 

はあ!?といった勇は、その後、村上さんに
「おいまって俺がいつそんな…」
と言った。
村上さんは、
「ああごめん実は…」
と言いながら、勇の耳元で内緒話を始める。

結構長く話してるように感じた。その光景を見て、翼の心臓はドクンとなった。村上さんと内緒話をしながら、勇の視線が翼の方を見た。

翼がいたたまれなくなってて委員長に
「やっぱ委員会のところに手伝いに行く」
と言って、その場を離れた。そして委員会の仕事を手伝っていた翼は、指を怪我して保健室へと向かう。

保健室へ向かう途中、先ほどのこと思い出して怪我した手を握り締める。血が吹き出してきたが気にならなかった。

翼は考える。

ムカつく

ムカつく

好きな人なんかいない!?彼女を作る気もない?!

ああ言ってたもんね!?そう言ってたもんね!!

その上もう好きでもなくなったってこと!?

 

村上さんに耳元で話をされていた勇。

いや、あれは、と言いかけていた勇。

逃げたのはあの場面が見たくなかったから?

その後が聞きたくなかったから?

いや、どっちもだろう、

 

私はまた逃げたんだ

認めたくない時に逃げて

見たくない時に逃げて

傷つきたくない時に逃げて

 

天童さんが言っていた。あったがこれ以上厳しいこと言われたくないだけだろ!?

そうだよ!だって怖いじゃない!!

もし勇があの冷たい目で今度こそ…

もう終わりにしよう

とか言われたらその時にはもう友達には

愛ちゃんが言っていた。
「いちど意識しちゃったらもう友達には戻れないのよ」

だからずっと逃げていたのに結局そうなりかけてるし

なんなのよこれ

何が恋だ

何が勇者だ

しんどくて辛くてむかつくだけじゃん

誰かとくっついているところを見ただけでいらつくとか気色悪い

どんだけ自己中だよ

もういい

ここまでで良い

友達でいられたらそれでいい

 

また逃げるのかって?そうだっつうの

ほらまだ始まってもいないのにもうボロボロだよ

取り戻せないところまで行っちゃう前にここでやめよう

 

 

天童さんと勇、あんたが言った通り私は本気じゃなかったのよ

こんなんで諦めたってまだ逃げる位の気持ちだったのよ

もしくは勘違いね

 

 

今度は目をそらさずにちゃんと考えるとか

ついていけるまでもう少し待ってほしいとか

全部嘘だから

 

 

あれはあんたのためと見せかけて結局

その場を免れるよう心にもないことを適当にいいふらしただけだから

だから…

「失礼します」

翼が保健室に入った。保健室の中には咳をする勇がいた。

だから…ちゃんと戻してみせろよ

友達に

To Be Continued

【感想】

天童さんの勇回の愛の告白は、周りの人はびっくりしていましたね。でも誰よりも勇が呆気にとられていましたね。

橘君の回収の仕方さすがです。翼が天童さんの家を飛び出したと、2人はどんな会話をしたのでしょうか。

村上さん、想像以上に感じ悪かったですね。勇が好きと言うよりも、翼に敵意ありと言う感じですね。

翼は、相当色々と考えていますね。勇が思っている以上に、翼は、普段から色々と考えたり感じたりしています。気が短いところがあったり、不用意にしてしまう発言があるので、勇からしてみたら、翼がこんなにもいろいろな思考を持っていることに気づいていないと思うのです。もちろん足りない部分もありますが。伝わってないけど、翼の方がいつも1枚上手のように思います。

そしてここ(保健室)でも、翼と勇は遭遇してしまうんですね。勇にはちゃんと友達に戻る覚悟が本当にあるのでしょうか?翼は永遠の友達と捉えているのだと思いますが、勇は前に進む前の準備期間ぐらいにしか捉えてないように思います。

【ネタバレ/伏線回収班】

・勇に告白する天童さんは橘君が回収
・勇と村上さんの写真を最初に送ってきた人が誰かがわからない。

 

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