『カカオ79%』59:ブレスレットを壊したのは誰だ【あらすじ&感想】

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web漫画/カカオ79%【あらすじ&感想59話】~残り21%の甘さ~

 

59:ブレスレットを壊したのは誰だ

 

【あらすじ】

校舎のドアの外で抱き合う翼と勇。大きめの雫が、勇の肩につかまる翼の指に落ちてきて、翼は我に返る。
「あ、離してよ」
勇が応じる素振りがないので、翼はもう一度言おうとする。
「離せ…!」
「ごめん」
「そんな思いをさせたかったわけじゃないんだ、ごめん」
勇の腕の中で、翼の目から、涙がこぼれる

「大体お前は、99%ゴリラ出てきてて、残り1%でギリギリ女子保ってるもんなんだから、女の子じゃないお前はいらないつっいだだだだだだだだ」
話してる途中で翼は、勇の腕をつねりだす。勇が少しだけ、翼を自分の身体から離して、両肩に両手を置く。

「…だから、俺はどんな翼でも一緒にいたいよ」
翼の目を見る勇。涙でいっぱいの目をした翼。その顔を見た勇は、何も言えず、うつむいて、翼の肩から手を離した。
「ごめん…俺一人で突っ走って、寂しい思いをさせて」
「お前はやっぱ親友の俺が一番安心できるんだよな。…その心地良い関係に戻ろう」
「え…」

「俺は…さっきの言葉で十分だから、お前の言った通りじゃれあったり笑いあったり…今まで通り…過ごしたい」
「…俺の気持ちよりお前が笑うことが大事ってこと」
「ずっと忘れてたんだ…もうお前が困るようなことはしないから」
「だから笑って」
びしょ濡れの勇が、切なげな顔で翼を見ていた。翼も勇をまっすぐに見ていた。

***

ホテルの部屋で、空はアメリカのテニスアカデミーのパンフレットを前に悩んでいた。

マネージャーが一緒にいるスタッフに説明するには、妹の翼にテニスの留学を進めたいけど怒られるのが怖くてびびっているとの事。

そして、空は昨日、翼の腕を治療してた病院まで行って、完治していることを確かめてきたそうだ。空は、翼が留学に行けないのは、臆病で、意地っ張りなんだとつぶやく。

***

「教室戻ろうよ。朝礼終わっちゃったし」
そう言って、校舎に入ろうとする勇に、翼は後から抱きついた。そして、勇が戸惑っているうちに、翼が力を込めるので、2人して前にバタンと倒れた。
「何すんだよてめえ!!あぶねーだろうが!!」
体を起こしながら勇が言うと、翼も言い返す。
「あんたこそ何すんだよ!!そんな顔で笑ってとか言われて笑えるかボケ!!」
「はあ?!じゃぁどうしろってんだよ!?
この状況でもっと笑えって言うのかよ!!鬼かてめぇは!?こっちは今、断られた身なんだから!!」
「まだ断ってない」
意外そうな顔の勇と、必死な翼。

勇の頭の中は「?」マークでいっぱいになり、少しおどけてキスして良いのか確認をするが、さすがに翼は違うよ!!と否定する。

やけくそ気味の勇は、翼をいたぶるように話す。
「じゃあ何、ご丁寧にこれから振ってくれんの?」
「ち、違うから、まず顔離れろ!!そして話を聞け!!」
「ぶ、ぶっちゃけ私たち…何も…なかったじゃん。告白とかされ…たわけでもないし、だから今まで何もなかったんだ」
それを聞いた勇は、もう一段階、ギアを上げて翼をいたぶる。片手で翼のほっぺをつぶしていた。

「はあ?つばさちゃん?俺怒ってもいいかな、プラス泣いていい?」
「いや、あの、だから私が言いたいのは、勇は自分のいたいままでいればいい」
勇は、翼の顔から少し離れて、翼の話を聞きだした。翼はそんな勇の顔覗き見る。
「っ…確かに私は全部戻したいと思っているし、これからもそうなんだと思う。でも…あんな顔は嫌だから、私だってあんたにちゃんと笑って欲しいの」

翼は花火大会の翌日に、自分を押し殺して「ごめん」と言っていた勇の表情思い出す。

「俺が壊したもんだよそのブレスレットは…ごめん」

「あんたが全部悪いみたいな言い方もしないでよ。だとしたらついていけない私も悪いだから…」

話ながら翼は、ブレスレットのことを考えていた。誰が壊したか誰が悪いかは重要じゃない。壊れて悲しいのは一緒で、壊れたって大事なのに違いはない

「…まずブレスレット直してくれてありがとう」
勇が、いきなり出てきたブレスレットと言う単語に困惑していた。
「そして…私は私のやりたいがまま、あんたはあんたのやりたいまま今まで通りに一緒にいるの」
「でも今度は私、目をそらさずにちゃんと考えるから、 これからをどうするかは…もう少し…待って…欲しいです」
翼が下を向いて言った。

「…なんで急に?」
「…ど、どんな私でも一緒にいたいって言ってくれたから…だから…私もどんな勇でも一緒にいたいと…言えるように…」
「ダメ…かな」

勇は、トンと自分のおでこを翼のおでこにくっつけた。じっと翼の目を見る。
「…今はそれで十分だよ」

何も変わってないのかもしれない

周りではまたじれったいと迷惑だと言われるかもしれない

でも私たちの速度で1番心地良い距離を

探していけばいいんだとやっと少し分かった気がする

***

翼についてのメモを見る空。

バカンス中の橘君。

バイトの用意をする天童さん。

文化祭について話し合うクラスメートたち。

中学の頃の翼と勇と愛ちゃんが映った写真をスマホの画面で見るモブ男。

まだ越えないといけない壁がいっぱいある。

その中には越えられない壁もあるかもしれない。

でも登るうちに変わっていくものも 確かにある。

To Be Continued

【感想】

翼は、表に出ている言葉以上に、たくさん考えています。勇が、翼の良き理解者ではあるけれど、こと恋愛のことになると特に、翼が考えているいろいろを想像できなくなってしまうようです。

今回、時間が欲しいと言うことを伝えることができてよかったです。翼はそれ以上に考えていたこともあるし、言葉にできなかったこともありましたが、勇だけでなく、読者である私も、今はそれで十分、とほっとしました。

それにしても、雨に濡れる勇は、色っぽいですね。

【ネタバレ/伏線回収班】

★ここに注目★

・翼の腕は完治している
・空は翼にテニス留学を進めたい

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